──2025年は、どのような年だったのか。
第3次中期経営計画の初年度であり、サブスクリプションモデルへの移行に向けた大きな転換点となった。経営指標もARR(年間経常収益)や継続課金契約数へとシフトした。11月にはAIを活用したクラウド型基幹業務支援サービス「PCA Arch」をリリースし、次世代に向けた一歩を踏み出すことができた。
佐藤文昭 代表取締役社長
──クラウド移行への手応えは。
着実に進んでいる。従来のパッケージ版は制度改正のたびにユーザーが買い替える必要があったが、サブスク型のクラウド版は質の高いサービスを安定的に提供できる。こうした利点から、創業当初より販売していたパッケージ版は24年3月で販売を終了し、本格的にサブスク型のクラウド版へとかじを切った。29年3月のサポート終了までに、約5万件のパッケージ版保守ユーザーの円滑なクラウド版移行が今後の重要課題となる。
一方で、新規顧客の開拓も欠かせないため、既存顧客の支援を専門に担う「セールスオペレーションセンター」を新設し、営業担当者は新規獲得に注力できる体制を整えている。
基盤強化と開拓の二正面作戦
──AIに関する取り組みは。
AIはもはや避けて通れない技術となり、積極的に導入している。ArchはAI活用をいち早く体験していただくための製品でもある。財務・人事・販売の三カテゴリーごとに、オールインワンで提供できる分かりやすいモデルである点も強みだ。ブラッシュアップを重ね、将来的にはワンクリックですべての業務が自動で完了する状態を目指している。
従来のUIを維持して既存顧客に安心感を提供しつつ、AIの積極導入で直感的な操作を好む若年層にも対応していく。数年後にはユーザーが自身に合った操作方法を選べるようにし、双方に寄り添う「二正面作戦」で持続的な成長を目指す。
──26年の抱負を。
Archの本格展開が最大のミッションだ。従来の「PCAクラウド」でも複数ソフト間の連携は一定範囲で実施していたが、Archでは当社のさまざまなサービスをユーザーが一つのIDで一括管理・運用できるポータルになっている。AIによるサービス連携も強化している。引き続き、ミートアップイベントなどを通じて情報を発信しながら、ニーズを吸収していく。
製品名の「Arch」には、サービス・人・情報などあらゆるものをつなぐ「懸け橋」になるという意味を込めている。小規模層にも利用いただきやすい価格設定にしており、パッケージ版からサブスクへの移行においても懸け橋としての役割を期待している。当社ビジネスを大きく変革し、未来への懸け橋にもしていきたい。