Special Issue

<東芝ITサービス特集> 安価なマルチベンダ対応サービスメニューを拡充

2007/10/03 19:56

週刊BCN 2007年10月01日vol.1205掲載

「リモートマネジメントサービス」を今後の中核事業に

 「保守」「運用管理」に軸足を置いた事業展開を行っている東芝ITサービス。同社は、ITマネジメントへの市場ニーズの高まりを受け、今後のITマネジメント事業の中核として位置づけられている「リモートマネジメントサービス」の第一弾として『リモート監視サービス』『リモートオペレーションサービス』をサービスメニューに加えた。同社の取り組みをサポート&サービス統括部・マネジメントサービス部・運用第一サービスセンタの安達健センタ長とサポート&サービス統括部・マネジメントサービス部・データセンタの中村勉主任に聞いた。

■ITによる効率化と事業継続性の確保が課題

 東芝ITサービスは、運用・保守を中核とし、セキュリティ、プラットフォーム、ファシリティなど、顧客のビジネス環境を支えるサービスをワンストップで提供している。顧客ニーズに応え、幅広いサービスを展開しているが、常に運用・保守を視野に入れた活動を行ってきた。同社は1959年に設立された東芝エンジニアリングを母体とし、経験と実績、ノウハウを蓄積している。その経験をもとに、顧客企業に対しベストサービスを提供し、顧客企業の成長を支えてきた歴史がある。

 「お客様は、コスト削減や情報システムの安定維持、運用体制・品質の維持など、多岐にわたる課題があります。一方で、事業継続性の確保や個人情報保護法、ISMSといったコンプライアンスの準拠など、“IT化による効率化と事業継続性の確保”を求める声も高くなっていると感じています」と、サポート&サービス統括部・マネジメントサービス部・運用第一サービスセンタの安達健センタ長は語る。

 「IT化による効率化と事業継続性の確保」という企業課題を解決するため、「夜間・休日のIT運用業務のアウトソーシング」や「メーカー、機種、OSを問わない運用管理の提供」「運用管理業務を兼務しているが、本業に注力したい」といったニーズも顕著となっている。

■東芝ITサービスの強みを生かした提案

 東芝ITサービスでは、このようなニーズの高まりを受け、サーバやネットワーク機器などの稼働状況を遠隔地から監視する『リモート監視サービス』と、サーバやネットワーク機器などを遠隔地から操作・運用する『リモートオペレーションサービス』の2つのサービスを9月4日に発表した。

 これらのサービスは、東芝ITサービスが今後のITマネジメント事業の中核として位置づけている遠隔運用・管理サービス「リモートマネジメントサービス」の第一弾として市場に投入されるものだ。また、その実行体制の強化として川崎市内のデータセンタにリモート運用センタを開設し、24時間365日体制で臨む。

 「システム監視のために、専任の人員を配置できない企業様が多いのが実情です。当社の提供する『リモート監視サービス』は、24時間365日フルタイムで監視し、異常が検知されれば、即座に電話とメールで連絡するとともに、状況に応じて保守サービス部門にエスカレーションします。システムの安定稼働の維持と緊急対応の回避に非常に有効なサービスとなります」と、サポート&サービス統括部・マネジメントサービス部・データセンタの中村勉主任は語る。

 『リモート監視サービス』は、管理対象機器の稼働監視と定期報告を行う「ベーシックサービス」に加え、イベントログ監視、サービス稼働状態監視、システムリソース監視を加えた「アドバンスドサービス」を用意している。またリモート運用センタとの通信は「HTTPS」を利用したインターネット回線を使い、セキュリティにも配慮している。監視費用も対象機器1台あたり月額4000円(税別)と非常に安価に設定されており、スモールスタートも容易だ。

 一方、『リモートオペレーションサービス』は、東芝ITサービスのリモート運用センタを介し、顧客企業のシステム環境へリモート接続を実現するサービスだ。日常行っているオペレーションや運用・管理、特に電源操作やBIOS操作、シリアル接続されているネットワーク機器の設定など、機器設置場所でなければできなかった作業も遠隔地から操作可能となる。

 「これまで、拠点のシステムに障害が起きた場合、本社から出向いて作業するケースが多かったかと思います。しかし『リモートオペレーションサービス』を活用いただけば、移動時間も不要となるのでシステムのダウンタイムを減少させることができます」(中村主任)とのことだ。

 また、『リモートオペレーションサービス』はマルチベンダ対応のため、メーカー、機器、OSを問わず利用できる。システムのダウンタイムの低減と管理者負担を大幅に軽減し、運用コストの低減にも寄与する。さらにITILベースの運用プロセスを採用し、顧客企業に変わって定期作業の代行を行うため、顧客企業は本来業務に集中することができる。

 さらに、同社の既存サービスである「IT保守サービス」と組み合わせることで、企業システムの運用・管理をすべてアウトソースすることも可能だ。東芝ITサービスのサービス拠点は2007年7月現在で103拠点あり、全国でサービスを受けられる。

 「『リモート監視サービス』と『リモートオペレーションサービス』は補完関係にあります。それぞれ単独でも利用できますが、双方を活用することで統合化されたマネジメント運用を実現し、事業継続性の確保も実現できます。すでにお客様からの引き合いも多く、注目を集めていることを肌で感じています」(安達センタ長)とのことだ。

 顧客ニーズに応え、新しいサービスメニューを拡充している東芝ITサービス。市場ニーズを受け、今後も「リモートマネジメントサービス」を拡充していく予定だ。ユーザー視点での同社のサービスは、新しい市場ニーズの形成に大きな影響を与えている。今後の展開にも、多くの企業が注目している。(週刊BCN 2007年10月1日号掲載)

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外部リンク

東芝ITサービス=http://www.it-serve.co.jp/