韓国でトップシェアのRIA(リッチ・インターネット・アプリケーション)ベンダーであるTOBESOFTが日本法人を立ち上げたのは2006年。当時、同じく韓国系の教保情報システムズ日本法人でエンジニアの仕事に就いていた崔彰桓は、「縁あって」TOBESOFT支社長に就いた。
もともと「韓国にいたら、単なるサラリーマンで終わってしまう」と、上を目指す性格。自身が「キャリアゴール」と呼ぶ野望を実現するために、単身日本に乗り込んだ。前職でC言語や組み込みなどの開発技術を習得していくうちに、「日本で学び、実績を積み上げて、グローバル企業をつくりたい」と、“起業精神”が芽生えた。たまたま乗り合わせた電車の中でひと目惚れして結婚を申し込んだ日本人の妻の理解を得つつ、「アジアを越え、次は欧米に進出したい」という。
TOBESOFT日本支社では、エンジニアと営業職を兼ねる。しかし、「日本のIT産業を理解するのに時間を要した」と、現実を思い知らされることとなった。自社製品を担ぐパートナー探しに奔走したが、中堅・中小のSIerには見向きもされなかった。当時の日本にRIAで競合するベンダーは、あまりなかったにもかかわらずだ。
そこで狙う先を変え、大手ITメーカー系をターゲットにした攻めに転じた。今年1月、ようやく日立システムアンドサービスとの間で代理店契約の締結に漕ぎ着けた。
「飛び込み営業だった。同社のセミナーに参加し、説明する機会を得た」。セミナーでの殺し文句は、「3分間でコーディングします」。通常は5分間程度は要するが、同社製品では、時間短縮ができることを実演した。すべて1人でやったことだ。「今年はもう1~2社と契約したい」と、現場を飛び回る。
20代の頃は、ロックバンドの結成を夢見ていた。パートはリードボーカル。何においても先頭に立って、事を成し遂げようとする人物である。(文中敬称略)
プロフィール
崔 彰桓
(チェ チャン・ファン)1976年12月1日、韓国生まれ、33歳。03年、韓国外国語大学を卒業し、韓国貿易ITアカデミーのエンベデット課程を卒業。大学時代からプログラミングが好きで、大学に通いながらシステム開発のアルバイトをしていた。卒業後の04年、教保情報システムズの日本法人に入社。06年にTOBESOFTに入社し、現在は日本支社長。