――2023年の手応えは。
23年第1四半期(1~3月)は、まだコロナの影響があったが、おおむね順調だった。第2四半期は、5月に新型コロナウイルス感染症の法的な位置付けが5類に移行したことによって、各種の行動制限がなくなり、大筋で通常の活動ができるようになった。第3四半期はその延長で営業活動を進めることができ、第4四半期も同じように推移した。1年を通じて、力を入れてきたオフィスまるごとが少しずつ緒に就き、堅調に動くことができたと受け止めている。
代表取締役社長 大塚裕司
――主力商材の一つであるハードウェアの販売が好調だった。
ラージアカウント向けの受注をしっかり獲得すべく、コロナ禍にしっかり仕込めていたことが一つの要因になった。あとはインボイス制度や改正電子帳簿保存法を取りかかりに営業を進められたことも大きい。
――AI活用の状況は。
当社の場合、六つくらいのAIを有機的につなぎ合わせながら目的に合わせて活用するシステム構造になっており、割と先端的な環境になっている。AIの使い方やお客様との関係構築を含めて、いい流れはできている。とはいえ、まだ社内で活用状況にばらつきがあるため、成功事例をどう全社にフィードバックしていくかは今後の課題になる。
24年は全商材に注力
――24年のビジネスの方向性は。
オフィスまるごとと言っているので、個別の商材に力を入れるのではなく、全ての商材に注力する。これまでと同様に、基本は「たのめーる」を入り口にお客様にアプローチし、ほかの商材を提案しながらお客様との関係を密にしていく。お客様の状況をしっかり把握すれば、少しずつニーズに関する知識が上がり、提案の幅も広がっていくだろう。
――事業環境の見通しは。
「Windows 10」のサポート終了に伴うPCの入れ替えが24年から始まり、その後はGIGAスクール構想で導入した端末の更新が控えている。材料はいろいろあり、明るい雰囲気はある。ただ、特需で伸びるだけではだめなので、特需がなくても伸びる会社をつくり上げることを目指す。
――今後に向けた意気込みを。
オフィスまるごとを実現するためには、お客様からの信頼を獲得することが何よりも重要。24年のスローガンは「お客様に寄り添い、DXでお客様と共に成長する」で、お客様を大事にするという原点に戻るとの意味を込めた。少しずつ理解者は増えているので、オフィスまるごとも、AI活用も、さらに一歩前進させ、より具体的な成果に近づけていきたい。