Special Issue

<ブレードサーバ特集> コスト削減や提案力の強化に注力 壮烈なシェア争いが続く

2007/09/17 19:56

週刊BCN 2007年09月17日vol.1203掲載

NEC 新製品やパートナー支援強化で大企業からSMBまでブレードサーバを拡販

“プラットフォーム統合”でトップシェアへ

 ブレードサーバの拡販に力を注ぐNEC。新製品の投入によるラインアップの拡充や、販売パートナーへの支援強化、社内の体制整備などで、大企業から中堅・中小企業(SMB)まで幅広く新規顧客の開拓を徹底する。また、ブレードサーバに加え、クライアント端末やストレージ機器などを含めた“プラットフォーム統合”を掲げることで、ソリューション拡大を見据える。ブレードサーバ市場は競争が激しい。そんななか、今後3年以内にはトップシェア獲得も宣言している。

■07年度第1四半期で20%増に 下期に向けて製品を強化

 ブレードサーバ「SIGMABLADE(シグマブレード)」の販売が好調なNECは、07年度第1四半期の売上高が前年同期比20%増を達成した。一般的なシステム案件でブレードサーバへのリプレースニーズが高まってきており、そのニーズをしっかりとキャッチアップしていることが最大の要因だ。

 昨年度までは、大企業に対するプロジェクトベースでの案件が多かった。しかし、今年度はSMBでもブレード導入が増え、着実に市場が拡がりつつある。「SMBによるブレードサーバ導入の意識は確実に高まっています」。そう切り出すのは、山科俊治・クライアント・サーバ販売推進本部長。「NECでは、販売パートナー様が売りやすい環境を次々と整備しています」と続ける。

 SMBの関心については、調査会社のレポートからも見てとれる。ノークリサーチによれば、売上規模が500億円未満の企業1000社程度に対するアンケートから、約60%がサーバ統合に関心を示し、うち約30%がブレードサーバの導入を検討しているとの結果をまとめた。こうした状況であることから、SMBがメインユーザーの販売パートナーにとっては、ブレードサーバを拡販できる環境をいかに早く作ることができるかどうかが重要というわけだ。

 このような背景をふまえ、今年7月に中堅企業向けとして100V電源に対応した、高さ6Uに最大8台のCPUブレードが搭載可能な小型タイプ収納ユニット「SIGMABLADE-M」に加え、100V対応の電源ユニットがセットになった「SIGMABLADE-M 100V電源セットモデル」を発表した。SMBの多くは、ブレードサーバを導入する場合、オフィスの電圧の関係で200V電源への切り替え工事を必要としていたが、今回の100V電源への対応によって工事が不要となり、構築期間の短縮や1件あたり8-15万円程度の工事代などコスト削減にもつながる。山科本部長は、「販売パートナー様から、ブレードサーバ導入の敷居を下げる製品として評価を得ています」とアピール。大企業向けには、インテルのクアッドコア新CPUを4基搭載可能な「4wayブレード」を今年9月5日から販売を開始。高性能や高拡張性が求められるデータベースなどの用途に最適で、例えば、Web・AP・DBの3層システムを高さ10Uの「SIGMABLADE-H」に収め、全てをブレードで実現することも可能だ。このように製品面で積極的な強化を行っている。

■さまざまな角度から販売支援 教育プログラムも徹底した拡充

 製品だけではない。販売パートナーが拡販しやすいよう、さまざまな販売支援を行っている。例えば、ラックサーバで構築していた環境を特別に意識することなくブレードサーバに移行できるよう、“簡単導入ブレード”と呼ばれるラックサーバと同等のハードディスクを搭載したCPUブレードと小型収納ユニットを組み合わせた中堅企業向けのソリューションの提案や、ツールでは、「ExpressServerセールスマニュアル」というサーバの販促情報を盛り込んだ冊子を発行。今年5月に改訂した「第2版」では、ブレードサーバに関する内容を充実させた。

 キャンペーンにも積極的だ。100V電源に対応した「SIGMABLADE-M」の発売に合わせ、12月28日まで販売パートナー向けキャンペーンを開始した。「今回は、これまでにないくらい力が入っています。販売パートナー様にとって、とてもお得な価格になっていますので、ぜひともNECの各担当者に声をかけてください」と、意気込む。

 また、「SIGMABLADE技術認定プログラム」と称した販売パートナーの技術者に向けた教育制度を今年7月から開始している。このプログラムでは、実機を使ったスキルアップ講習や技術情報の提供、専用問い合わせ窓口の設置、認定付与などを用意。中でも、ブレードシステム構築に必須の統合管理ソフト「SigmaSystemCenter(シグマシステムセンター)」の解説は受講者に好評だ。講習については、今年8月末の時点で3回実施。50人強が受講した。今後も、講習を定期的に実施する予定で「3年間で100社150人の認定者が目標です」と山科本部長は熱く語る。

■販売パートナーと次世代IT基盤を追求 下期から社内体制の整備も

 NECでは、サーバやストレージ、クライアントなどの統合で次世代IT基盤を追求している。内部統制の観点から、ITインフラの集中管理が課題になると判断。販売パートナー向け技術認定プログラムを策定したのも、「販売パートナー様がタワーからラック、そしてラックからブレードというサーバ導入形態の潮流に乗り、一緒にブレードサーバ市場を拡大していきたい」との考えからだ。販売パートナーにとっても、「SIGAMABLADE」を中心に、ストレージ機器「iStorage(アイストレージ)」や、仮想PC型シンクライアントシステムの「VertualPCCenter(バーチャルピイシイセンター)」などを組み合わせた新たなソリューション提案が可能になるわけだ。山科本部長は、「ブレードサーバがストレージやクライアントまで含めた企業内システム全体の統合化提案の核となると確信しています。だからこそ、販売パートナー様にはこのような教育プログラムを活用することで差別化をはかり、さまざまな提案に役立てていただけたらと考えています」と力を込める。

 PCサーバ市場では王者に君臨するNEC。今年度下期にはブレード専任者の設置も計画しており、“プラットフォーム統合”を切り口にブレードサーバ販売だけでないビジネスモデルを確立させる。その先にあるのは、「3年以内にブレードでトップシェアを獲得」だ。(週刊BCN 2007年9月17日号掲載)

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外部リンク

NEC=http://nec8.com/