国内企業で多機能の導入が遅れている理由について福田執行役員は、セキュリティーを横断で管理する体制が欧米のほうが整備されていると指摘しつつ、日本でもCISO(Chief Information Security Officer)やCSIRT(Computer Security Incident Response Team)の設置が進み、「導入の障壁は取り除かれつつある」と前向きに捉える。AI利用の浸透も追い風になるとみており、AIを既存のIT環境から切り離さずに一体的に守る必要性が、統合型プラットフォームの活用を加速させると説明した。
代理店経由の販路を拡大
パートナーを介した販売網も拡充している。ISVのソフトウェアやサービスを検索・購入できる米Amazon Web Services(アマゾン・ウェブ・サービス、AWS)のデジタルストア「AWS Marketplace」上で代理店経由の販売を7月に始めた。
ここでは、SB C&S、ネットワールドのディストリビューター2社と連携する。2社は、ISVに代わり出品する販売事業者「DSOR(Designated Seller of Record)」の認定を受けており、マーケットプレイスでも、ディストリビューターとリセラーが媒介する2tier(2層)商流の再販が可能になる。リセラーとしては販路が増え、ユーザーの導入負担が減るメリットも訴求できる。福田執行役員は「当社、パートナー、エンドユーザーにとって三方よしのプログラムだ」と意義を強調する。
現在、リセラーとMSP(Managed Service Provider)を合わせた国内のパートナーは6000社以上に上るが、さらに拡大を図っている。具体的には、経営の上流段階からIT戦略を支援するコンサルティングファームや、業務アプリケーションを軸に提案しているベンダーとの連携に余地があるとする。AI活用の広がりに伴い、個人情報の入力や生成情報の安全性が新たな課題となる中、こうした企業との間にAIセキュリティーを起点とした協業の可能性が高まっている。
セキュリティー機能にAIを活用する「AI for Security」に加え、企業内で利用する生成AIをサイバー脅威から保護する「Security for AI」も充実させている。ジンCPBOによると、AIセキュリティー機能はすでに多くの企業が導入している。さらに、AIエージェント間の通信を可視化・制御する「Agentic Governance Gateway」を追加し、エージェントが業務を自律的に遂行する環境でも適切なガバナンスを確保できるようにする。
ジンCPBOは、クラウドとオンプレミスの双方にあるAI環境を包括的に守る機能や、脆弱性発見コミュニティー「Zero Day Initiative(ZDI)」などによる2万人規模のリサーチ体制によって脅威インテリジェンスを強固にしている点で、AIセキュリティーの面でも優位に立っていると強調する。「AI時代はテクノロジーによって多くのことが実現できるようになる」としつつ、顧客に寄り添う人的な支援と、それを支える企業文化が差別化になるとの考えも示した。