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<セキュリティソリューション特集> 内部統制をキーワードとした市場が活性化 より基盤に近い対策に注目が集まる 後編

2008/03/10 19:56

週刊BCN 2008年03月10日vol.1226掲載

■コンプライアンス対応機能の充実 CSR委員が設定情報も確認可能

 コンプライアンス対応機能の強化については、グループ管理者による設定変更の通知機能を追加し、管理を委任しているグループ管理者の事後承認や履歴管理が把握できるようになった。情報漏えい対策の強化や規制サイトへのアクセス許可申請の改善も図られている。 これまで、取引先や競合企業のサイトが「規制」されている場合、管理者に解除申請を行い、規制解除を行うのが一般的だった。しかし、管理者にとって、その申請されたサイトの閲覧を許可していいのかどうかという判断ができないという課題もあった。運用フローと異なった経路で解除申請が行われていたのである。『InterSafe Ver6.0』では、解除申請を行う相手として上司などの承認者を指定できるようになった。つまり実際の運用に沿った規制解除申請を実現したのである。

 また、AccessManagementViewを搭載し、社内ポリシーと『InterSafe』の設定情報が合致しているかなどを、システム管理者以外でも容易に確認できるようになった。

 例えばコンプライアンス対応のため、CSR委員会などを設置している企業は増えている。これらを通じて、セキュリティポリシーの策定・運用・見直しといったサイクルを回すことで、より高いセキュリティレベルを実現しているのである。

 これまでは、管理者によって設定された情報がセキュリティポリシーに合致しているかを確認するすべがなかった。システム管理者の設定を信用する以外になかったというのが実情だった。

 『InterSafe Ver6.0』では、システム管理者以外(セキュリティ監査委員)でも設定情報を簡単にチェックできるAccessManagementViewという機能を提供し、この課題を解決している。

■ログ解析ツールで「見える化」を実現

 また、ログ解析ツールによるWeb利用の「見える化」を実現し、これは内部統制強化にも有効である。

 『InterSafe Ver6.0』は、生産性の向上という視点よりも、生活やビジネスに浸透しているツールとしてのインターネットを安全・快適に使うための環境作りを行う、ということに主眼を置いたソリューションとなっている。最近では「InterSafe China Option」も注目を集めている。現在、中国に進出する企業は多く、セキュリティへのニーズも高まっている。同社は国内市場でのノウハウをもとに、中国の文化、利用動向に会わせたURLをスピーディーに収集する現地拠点も用意し、質の高いソリューションを提供している。そのような活動も、シェアNo.1を獲得してきた要因の1つといえよう。

■総合力とサポート力で販売しやすい環境を整える

 NECは協調型セキュリティをうたい、個別の対策を行うだけではなく、それぞれのセキュリティ対策が協調することで、既存投資の有効活用とセキュリティレベルの向上の両立を目指している。なかでも、企業のプラットフォームセキュリティを高める『InfoCage』シリーズの評価は高い。ニーズが高まりつつある「検疫」については、2年連続シェアNo.1を獲得**しており、企業ニーズに応え続けている。ハードウェアメーカーとしての側面やネットワークに強いシステムインテグレータとしての側面、そして何よりも強いサポート力も持つNECの重要性は、日増しに高まっているといえるだろう。

 NECは、10年ほど前よりALSIと協業しており『InterSafe』をOEM供給している。ALSIにとっても、強力なパートナー企業の1社である。NECでは『InterSafe』をあらかじめインストールしたアプライアンス製品を提供するなど、『InterSafe』を付加価値として活用し、ソフトウェアとハードウェアをユーザー企業に最適な形かつワンストップで提供できる体制を整えている。NECでの『InterSafe』は『InfoCage』シリーズとの親和性が高く、単独ではカバーしきれない部分のセキュリティを強化する位置づけとして展開されている。


■管理工数が少なく魅力的なソリューション

 「『InterSafe』は、管理工数が非常に少なく、今後を見据えた機能強化も施されているため魅力的なソリューションになっていると思っています。当社が『InterSafe』を扱うことで、お客様に別途サーバーマシンをご購入いただかなくても、必要なものはすべて当社でご用意できるので、販売店様のメリットも大きいと思います」と、NEC 第一システムソフトウェア事業部(マーケティング・販促グループ)の大石美佐緒氏は語る。

 『InterSafe』は、前述の通り、実績と信頼のある閲覧制限用URLリストを採用しており、ユーザーからの支持も得ている。『InterSafe』の強みに加え、ユーザーニーズに応える形で製品・サポートを含めて提供できるNECの強みが合致し、新しい価値を付加したトータルソリューションとなっているのだ。

 「NECは、メーカーとしての立場、システムインテグレータとしての立場があります。IT系はもちろんネットワーク系にも強いベンダーとして知られており、『InfoCage』を中心として検疫などに注力してきました。プラットフォームだけでは守りきれない業務系の部分は『InterSafe』を活用することで、お客様のニーズに応えられると考えています」(大石氏)。

■業界を進化させるパートナーシップ 新しいビジネスチャンスを生む

 『InterSafe Ver6.0』では、内部統制強化にも有効な機能が強化された。大規模企業はもちろん、それらの企業と取引のある関連企業についても、ネットワークのリスク低減というニーズが高まっている。つまり、企業規模を問わず『InterSafe Ver6.0』を求める声が高くなっているのだ。実際、案件なども増加傾向にあり、新しいビジネスチャンスを生んでいる。

 また、『InterSafe Ver6.0』は、管理・運用性を向上させる機能が豊富だが、特に導入後すぐに運用が開始できるよう「簡易設定機能」などもある。導入の敷居も大きく低減しており、販売店にとっても導入が容易で販売しやすいソリューションとなっている。

 「ALSI様とは、お客様に安心していただくにはどうすればいいのか、ご満足いただくにはどうしたらいいのかを一緒に考えてきました。また、業界を進化させるためにどうあるべきか、ということにも共に取り組んでいます」(大石氏)とのこと。

 顧客企業の声にワンストップで応える体制を整えているNEC。自社だけではなく、パートナーとの協調も活発で、今のニーズだけではなく、ニーズの先取りも行い、市場をリードし続けている。

*IDC Japan「2006年 国内セキュリティソフトウェア市場動向:セキュアコンテンツ管理、脅威管理製品市場」(J6200105)「国内セキュアコンテンツ管理市場」Webフィルタリング製品部門、富士キメラ総研「2006パッケージソリューション・マーケティング便覧」および「2007パッケージソリューション・マーケティング便覧」、ミック経済研究所「情報セキュリティソリューション市場の現状と将来展望2007」

**富士キメラ総研「2007 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧」、「2006 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧」

NEC=http://www.nec.co.jp/intersafe/

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