業務へのAIの実装が進む中、より効果的なAIの活用方法の模索やそれに伴う課題の解決に各社が着手し始めた。また、以前から続く専門人材の不足や、ハードウェア部材の価格高騰など市場に大きな影響を与える諸問題に対し、どのような施策・対策が考えられるのか。週刊BCN編集部が注目するニュースを通じて、挑戦の一例を紹介する。
富士通
AIドリブンのソフト開発基盤を発表
富士通は2月17日、ソフトウェア開発の全工程をAIエージェントで自動化する開発基盤「AI-Driven Software Development Platform」を公表した。カナダCohere(コヒア)と共同開発した大規模言語モデル「Takane」と富士通研究所のAIエージェント技術を活用し、複数のAIエージェントが協調して要件定義から結合テストまでを人を介入させずに実行する。4月から富士通Japanが提供する67のヘルスケア・行政向けパッケージの改修に適用し、2026年度中には他分野への拡大を図る。
富士通の岡田英人・本部長(左)と富士通Japanの國分出・本部長
富士通Japan特定プロジェクト対策本部の國分出・本部長は基盤の技術要素として▽AIによる法令文書の理解と要件定義の自動生成▽熟練エンジニアの思考を再現してハルシネーションを抑制する四層構造の品質管理「Multi-layer Quality Control」▽前工程を終えたエージェントが次工程を自動起動し、失敗時には原因調査から再修正までを自動で実行する自律型・リレー型アーキテクチャー─の三つを挙げた。
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2月23日・2093号 )
レノボ・ジャパン
部材価格の高騰にどう対応するか
AI需要の急増によってSoC(CPU/GPU/NPU)やメモリー、SSDなど主要部品の需給バランスが崩れ、調達コストが高騰。結果として、PCやサーバーの納品遅延や価格上昇といった問題が顕在化した。レノボ・ジャパンが5月28日に開催した2026年度の事業戦略説明会で檜山太郎社長は、「メーカーとユーザーの双方にとって大きな負担になっており、しばらく続くと見られる。対策が必要だ」との見解を示した。
檜山太郎 社長
同社はこの状況に対し、構成を最適化したサーバーやストレージなどの優先供給を行う「Top Choice Express」の展開で対応する。また、検品・整備を施したリファービッシュPCの供給や提案も行うとした。加えて、アズ・ア・サービス型モデル「TruScale」によりハードウェアの導入から運用、廃棄までを従量課金制で提供することで、初期投資の負担を軽減。部材調達が難しい状況を受け、調達先拡大の観点でパートナーからこれらの仕組みの需要が高まっているという。
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6月8日・2107号 )
AI inside
急増するAIデータセンター需要に対応
自社独自のAIの開発・運用に乗り出す企業が増えるにつれ、データ主権を保つAIのインフラストラクチャーとして国内データセンター(DC)の需要が増している。ニーズに対応するため、MCデジタル・リアルティが4月、千葉県印西市に新たなDCを開設。このほか、さまざまな企業がより冷却効率の高い水冷技術の検証するなど、DCに関する取り組み動きが活発化した。
渡久地 択 社長CEO
このような中でAI insideは5月13日、国内DC事業者と連携し、分散型のAI推論ネットワーク「Sovereign Grid」の構築を発表。AIの進化に伴い、性能向上の主戦場が学習から推論へと移行し、推論処理を支えるインフラの重要性が急速に高まっている。こうした背景を踏まえ、国内に分散した既存DCを活用し、日本全体のAI推論インフラを構築する。将来的には1000億円規模への拡張を視野に入れるとしている。渡久地択社長CEOは、「AIは年10倍のペースで成長している」と指摘し、事前に対策することの重要性を説いた。
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5月25日・2105号 )
U-ZERO
人材定着のためのシステム構築
人手不足を背景に、優秀な人材の定着が急務となっている。kubellが中小企業の経営者や管理職向けに実施した業務のデジタル化に関する調査によると、生産性の向上が進まない企業の30.9%が「デジタル(IT)が使いこなせる人材・スキル不足」を理由に挙げた。対策として生成AIが新たな労働力として注目されており、これをマネジメントして使いこなす社員の育成に取り組む企業もある。
三村真宗 CEO兼CPO
従業員エンゲージメント基盤を提供するU-ZEROでは、ビジネスの本格始動から1年で、企業の従業員の声を経営に反映させるソリューション群「U-ZERO デジタル」の顧客基盤が着実に拡大しているという。今後の拡販には、従業員エンゲージメントに投資する市場形成が重要になると見ており、三村真宗CEO兼CPOは「単にコンサルティングや研修だけで実現するのではなく、システムを用いた仕組みとして働きがいを醸成できることを知ってもらいたい」と意気込む。
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5月18日・2104号 )