Special Issue

<特別企画 期待される企業像2008> 2008年はJ-SOX法の施行、Windows server 2008のリリースにより業界内問わず多大な変革の1年となる

2008/01/24 19:56

週刊BCN 2008年01月21日vol.1219掲載

独占インタビュー Gianfranco Lanci Acer社長が語る
不動の世界第3位のPCメーカーとして、さらなる成長を続けるために!

キーポイントは「インダイレクト」「Empowering People」「マルチブランド」

 急成長を遂げるAcerのターゲットは「世界第3位のPCメーカー」を確固たるものにすること。その陣頭指揮を執るAcer Inc.のGianfranco Lanci社長に、事業戦略の鍵となるポイント、コンセプト、さらに日本市場への期待などについて、イタリアと日本を結んだ独占インタビューの詳細をレポートする。

市場優位性を保つ「インダイレクト」
グローバル企業として飛躍を遂げるAcerの優位性を教えてください。

Gianfranco氏

 100%インダイレクトでセールスを展開しているビジネスモデルにあります。2000年以降、徹底してこの戦略を踏襲しており、OEMメーカーや販売店、販売企業などとコラボレートして、ともに成長をしています。現在、世界のPCの90%近くが中国(台湾)で生産され、世界に供給されています。台湾に本社拠点を構えることによる、サプライの調達力など地の利は大きなアドバンテージとなっています。なお、インダイレクトは、コンシューマ市場に注力している当社にとって、ベストなアプローチです。コスト、パフォーマンスなどにおいて、ダイレクトにはない優位性があります。欧州市場で成功しているのも継続的に戦略を実行してきた結果といえるでしょう。

重要なのはTOP3であること
グローバル展開において、米ゲートウェイ社との合併、パッカード・ベル社の優先交渉権による合併の利点はどこにありますか?

Gianfranco氏

 目的は二つあります。一つは、PCメーカーとしてHP、デルに次ぐ世界第3位のPCメーカーとして確固たる地位を確立すること、そしてもう一つがコンシューマ市場における「マルチブランド」の確立です。米ゲートウェイ社の米国市場での強み、パッカード・ベル社の欧州での高いシェア、それぞれの市場優位性をうまく生かしていきたいですね。そして、次のゴールが売上高200億ドル以上で、それから着実に3位から2位へ、PCメーカーとしてのポジションを高めていきたいと思います。

人と技術を結ぶAcerのメッセージ
「Empowering Technology」、「EmpoweringPeople」をコンセプトに掲げていますが、そこに込められたメッセージとは?

Gianfranco氏

 “Empowering Technology”はAcerが取り組んでいるミッションの一部です。ニーズにマッチした技術、ツールによって能力を最大限に引き出すことを目指しています。そして“EmpoweringPeople”は、人と技術の間の障壁を取り除くことで、ワンランク上の使いやすいPC環境を実現します。技術オリエンテッドにならず、人と技術との融合をしっかり見据えている点がAcerの強みでもあるのです。

設計、デザインへのこだわりについて教えてください。

Gianfranco氏

 PCをどのように進化させるか、そのためにはインダストリアルデザイン(ID)を推進していく必要があるでしょう。適切にニーズに応え、技術を提供していく、その一つの方法が“使いやすいナイスなデザイン”であり、技術を使いやすくするポイントになります。周知のとおり、当社はフェラーリ社とパートナーシップを締結し、フェラーリモデルのPCを提供しています。両社ともに技術のスピードとクオリティが求められる業界に位置し、最新技術を駆使した製品開発とデザインのシナジー効果がもたらされています。さらに、BMWのデザインハウスをはじめ、デザイン会社、IT企業、サプライヤーとのパートナーシップを締結し、長期的なビジョンのもと、パートナーとのインテマシーの向上に努めています。

最近は環境への配慮が求められていますが、Acerの取り組みを教えてください。

Gianfranco氏

 環境に優しい製品づくりを目指しています。例えば、ノートPCの低消費電力、長時間バッテリの採用、PCに使用する素材、梱包など、ほかにも様々な取り組みを行っています。

2009年からはオリンピックの公式スポンサー活動を行う予定ですね。

Gianfranco氏

 社会貢献の一つの取り組みとして、スポーツを企業として支援するという大きな役目があります。さらに、もう一つの側面としては、Acerがさらなる飛躍を遂げるために、PCのブランディングの必要性を強く感じています。合併によるマルチブランドを世界に発信する、将来的にブランド力を高める取り組みの一つとしてもオリンピックの公式スポンサー活動は大きなチャンスとなるでしょう。

最後に今後の世界市場における取り組みと、日本エイサーへの期待、支援策について教えてください。

Gianfranco氏

 5年、10年というスパンで市場を見ていくと、PCの世界市場は非常に大きな市場です。今後はモバイルなど大きな市場が新しく形成されてくるでしょう。そうした中で、AcerはPCメーカーとして着実に成長していきます。さらに新しい市場においても、主要なプレイヤーとして活躍していきたいと考えています。世界でAcerのブランドは着実に浸透しつつあります。欧州では圧倒的な強さを誇り、ノートPCでは欧州ナンバーワンのシェアを獲得しています。欧州以外にも、今後は北米やアジアなど世界規模でシェア獲得を目指していきます。日本は、世界第2位の大きなマーケットなので、これまではある意味、慎重に取り組んできました。日本では軽量、デザイン性が重視されていることも認識しています。欧米とは違った市場として、今後積極的に支援していきたいと思います。ぜひ、2008年のAcerの活躍をご期待下さい。

積極的なブランド戦略、グローバルな活動、人と技術をつなぐコンセプト、企業価値の創造に貢献するAcerの成功の秘訣を垣間見ることができました。今後の世界での、また日本での活躍を楽しみにしています。

[次のページ]