Special Issue

<グリーンIT特集> 環境負荷への低減が求められる

2007/12/13 19:56

週刊BCN 2007年12月10日vol.1215掲載

ITの省エネ対策は重要に グリーンITがキーワード

 「グリーンIT」とは「環境にやさしいIT」という意味をもつ新語だが、ITの省エネ対策が不可欠となっている現状を浮き彫りにするキーワードとして世界中から注目されている。

 たとえば、多くのIT機器が集積されているデータセンターでは、日々膨大な電力が消費されている。サーバーを始めとするIT機器から発生する熱だけでなく、それらを冷却するための空調にも、膨大な電力が必要になる。そのため、エネルギー需要とコストが急激に増加し、新たな企業課題として注目されている。また、「京都議定書」をはじめとする環境問題への対応も必須とされているが、ここでも消費電力の削減が求められている。

 しかしこれは、データセンターに限ったことではない。企業活動全般を通じ、環境に配慮したITシステムという課題に取り組んでいかなければならない時代が訪れているのだ。

 国による取り組みも行われている。2001年4月に試行された「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」、いわゆるグリーン購入法によって、国が物品を購入する際には、環境に配慮されたものを購入しなければならなくなった。この影響からか、一般企業でも環境負荷に配慮した商品を購入する動きが見られる。

環境負荷の低減を実現したエコプロダクツ大賞が発表

 こうした状況から、環境負荷の低減に配慮した製品・サービス(エコプロダクツ)をさらに普及させるため、社会的にも評価の高いエコプロダクツを表彰する「エコプロダクツ大賞」を実施する「エコプロダクツ大賞推進協議会」が設置されている。

 「エコプロダクツ大賞推進協議会」は、04年7月にエコプロダクツの振興・発展を図ることを目的に、エコプロダクツと関わりの深い民間団体が連携して設立した団体。同会の設立趣意書によれば「具体的にすぐれた環境配慮が組み込まれるとともに、独創性あふれ、しかも社会からの評価が高いすぐれた“エコプロダクツ”に対する表彰制度(エコプロダクツ大賞)を設けて、これらのエコプロダクツを顕彰するとともに社会に知らしめていくことは、エコプロダクツの発展にとって大きな支援策になると考えられる」としている。

 07年11月には「第4回エコプロダクツ大賞」が発表された。エコプロダクツ大賞は、環境負荷の低減を目的にさまざまな技術や手法を活用して開発され、日本国内市場において製品化されたものを対象にした「エコプロダクツ部門」、環境負荷の低減を目的として提供されているサービスや持続可能なビジネスモデルを創出して環境負荷の低減を図っている新たな環境配慮型のサービスで日本市場に導入されている「エコサービス部門」によって構成されている。

 今回の大賞には「エコプロダクツ部門」125件、「エコサービス部門」30件のあわせて155件の応募があった。その中でエコプロダクツ部門の大臣賞を獲得したのは、バンダイの「ガシャポンアースカプセル昆虫採集」、富士ゼロックスの「ゼログラフィー複合機&プリンター」、エコファクトリーの「輻射式冷暖房装置ハイブリッドサーモシステム“ecowin”」、東日本旅客鉄道および日立製作所の「鉄道用ハイブリッド車両」の4件、エコサービス部門では、NTTファシリティーズの「グリーンポテト(屋上サツマイモ水気耕栽培システム)」、東芝エレベータの「エレベーターのリニューアル」、日産自動車の「カーウィングスナビゲーションシステム(愛車カルテ/最速ルート探索サービス)」の3件となっている。

 なお、「第4回エコプロダクツ大賞」の表彰式は07年12月13日、東京ビッグサイトで開催されている「エコプロダクツ2007展示会」(主催:社団法人産業環境管理協会、日本経済新聞社)会場内の環境コミュニケーションステージで行われる。当日は、大賞受賞者による事例発表も行われる予定だ。

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