工藤博樹は、バックエンドオフィス・サービス「MerryBiz」の開始に向けて準備を進めている。第一弾として、フリーランサーにとっては煩わしく手間を要する“本業以外の事務作業”を効率化するサービスを手がける予定だ。ナビゲーション画面で質問に回答すれば、税金対策や社会保険手続きなど、必要とするサービスが現れる。サービスの購入画面に進むと、弁護士や税理士などの士業を選ぶことができる仕組みだ。 


　「MerryBiz」が目指すのは、ビジネスのムダをなくして世の中を変えること。「すべきことは決まっている。そこから取捨選択して実行に移すだけだ」。工藤を突き動かすのは、日本社会に漂う閉塞感を打破したいという思いだ。「MerryBiz」のアイデアを思いついたのも、「日本企業が競争力を失いつつある。イノベーションを起こすためには、チャレンジャーである起業家を増やすことが必要だ」という考えからだった。3年後には、中小企業同士が交流できるプラットフォームに発展させる構想を練っている。

　新卒で日本IBMに入社し、金融機関向け国際プロジェクトのプロジェクトマネージャーを務めた。その後、外資系コンサルティングファームやソーシャルゲーム会社を渡り歩き、靴のEコマースサイトの立ち上げを経験。MBA（経営管理学修士）も取得した。転職を繰り返したのは、常に現場の最前線にいたいという確固たる意志があったからだ。「直接行動を起こしたい」と、リブを立ち上げた。

　Eコマースやソーシャルメディアでの経験を生かして、魅力的なサービスを目指す。今年後半には、「MerryBiz」のローンチにこぎ着ける計画だ。（文中敬称略）