Special Feature
AsanaとWrikeに聞く 分散型ワーク下の効果的な 「ワークマネジメント」方法
2021/03/11 09:00
週刊BCN 2021年03月08日vol.1865掲載
Wrike
同時編集・即時更新で作業を楽にする
タスク中心の働き方を実現
2006年に米国で創業したWrikeも、プロジェクトマネジメントを含む「ワークマネジメント」ツールを提供している。日本には19年4月に進出。今年1月には、デジタルワークスペースを提供するシトリックス・システムズに買収された。今後はシトリックスのデジタルワークプラットフォームと、Wrikeのワークマネジメントソリューションが統合されることとなる。
「Wrikeのソリューションは、“コラボレーティブ・ワークマネジメント”として扱われることが多く、仕事改革のツールとして評価されている」と、Wrike Japanの松葉知則・ エバンジェリストソリューションアーキテクトは説明。「仕事にまつわる無駄を徹底的に省き、仕事のコア部分に集中できるようにする」ことがWrikeの目標であると力を込める。メールの準備やスケジュール管理などの作業を排し、仕事の本質部分にフォーカスできるようにすることで、そのためにタスク中心の働き方を実現する。これがコラボレーティブ・ワークマネジメントの最も重要なポイントになるという。
リモートワークの広がりによって分散した環境下で、組織は働き方を変えざるを得ないと認識した。これはWeb会議やチャットツールのあるなしではなく、プロジェクトやタスクの管理そのものが効率的ではなかったことに気付いたということだ。一方で、Wrikeを活用してきた組織では、リモートワークに移行しても「基本的な仕事のやり方は全く変わらない」との声があると、松葉ソリューションアーキテクトは説明する。それらの企業はコロナ禍以前からプロジェクトやタスクの効率化にすでに取り組んでいたという。
企業では従来、メールやカレンダー、ExcelやPowerPointを使い仕事をしてきた。これらに加えファイル共有やチャット、Web会議を使い始める企業が増え、「それらの普及は過渡期にあった」(松葉ソリューションアーキテクト)。そのような状況の中で新型コロナのパンデミックが発生し、一気に利用するツールが増加した。「仕事の中でツールのスイッチングコストが増え、新しいツールに慣れる必要もある。そのため、プロジェクト管理などに費やす時間が圧迫されている」と松葉ソリューションアーキテクトは指摘する。
そうした状況でもプロジェクト管理の効率を落とさないために、Wrikeへの関心が高まっているという。リモートワーク下でも効率的なプロジェクト管理を実現したいという思いがある中で、そもそもプロジェクト管理はどうあるべきか、リモートワークでは何がオーバーヘッドとなるのか、先行するグローバル企業にはどのようなノウハウがあり、Wrikeのようなツールをどう活用しているかといった相談が増えているという。
リモートワークでも、誰が何をやっているかを見えるようにしたいが、これはWeb会議のツールだけでは上手くいかない。「タスク管理ツールが必要。実際、Wrikeをリモートワークの際の出勤簿のように使っている例がある。Wrikeがあれば誰がどの仕事をしているかが、リモートワークの環境でもリアルタイムで見える化できる」と松葉ソリューションアーキテクト。このリアルタイム性は、Wrikeが評価されるポイントにもなっているという。
他のツールとの
連携を推進
Wrikeのプロジェクト管理を行う際に利用するガントチャートの画面では、日程変更や内容確認などがドラッグ&ドロップのGUI操作だけで簡単に行うことができる。タスクの依存関係を設定しておけば、スケジュールを変更すれば関連タスクのスケジュールも自動調整される。「Excelの管理ではできなかったことが簡単に実現され、変更結果も関係者に自動で通知される」と松葉ソリューションアーキテクトは説明。ガントチャートの操作性の高さや自動調整ができる機能は、ユーザーからの評価が高いという。
また、WBS(Work:作業 Breakdown:分解 Structure:構成)のイメージとなるテーブルビューの使い勝手も良い。プロジェクトの初期段階で、正確にタスクを切り出すのは容易ではない。タスクの粒度をどうするべきかなどは、プロジェクトの進行過程で徐々に明らかになることもあるためだ。Wrikeではタスクのブレークダウンやまとめる操作を、WBSのテーブルビュー上でGUI操作により容易に実現できる。タスクをドラッグ&ドロップで他のタスクのサブタスクにしたり、複数のタスクをまとめたりといった操作も簡単に行える。この柔軟にタスク構成を変えられる機能は、アジャイル開発など変化があるプロセスの管理で有効となる。
コロナ禍を機に、外部ユーザーなどを含む共同作業をスムーズに実施するためにWrikeを検討する企業も増えている。Wrikeに外部ユーザーを含む共同作業をサポートする機能が備わっており、国内でもコロナ禍以前からSI企業が外部の協力会社と進めるプロジェクトの管理に利用してきた。
一方、欧米ではSI企業よりもマーケティングの領域で、Wrikeの採用が進んでいるという。今後日本もこの領域の市場拡大が期待できると、Wrike Japanの性全悟史カントリーマネージャーは語る。実際にコロナ禍以降、日本でもマーケティング領域でのニーズが顕在化。そしてマーケティング関連の制作物の多くはAdobeのソフトウェアを用いて作られており、「Adobeのツールと連携させて利用する例が増えている」と性全カントリーマネージャーは説明する。
また、リモートワークでは、よりWeb会議のようなツールとの親和性が求められる。WrikeはTeamsとはもともと密な連携をしており、Zoomとの連携機能が新たに加わっている。またオフィスとリモート環境でWrikeを安全に使い分けられるよう、シングルサインオンで自動認証する機能の強化もされている。このようにWrikeをリモートで使う際のセキュリティと使い勝手の向上に現在力を入れているという。
シトリックスのパートナー
エコシステムも活用へ
分散した働き方では、ユーザーが遠隔地にいても同時に同じ情報にアクセスできることが必要になる。これはGoogleドキュメントなどでは実現している機能だが、従来のプロジェクト管理やタスク管理ツールでは想定されていないものが多い。Wrikeでは定例会議や進捗会議で利用する議事録メモのようなものを、同時に複数の人が編集、更新できるため、分散した働き方において活用することができる。
即時更新も重要だ。プロジェクト管理では、プロジェクトマネージャーがタスクリストを作成し、それを担当者に分配することとなる。従来のやり方であれば、分配の際にはメールやチャットを使い、Excelのデータを見るようにと連絡するだろう。そして進捗状況を更新する際には、週次や月次で情報を集約し、誰かがExcelなどを更新しなければならない。この情報の分配と集約の作業は煩雑で手間がかかる。
「Wrikeではこれらの作業負荷が実質ゼロになる。タスク担当者が更新したものは、即時に反映されすぐに進捗状況の可視化ができる」と松葉ソリューションアーキテクト。これはもちろん、オフィスでも分散した働き方でも同様だ。こうした分散した働き方で必要な機能を有した上で、プロジェクト管理、タスク管理に必要な機能は網羅されている。その上で、使い方について学習せずに各種機能が使えるのもWrikeの特長だ。これにより、どのような業務現場でも導入しやすいものとなっていると松葉ソリューションアーキテクトは主張する。
さらに「AI技術を使い仕事の仕方を改善するところにも力を入れている」(性全カントリーマネージャー)という。プロジェクト遅延などのリスク予測、次に着手すべきタスクの提案などの機能がAIを活用して提供されている。
ほかにも、Wrikeを使うことで蓄積されるデータを活用するための分析基盤として「Wrike Analyze」を提供。この裏ではクラウド型DWHであるSnowflakeを利用している。Wrikeを使えばタスク中心の管理ができるようになるが、タスクを実行するのは人だ。今後はAIやデータ活用で、人の作業そのものをサポートするところに注力することになる。
日本でのビジネス展開としては、現在10社のパートナーをさらに拡充する方針。ワークマネジメントは業種特化したアプローチも必要となるため、各分野に強みを持つパートナーを増やす考えだ。例えばコンサルティング的なアプローチができる企業や、Adobe製品の活用に強さを持つ企業などが対象になるという。またERPの導入支援などを行っている企業に、ERPとWrikeを併せた提案をしてもらうためのサポートも行う。さらにシトリックスと融合したことで、「シトリックスの40社以上のパートナーエコシステムをWrikeでも活用していく」と性全カントリーマネージャーは話す。
「プロジェクトの管理や可視化と言うと、大袈裟に聞こえるかもしれないが、日々のタスクの整理をしたいといったニーズは、バックオフィス業務にもたくさんある。小さなタスクの効率化から、まずはWrikeを使ってほしい」と松葉ソリューションアーキテクト。申請処理や備品管理など、日常業務においてWrikeを使えば大きな効率化が期待できるタスクはたくさんある。Wrikeはプロジェクト管理専用のツールではなく、小さなタスク管理から広げて全社レベルの仕事のやり方を変えられるツールであるとしている。

コロナ禍の影響でリモートワークが広がった現在、働き方が多様化し、分散した環境下で仕事を進めることが当たり前となっている。プロジェクト管理の観点では、各メンバーのタスク内容や進捗状況を可視化・共有するとともに、リモートでもコミュニケーションが取りやすい環境を整える必要があるが、そのためにさまざまなツールを導入してはかえって管理が煩雑になる可能性がある。分散型の働き方が前提となる中で、効率的かつ高い生産性を発揮しながら仕事を進める方法とは。ワークマネジメントツールベンダーとして定評のあるAsana(アサナ)とWrike(ライク)に尋ねた。
(取材・文/谷川耕一 編集/前田幸慧)
新型コロナウイルスの感染対策として、昨年来、リモートワークを導入する企業が拡大した。メールやSlackなどのチャットツール、ZoomやMicrosoft TeamsなどのWeb会議ツール、さらにDropboxやBoxのようなファイル共有サービスがあれば、自宅などリモート環境でも十分に仕事ができるという人は多い。
一方で、「リモートワークでは生産性がなかなか上がらない」という声もある。いくらチャットやWeb会議のツールがあっても、一緒に働くメンバーが目の前にいて、すぐに必要なコミュニケーションがとれるオフィス環境と比べると大きな違いがある。
昨今は自社メンバーに加え、外部の協力会社などと「バーチャルチーム」を作り、新製品やサービスを開発する、あるいはデザイナーなどの外部人材とともにキャンペーンを展開するようなケースも増えている。参加する人が増えその人達がそれぞれ分散して働く場合、プロジェクトの進行状況をしっかりと把握し、より良い成果を迅速に導き出すのは簡単ではない。結果的にオフィスに集まってリアルな会議を頻繁に開催しているプロジェクトも多い。
分散した働き方において、バーチャルチームでプロジェクトを進める際には、どのような課題があり、解決するにはどう取り組めば良いのか。バーチャルチームのプロジェクト管理をスムーズに行えるツールとして関心を集めているAsanaとWrikeにフォーカスし、両社のSaaSをベースに効率的かつ高い生産性で仕事を進めるヒントを探る。
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