インターネットは流通構造を変革させるという見方が強い。ネットビジネスの広がりとともに、ビジネスモデルの変換を図る流通商社が増えた。そんななか、「デジタルコンテンツ流通」を切り口に、ビジネス拡大を図っているのがビー・ビー・サーブの孫泰蔵CEO。オンラインゲームの流通ビジネスを手がけている。将来的には、コンテンツ流通業として、デファクトスタンダードを目指す。
「直販が基本のネットと既存の流通構造が果たして調和するのか」という見方に対しては、「日本のネットビジネスが拡大しないのは、よいコンテンツが消費者に伝えきれていないためだ」と指摘しており、「日本ならではの仕組みが市場拡大の要素だろう」と分析する。さらに、「ゲームパブリッシャー(開発会社)がよいゲームコンテンツを開発できる環境を提供することが重要」と強調する。
実兄であるソフトバンクの孫正義社長は、「師と仰ぐ存在」だそうだ。「学ぶべきところは学ぶ」としており、デジタルコンテンツ流通という全く新しいビジネスを創出したといえる。「テイスト次第で面白いゲームに仕上げることも流通業者の役目。市場規模を広げる味付けをしていく」このビジネスモデルが成功するのかどうかに注目が集まる。
プロフィール
孫 泰蔵
(そん たいぞう)1972年、佐賀県鳥栖市生まれ。96年、東京大学経営学部経営学科在学中に、大手検索サイト「ヤフー」のコンテンツ開発リーダーとしてプロジェクトを総括。同年、インディゴ(現アジアングルーヴ)を設立する。99年、東京大学卒業。00年、電子商取引の顧客管理を請け負うビーウィズ社、02年、オンラインゲーム開発のガンホー・オンライン・エンターテインメントなどを立ち上げる。02年、デジタルコンテンツ流通を手がけるビー・ビー・サーブを設立。代表取締役CEOに就任。ソフトバンクの孫正義社長の実弟。