――2023年の総括を。
ビジネスは順調で、まずまずの成績で1年を終えることができた。特にリセラーのビジネスが非常に好調だった。商材別では、米VMware(ヴイエムウェア)製品の売り上げが非常に伸び、当社にとっての最大の商材に成長した。
代表取締役社長 森田晶一
――好調の要因について分析を。
世界的なクラウド移行の波は、国内でも多かれ少なかれある。とはいえ、企業向けの市場では、古いシステムの刷新を中心に、オンプレミスのITインフラへの投資意欲は予想以上にあり、われわれはその潮流に乗ることができた。需要の底堅さを経験できたと思っている。
――ハードウェアのビジネスの状況は。
23年は世界的にPC不況といわれていた。われわれは、数年前から米Microsoft(マイクロソフト)の「Surface」を柱とし、知識や在庫について十分に余裕を持っていた。そうしたこともあってか顧客から多くの引き合いをいただいた。
ビジネスモデル含め大きな転換点に
――24年の注力領域は。
24年は当社にとっては変革の年になる。これまで200社近い主要メーカーの製品や技術を取り扱うバリューアディッドディストリビューターとしてビジネスを展開してきたが、環境の変化は激しいため、ビジネスモデルを含めて大きな転換点にしないといけない。具体的には、より一層、クラウドにビジネスの軸足をシフトさせるべきだと考えている。
次にセキュリティ。22年からの3年間でセキュリティ事業の売り上げを倍増させる計画を立てている。身の丈に合ったポートフォリオを構築しながら達成を目指す。セキュリティの領域では、マイクロソフトの位置付けが上がっている。まだ具体的な話ができるレベルではないが、同社のソリューションに対し、どのように取り組んでいくかは一つのテーマとしてある。
――生成AIに対するアプローチは。
生成AIにも注力する。今後、どういうかたちで企業向けビジネスとして成長していくかは正直、分からないが、オンプレやエッジデバイスを対象に、われわれの過去のITインフラの経験を生かしたい。そのためにも各メーカーの動きはしっかりキャッチアップしていく。生成AIはインターネットと同じような発展を遂げるとみており、誰にでもチャンスはあるだろう。
――24年の抱負を。
スマートサービスディストリビューターになる。今までは商材を一つ一つ並べて提供することが多かったが、今後は複数製品を組み合わせたエコシステムサービスを前提とし、顧客にさらにメリットを感じてもらえるようにしたい。