──2025年の振り返りを。
AIを軸に事業が大きく進んだ1年だった。4月に発表した「Money Forward AI Vision 2025」で「No.1バックオフィスAIカンパニー」になることを宣言し、以降はAIサービスの開発と機能提供を強力に推進した。メールで受領した請求書をダウンロードし「マネーフォワード クラウド債務支払」上で支払依頼をするものなど、複数のAIエージェントを発表した。また、FinTech領域でも金融機関との協業が着実に進展し、AIとFinTechの双方で次の成長につながる基盤を築けた。
辻 庸介 代表取締役社長 グループCEO
──6月には米Concur Technologies(コンカーテクノロジーズ)日本法人、ビズリーチ、ラクスとともに任意団体「経費MIRAI協議会」を設立し、インボイス制度に関する政策提言活動を展開した。
経費精算は、働く人の多くが行う業務であり、制度改正の影響を強く受ける領域だ。現場の実務と制度設計との間にギャップが生じ、生産性に影響を与えるケースも少なくない。経費精算業務のデジタル化やAI活用、将来的な自動化などを見据えた時に、制度と現場の間をつなぎ建設的な対話を通じて、より良い仕組みを共に考える場が必要だ。
サービス面で各社は切磋琢磨しており、経費精算業務の効率化を通じて企業や社会全体の生産性を上げていきたいという同じ志を持っている。連携することで、制度運用の改善につながる提言を行っていく。
HR市場の伸びを成長に結びつける
──HR領域など既に競合が多い市場へ参入している。マルチプロダクト戦略の勝算は。
「マネーフォワード クラウド」は、必要な機能から導入できるコンポーネント型ERPで、導入ハードルが低いことが特徴だ。また、「マネーフォワード クラウド会計」のユーザーに当社のHR領域のサービスを使ってもらえれば、給与や労務のデータをスムーズに会計システムに連携し、データ照合やシステム入力などの手作業を減らすことができる。
HRは今、経理・財務領域を抜き伸びている市場だ。中でも「社員が活躍し、人が辞めない組織づくり」への関心は高まっている。こうした中で、市場の伸びを確実に当社の成長に結びつけるため従業員エンゲージメント領域に参入するなどサービスラインアップの拡充を進めている。
──26年の目標は。
AIを活用した革新的なサービス開発を加速させたい。バックオフィスのさまざまな業務をAIエージェントが行う環境づくりを行い業務効率化を実現するほか、他社製のAIエージェントにも接続できるオープンなプラットフォームを構築し、「バックオフィスAIのエコシステム」に向けた基盤を整えていく。