──2025年はどのような1年だったか。
「未来を創る、今ここから」というスローガンのもと、次世代製品に向けた基盤づくりに取り組んだ1年だった。業績面では、当初期待していたクラウド版への移行が、想定したほどの成果にはつながらなかった。
橋倉 浩 代表取締役社長
しかし、最優先課題である研究開発では、3年計画の初年度として過去最高額の投資を行い、計画通りの進捗を見せている。開発現場も、予想以上に高まったAI需要に応えるべく、計画に組み込んで開発を進めた。ユーザーにメリットのある機能については積極的に取り入れていく。
──ストックビジネスの推移は。
厳しい業績の中にあっても、クラウドビジネスは右肩上がりに成長し、ストックビジネスの利益が売上総利益の半分を超えるまでに拡大した。月次売り上げの変動に左右されにくい、安定した利益基盤が整いつつある。汎用的な販売管理だけでなく、製造業向けの「生産革新システム」など業種特化型パッケージにも注力したことが成果を上げた。独自の強みを前面に出した結果、親会社である大塚商会のグループ以外への外販売上高が24年比で約1.8倍に伸長し、新たな成長の柱となっている。
オンプレミスとクラウドを両立
──次期新製品とAI戦略はどう考えるか。
次期製品は27年下期のリリースを目指している。業界としてはクラウドへのシフトが加速しているが、当社はオンプレミスとクラウドを50対50で展開する方針だ。新製品はクラウドネイティブな技術で構築しつつ、ワンソースでオンプレミスにも対応する設計としている。ただ、バックアップなど一部には、クラウドと連携する機能が加わる可能性はある。
AI戦略については、さまざまなエンジンやLLM(大規模言語モデル)と接続可能なインターフェースの実装を予定している。具体的な機能としては、AIが帳票データの特徴を瞬時に分析し、文章で提示する「帳票解析機能」のプロトタイプがすでに完成している。次期製品を待たず、26年末にリリースを予定する現行の「Vシリーズ」の最終バージョンに先行搭載する方針だ。
──26年の抱負を。
27年の新製品リリースに向けて、25年を上回る研究開発投資を実施し、この1年で次期新製品をほぼ完成させたい。利益面では厳しい戦いが予想されるが、売上高は過去最高を計画し、更新需要に頼らず新規顧客の開拓も進める。
社内では受託開発を担当していたエンジニアをパッケージ開発にシフトさせ、リスキリングを通じてAIなど最新テクノロジーに対応できる組織づくりをさらに加速させる。この困難なフェーズを乗り越えることが、次の10年の基盤になると確信している。