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紙面で振り返る2025年上期 AIを軸に進化するIT市場 ハード、ソフトで新たな商機
2025/06/30 09:00
週刊BCN 2025年06月30日vol.2065掲載
(構成/堀 茜)

Chapter1
生成AIを支えるインフラ
25年は生成AIのビジネス実装が進むとみられている。生成AIに欠かせないのがGPUを搭載したサーバーだが、高性能になるほど課題となるのが、GPUが発する大量の熱をどう処理するかという問題だ。3月10日・2050号の「水冷GPUサーバーの販売増へ 生成AI需要とDC受け入れ整備が後押し」では、主要サーバーメーカーが、発熱量の多いGPUサーバーを冷却効率が高い水冷方式を採用することで効率良く冷やし、高まる生成AI需要に対応する動きをまとめた。

従来のサーバーは空冷が主流だが、今後、GPUサーバーの消費電力がより増える見込みであることから、冷水の配管を発熱部位であるGPUに直接接触させて冷やす「直接水冷」の需要が急増すると予想されている。これを商機とみて、メーカー各社はそれぞれの強みを生かし、水冷の製品の販売拡大を狙う。
ただ、課題としては、データセンター(DC)側の水冷サーバーの受け入れ体制が整っていなかったり、水冷方式が威力を発揮するラックあたり100kW級の大電力を供給できるDC設備が限られるなどの背景もある。メーカー側は、生成AIを活用するユーザー企業が増え、水冷方式のGPUサーバーを受け入れることが可能なDC設備の整備が進み、大電力を供給できるDCが増えれば、市場全体の水冷サーバーの比率が高まり販売増も見込めると予測する。
DCの設備がGPUサーバー向けに整うには一定程度時間が必要になる。3月24日・2052号では、「GPUサーバー特需対応の切り札となる コンテナ型データセンター」を掲載。従来型DCでカバーできない生成AI特需に対応するために、コンテナ型のDCを展開するベンダーの動きを紹介した。
さくらインターネットは、27年末までに同社の石狩データセンター(北海道)に1万基のGPUを整備する計画を進めている。その一部敷地内に、建屋ではなくコンテナを並べ、水冷に対応したGPUサーバーの配備を進めている。コンテナ型での整備を決定した理由として、ビル型のDCはGPUサーバーの仕様に合わせるのが難しく、工事期間も長くかかるのに対し、コンテナ型であれば早くできる点を挙げた。需要が一気に拡大する中、GPUサーバーへの投資の決定からサービス投入までの時間を短縮することに注力する。
- Chapter2 注目高まるAIエージェント
- Chapter3 仮想化市場の動向
- Extra 脅威続くサイバー攻撃
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