インフォメーション・テクノロジー・アライアンス(ITA)が取り組んでいる、OSS(オープンソースソフトウェア)の技術検証や商用化に向けたプロジェクトの「OSS推進委員会」。このプロジェクトの委員長を務めるのが情報技術開発(TDI)の遠藤和弥・執行役員技術統括部長だ。「OSSは、政府が前向きな姿勢を示すなど拡大の気運が高まっているのは確か」と、OSSの可能性を語る。
TDIではOSSを視野に入れながら、オブジェクト指向のUML(統一モデリング言語)を活用したビジネスを拡大させることにも力を注いでいる。「OSSとオブジェクト指向は切っても切り離せない自動車の両輪のようなもの」とたとえる。同社には、UMLの資格を取得した技術者が200人以上いる。OSSと新しいオブジェクト指向を組み合わせたシステムの提供で、「大手ベンダーにも負けない競争力がもてる」と言い切る。
最近では、デジタル家電機器の追い風とともに、組み込み系ソフトウェア開発事業の拡大傾向にあるという企業が多い。「組み込み系事業を一層拡大させるカギになるのがOSS。顧客企業のニーズにあった付加価値を提案できる」と強調する。あとは、ITAのOSS推進委員会で商用化を実現できるかどうかだ。 「どこまで行えるかは分からないが、とにかく進めていく。今年12月までには必ず形にする」自信がみなぎっている。
プロフィール
遠藤 和弥
(えんどう かずや)1945年11月3日生まれ。68年、日本大学工学部電気工学科卒後、富士急行の電算部門である富士急計算センターに入社。71年、日本ユニバック(現日本ユニシス)に入社し、大型メインフレーム基本ソフトウェア開発部門や社会公共システム部門、オープンシステム利用技術支援、情報技術部コンサルティングビジネス推進などを担当する。99年4月、情報技術開発に入社。技術統括部長に就任。現職に至る。