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主要SIer22年度決算 グループ再編やM&A効果で増収増益に

2023/05/29 09:00

週刊BCN 2023年05月29日vol.1970掲載

 SIer大手3社の2023年3月期の業績は増収増益で好調な決算となった。NTTデータは既存事業が堅調に伸びたことに加え、データセンター事業などを手がけるNTTリミテッドの連結子会社化、円安などが増収要因となった。野村総合研究所(NRI)は22年度までの4カ年中期経営計画で掲げた主要目標を達成。海外売上高はM&A効果もあって中計期間中に2.3倍余りに増えている。TISは24年3月期までの3カ年中計の目標を1年前倒しで達成するとともに売上高は初の5000億円の大台に乗った。23年度も国内外のデジタル化需要を追い風にSIer大手3社は手堅い成長を見込んでいる。
(取材・文/安藤章司)
 

NTTデータ
中計目標を2年前倒しで達成見込み

 NTTデータの連結売上高は、前期比36.8%増の3兆4901億円、営業利益は構造改革などの費用がかさんだものの、増収に支えられて21.9%増の2591億円で着地した。22年10月にデータセンター(DC)事業などを手がける英NTTリミテッドを連結子会社にしたことも増収を後押しした。
 

 24年3月期はNTTリミテッドが通年で連結対象になることもあり、連結売上高は17.5%増の4兆1000億円、営業利益は12.7%増の2920億円と大きく伸びる見込み。26年3月期までの4カ年中期経営計画では連結売上高4兆円超を目標にしているが、これを2年前倒しで達成できる見通し。だが、営業利益率は7.1%と中計で目標としている営業利益率10%には届かない見込みで、「利益率の向上が課題として残っている」(本間洋社長)と捉えている。
 
NTTデータ 本間 洋 社長

 利益率を高める施策として、NTTリミテッドでは低採算事業の撤退や人員配置の最適化などの投資を継続しており、23年度は190億円を投じて構造改革に取り組む。ほかにも先進的なデジタル技術を駆使してビジネスモデルを変革するDXや、そのための上流コンサルティングサービスにより多くの力を注ぐことで付加価値を高めるとともに、ソフト開発を人件費の安い地域で行うオフショアやニアショア開発を推進することでコストを下げる施策も継続して取り組む。
この記事の続き >>
  • DC増設に約3500億円を投資
  • 野村総合研究所:主力のSTARを豪州子会社へ移植
  • TIS:既存事業が好調に推移 独自サービスで成長持続へ

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