──2025年の振り返りを。
まず、「IBM watsonx」がAIのプラットフォームとしてきっちり稼働でき、価値があることを確認できる年だった。汎用的なものから専門的なものまで、何種類もある基盤モデルをマネージしてガバナンスを効かせないと有効活用はできない。それを支援できる製品やサービスをわれわれが提供していると確信できた。
山口明夫 代表取締役社長
インフラにおいても、ハイブリッドに、オンプレミスでもクラウドでも、お客様がそれぞれの特徴を生かして一番良い場所で動かすのが企業の成長にとって重要であるという理解が徐々に進んだ。そして、量子コンピューターや科学技術に対する絶え間ない投資が、今の複雑化する社会課題の解決には極めて重要だ。その点、理化学研究所や東京大学などの皆さんと一緒に進められたことは、すごく価値のある1年だった。
──そのようなエンタープライズAIやハイブリッド・マルチクラウドの有効性は、以前から業界内では指摘されていたのではないか。
そうではなく、「クラウドがベストだ」というようなメッセージが多かったと思う。量子コンピューターも「大事だ」と言いながら、決して適切な投資をみんなができているわけではなかったのではないか。パブリックのLLMは一般的なデータしか入っておらず、またセキュリティーの問題もある。各企業のデータをしっかり活用したモデルをつくることの重要性が認識されたのは、やはり25年のことだろう。
本当に役に立つシステムを
──AIの活用は、エンジニアによる開発業務に影響を与えている。
プログラミングや要件定義、テストもそうだが、システム開発の手法が25年から大きく変わっている。26年は、IT業界もだいぶ変わってくる年になると思う。一方で仕事に関して言えば、AIエージェントをうまくオーケストレートして、一つの効果的なアウトプットを出すためには、まず業務を知らないといけない。そのあたりはまだまだ重要だ。
──26年の意気込みを。
正しいと思うことを情熱を持って進める年にしたい。チームに言っていることは三つあり、まず絶対的にお客様のことを考え、事業部に関係なく必要であればパートナーと組み、お客様とワンチームで進めること。二つめは、現場から経営に至るまでお客様と徹底的に話して課題を理解すること。三つめは、レスポンスをどんどん早くしてスピードを上げること。それらを大切にしながら、われわれが開発や買収で充実させてきた製品群を徹底的に活用させる。本当に役に立つシステムに進化させていくということを、愚直にかつスピードを持って取り組む。