カスタマーサービスプラットフォームを提供する米Zendesk(ゼンデスク)が2013年2月に国内市場へ参入してから10年がたった。直近の国内でのビジネスについて、日本法人の冨永健社長は「非常にうまくいっている」と胸を張る。ユーザーが自ら導入できる手軽さを強みとする一方、SIerの力が必要となる複雑なビジネスに「伸びしろがある」と説明する。さらなる成長に向け、パートナーとの関係を一段と強化する方針だ。
冨永 健 社長
冨永社長は、他国と同様にスタートアップから顧客の獲得を進め、現在の顧客基盤は大企業にまで広がっていると紹介。案件の数としてはユーザーが自ら導入するケースが約8割を占めるが、1件当たりの金額は、同社やパートナーであるSIerの支援が必要となる複雑な案件のほうが大きいため、ビジネスの拡大に向けてパートナーとの関係強化は欠かせないとした。
今後、既存のパートナーは引き続き手厚く支援する。新規パートナーについては、幅広いニーズに対応できるようにするため、新しい技術をいち早く提供できるスタートアップ系から大型案件に対応できる大手まで幅広く焦点を当てるほか、地方・業界に特化していることにも着目すると説明し、「インテグレーションをすればするほど、われわれのプラットフォームの価値は上がる。『日本のCX(カスタマーエクスペリエンス)はもっとよくできる』と一緒に啓発してくれるようなパートナーの獲得を進めたい」と話す。
国内企業の動向に関しては「製品の差別化が難しくなる中、ユーザーに選ばれるようにするためには、CXに投資していかないといけないが、多くのビジネスリーダーはまだ可能性に気づいていない」と指摘し、次の10年に向けて「かなり自信を持っている」と語る。(齋藤秀平)