Special Issue

<プリンティングソリューション特集> 第二部 プリンティングソリューション 前編

2008/03/17 19:56

週刊BCN 2008年03月17日vol.1227掲載

プリンティング市場の“今”を読み解くキーワード

現在のプリンティング市場を分析すると、いくつかの重要なキーワードが見えてくる。
これらのキーワードに合致した製品が、市場で注目されているようだ。
そのなかの一部をここで紹介し、その意味について簡単に解説しておく。

LEDプリンタ

 従来のプリンタ市場は、レーザープリンタがメインだった。レーザープリンタとは、感光ドラムにレーザー光で感光させて印刷する方式のこと。レーザー光を当てるため、レンズなどの光学技術に長けたベンダーが市場をリードしていた。

 LEDプリンタは、レーザーの代わりにLEDで感光させる。そのため、エンジンの小形化が可能で、プリントする用紙の大きさにかかわらず同一のエンジンの技術が活用できるという特長がある。高い技術力が必要だが、メリットは大きい。そのため、新規参入するベンダーが増える傾向にあり、現在注目されている。

TEC値

 オフィス機器における「1週間の標準消費電力量」のことで、実際の活用に近い環境で消費電力を測定したデータ。瞬時の消費電力がいくら低くても、運用時の消費電力が高ければ、コストとして跳ね返ってくる。運用時の消費電力はスペックを見てもわからないが、TEC値を参考にすれば、ある程度の目安になる。カタログでTEC値を表記するベンダーも、少しずつだが出始めている。TEC値の低い製品を購入すれば、年間を通じたコスト削減も可能となる。グリーンITという観点からも、注目されている。

小型化

 日本のプリンタ市場において、間違いなく小型プリンタが重要視されている。実際、窓口業務やバックヤードなど、設置スペースがほとんど確保できない場所でも置ける小型プリンタの需要が伸びているようだ。ビジネスインクジェットなども小型化が進み、多くの企業に導入が進んでいる。最近では、モノクロプリンタをカラーに置き換えようという戦略をとるベンダーもあり、08年も引き続き「小型化」が市場を左右するキーワードとして注目されるだろう。

ランニングコストの低減

 TEC値の項目でも解説したが、多くの企業でランニングコストの低減が大きな課題となっている。消費電力や使用するトナーをセーブするなどして、この課題を解決するソリューションが登場し始めている。トナーセーブモードを用意しているベンダーもあるが、外部のソフトウェアで印刷品質を落とさずにトナーの量を減らすものもあり、印刷物のコストを抑えることで、さらなる投資が可能になる。ちなみに、MFPとの複合提案も、ランニングコストの低減という切り口で語られることがあるようだ。

最適配置

 MFPやプリンタを適切に配置することで、投資の効果を最大化すると同時に運用コストの低減を実現する。ユーザーの利便性を下げることなく、最大の効果をあげるため、各社ツールを用いてコンサルティングから行う例も多い。MFPとプリンタ事業を持っている企業が提案するケースが多いようだが、販社などを活用し、販売競業を行うことで、事実上の最適配置を訴求しているベンダーも登場している。ベンダーだけではなく、販社にとっても、「最適配置」は重要なキーワードになるだろう。

[次のページ]

関連記事

<プリンティングソリューション特集> 第二部 プリンティングソリューション 後編