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<IT統制&セキュリティ特集> 情報漏えい対策、内部統制の整備、その前に 基盤を支える対策が再び注目を集める

2007/11/30 19:56

週刊BCN 2007年11月26日vol.1213掲載

クオリティ
見直されている「ライセンス管理」 企業の権利を守るために必要不可欠

■企業の存続を左右する「著作権侵害行為」

 情報漏えい対策や内部統制の整備が叫ばれるなか、注目を集めているのが「ライセンス管理」だ。コンプライアンスという観点から必須の項目であるにもかかわらず「どう管理したらいいのか」「どこまで管理したらいいのか」という課題が表面化している。IT投資により、企業では多くのITシステムが導入されている。業務効率を向上させるためのソフトウェアも数多く導入され、日々の業務に活用されている。そのようななか、あらためて「ライセンス管理」が重要視されている。パソコンのソフトウェアは、オリジナルと全く同じコピーを作成できるため、違法コピーが家庭・学校・企業、さらには政府機関の間でも横行しつつある。

 一般に、違法コピーによる被害額は、2006年で395億ドル、日本国内では2100億円といわれている。ソフトウェアベンダーにとって、これは無視できない数字だ。一方、ユーザも大きなリスクをかかえていることは、あまり知られていない。違法コピーと認識してソフトウェアを使い続けると、民事上、刑事上の制裁を受けることはもちろん、ウイルス感染の危険性やメーカーによるサポートを受けることができないためだ。また厄介なのは、ユーザが違法コピーをしていることに気が付いていない、また違法コピーソフトウェアがインストールされていることすら知らないというケースも多いということだ。07年7月1日に施行された改正著作権法では、著作権侵害行為に対して、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金または併科となり、法人への罰金の上限が1億5000万円から3億円に引き上げられている。これら刑事罰以外にも、不法行為に対する民事上の損害賠償も適用されれば、その金額はさらに跳ね上がる。さらに企業内の違法コピーが明るみに出れば、社会的信用が失墜し、これまで培ってきたブランド価値が地に落ちることになる。

 著作権侵害行為は、企業の存続を揺るがす問題としてクローズアップされつつある。社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)やビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA)などの団体が、著作権者を守るために権利の執行を支援していることも「ライセンス管理」が注目されている要因の1つだろう。

■ツールを活用してライセンス管理を確実に

 ACCSが提供している「ソフトウェア自主調査ガイド」は、「違法コピーがあるかわからない」「ソフトウェア管理の第一段階として現状を把握したい」という場合にも利用できるガイドラインだ。このガイドラインによると「ライセンス総数とインストール総数の把握」「ライセンス総数とインストール総数の照合」「対策」といったサイクルを継続させ、ソフトウェアのインストール状況を常に把握することが求められている。しかし、これらの工程を紙と鉛筆による手作業で行うことは膨大な工数が求められるうえ、正確性にかけるため、事実上不可能といえよう。

 そこでツールによるライセンス管理が求められるわけだが、クオリティのIT資産管理ツール『QAW/QND』の『ライセンス管理機能』を使い、この把握から対策までの工程と対策後の監査を、簡単・確実に行なうことができる。

 実際に、ソフトメーカー委託の監査法人による立ち入り監査においても、『QAW/QND』を導入し管理徹底されていたため、短時間の監査で終わったケースもあるようだ。クオリティはACCSのガイドラインをベースに、ソフトウェアを「『QAW/QND』を使ってどう管理すればいいのか」ということをまとめた提案資料を、12月よりパートナー企業に配布する予定だ。

 また、海外でのソフトウェアの「違法コピー」も問題となっている。

 海外拠点を持ちワールドワイドで活躍しているメーカーが増えるなか、現地で自社製品の「コピー品」や海賊版が作られ、損害を被っている企業も多い。その被害を防ぐため、交渉の場につこうとしても、自社内において他者が著作権を有するソフトウェアの侵害行為すなわち「違法コピー」があっては、交渉すらできないケースもある。

 『QND』は、中国語版、英語版が提供されており、ワールドワイドで展開する企業の「ライセンス管理」も可能だ。自社の権利を守るためにも、隙のない状態にしておく必要がある。「ライセンス管理」は、ソフトウェアベンダーの権利を守るだけではなく、自社の存亡にかかわるベースとなっているのが現状といえるだろう。

クオリティ=http://www.quality.co.jp/

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