大学時代は、アルバイトに明け暮れた。居酒屋や引越し会社、100円ショップ、CDやDVDのレンタル店など。いろいろな業種でのアルバイトを通じて、清水康雄は地頭を鍛えてきた。
大学卒業後に入社した通信系の販売会社では、コピー機やビジネスフォンなど、OA機器の販売職に就いた。新規アポイントメントを取るときに「○○様はいらっしゃいますか」というフレーズは使わずに、「○○さんはいますか」と、あたかも面識があるような口調で話し、受付を突破。そして、電話をつないでもらった担当者に「5分だけでいいので、おうかがいさせてください」と頼んで、面談の約束を取りつける。
清水は、新しいことに挑むことが好きだ。自社でつくった製品のマーケティングに携わりたいと考え、2007年、セキュリティ製品を展開するアルプス システム インテグレーションに転職した。当時は社内にマーケティング担当者がいなかったので、清水は自ら指揮を執って、マーケティングの組織を立ち上げた。
とくに力を入れたのは、新規分野のウェブマーケティングである。「感覚ではなく、数値によって広告の効果がわかる」と捉えたからだ。しかし、「当初は、ウェブで広告を出しても、引き合いがほぼゼロだった」と打ち明ける。社内で逆風が強まるなかにあって、清水はめげずに、ウェブマーケティングの可能性を追い求めた。SEO対策を打ち、ウェブ広告の工夫に取り組んだ。
現在は、新規案件の半分をウェブ経由で受注しているという。清水が次々とユニークなアイデアを出して、情熱を込めて仕事をこなしたことが結実したのだ。(文中敬称略)
プロフィール
清水 康雄
清水 康雄(しみず やすお)
1981年2月生まれ。東京都出身。大学卒業後、2003年4月に情報通信機器の販売を手がける会社に入社。OA機器の営業に携わる。07年4月、アルプス システム インテグレーションに入社。情報漏えい対策製品のマーケティングのほか、セキュリティ製品全体のマーケティングを担当する。