NTTアドバンステクノロジは9月3日、同社が開発・販売するWinActorの従量課金型クラウドサービス「WinActor Cast on Call」の提供を開始した。
Cast on Callの最も大きな特徴は、交通費精算の自動入力や労務系の書類作成などあらかじめ用意された定型のシナリオから選択して利用する点にある。ユーザーはウェブ上でアカウントを作成し、固定のシナリオを選択し、その場で実行できる。手軽に始められ、常に最適なコストパフォーマンスで自動化できる。高木康志取締役は「これまではライセンス版で自由にシナリオを描いてもらっていたが、ユーザーの中には人材などの問題でシナリオを書く時間も取れない企業がある。また、自動化したいと考えていても年間利用料を支払うほどでもないという声もあった。そういったユーザーに気軽に使ってもらいたい」と意図を語る。しかし、常にシナリオを実行していなくてはいけないケースではライセンス版の方が安くなることがあるという。「年間を通して使っているとどうしても料金がかさんでしまう。季節的な業務などで活用すればきっとメリットを感じてもらえる」(高木取締役)と強調する。
Cast on Callは18年よりアナウンスされていたサービスで、今回の正式リリースに至るまでの間に、北海道の各自治体などで実証実験を行った。「自動化したのはふるさと納税や介護認定といった業務。AI-OCRと一緒に導入してもらい、手書きの書類をデータ化した後の業務で省人化することができた」と高木取締役は語る。実証実験は複数の自治体で行ったが、まったく同じシナリオをそのまま活用できたといい、定型のシナリオでも一定のニーズを見込む。地方自治体や中小企業を中心としてユーザーを広げていきたい考えだ。