――2023年は、4カ年中期経営計画の2年目に当たる。進捗具合はどうか。
計画の重点の一つがITソリューション(ITS)事業の拡大だ。21年12月期のグループITS事業の売上高実績が2211億円だったのに対し、25年12月期は3000億円に増やす計画を立てている。22年1~9月までの9カ月のグループITS事業の売上高は前年同期比10%増と進捗に確かな手応えを感じている。
キヤノンマーケティングジャパン
代表取締役社長
足立正親
――ITS事業が伸びた背景は何か。
半導体の供給不足でサーバー機材の調達がままならない逆風が吹くなかでも、業務アプリケーション構築やITサービスの価値を顧客から認めていただき、しっかり稼げたことが大きい。当社の法人向け事業セグメントは大きくエンタープライズ事業とエリア事業の二つに分けているが、とりわけ22年1~9月のITS事業のうちエンタープライズ事業が前年同期比15%増と大幅に伸びたことがビジネスを牽引した。
――エリア事業セグメントの状況はどうか。
ここは、今中計で勢いをつけなければならない領域だと感じている。グループ会社で全国約160拠点を展開するキヤノンシステムアンドサポート(キヤノンS&S)が主に担っている中堅・中小企業向けのビジネスを伸ばすとともに、地場のビジネスパートナーとより一段と関係を深めていく。
エリアビジネスの一層の加速
――ITS商材を地場のビジネスパートナーにより多く販売してほしいということか。
そうだ。キヤノンS&Sによる直販は、既存の複合機ビジネスとITSをうまく組み合わせて販売する体制が整ってきており、今後は地場のビジネスパートナーにももっとこうしたIT商材を活用してビジネスを伸ばしていただく支援策を拡充していきたい。複合機の国内成熟市場にあっては、複合機単体で他社リプレースをするのはもはや困難であり、中小ユーザーが使いやすく、満足度が高いITS商材と複合機のクロスセルを行うことがビジネスの伸びにつながる。
――ITS商材は具体的にはどのようなものか。
中小オフィス向けIT支援サービス「HOME」では、デジタル技術の最新情報や今後のトレンドをユーザー企業に代わって調査・分析し、最新で最適なITSサービスを月額課金型のワンストップサービスとして提供している。ほかにも「まかせてIT」シリーズとしてセキュリティや情報漏えい対策、PC運用支援などをパッケージ化するなど、中小企業ユーザー企業にとっては使いやすく、売り手側にとっては手離れのよいサービス体系を整備した。
23年はITSサービス商材やパートナー支援を一層充実させることで、エリアビジネスに弾みをつける。