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<プリンティングソリューション特集> 第二部 プリンティングソリューション 後編

2008/03/17 19:56

週刊BCN 2008年03月17日vol.1227掲載

ブラザー販売
店頭やメディア露出で認知を広げる  A4コンパクト複合機で市場を活性化

■「ジャスティオ」の出足好調 複合機の最上位機種が伸びる

 ブラザー販売の「ジャスティオ(JUSTIO)」シリーズが好調な出足を見せている。

 ジャスティオは、自社開発のA4カラーレーザータンデムエンジンを搭載したカラーレーザー複合機/カラープリンタのシリーズで、昨年9月から順次発売してきた。

 「当社は従来から、SOHO(スモールオフィス、ホームオフィス)を念頭に置いた商品展開を図ってきましたが、ジャスティオも当然この市場をターゲットに開発しています。小規模ビジネス空間で働く人々にとって、コンパクトさは極めて重要で、用紙の管理面などからも複合機、とくにファクス機能を搭載した複合機のニーズは高いと判断しています。出足は予想していたより好調で、とくに最上位の複合機が伸びています」と、情報機器事業部の三島勉事業部長は説明する。

■自社開発のレーザーエンジン搭載

 複合機の製品ラインアップは、(1)カラープリンタ、カラーコピー、カラースキャナ(自動両面)、カラーファクス、PCファクス送受信、ネットワーク標準(有線LAN、無線LAN)と6大機能を搭載したMFC-9640CW、(2)MFC-9640から両面カラースキャン機能を外し、ネットワークは有線LANのみに絞り、高さ世界最小(A4カラーレーザー複合機<ADF付>において、2007年9月時点。ブラザー調べ)をうたい文句にしたMFC-9440CN、(3)カラープリンタ、カラーコピー、ネットワーク標準(有線LAN)、カラースキャナのDCP-9040CNの3モデルだ。

 共通する特徴は、(1)自社開発のタンデムエンジンを搭載、カラー/モノクロとも最高20枚/分の高速印刷を実現、(2)高さは世界最小のコンパクトサイズ、フロントオペレーションの省スペース設計、(3)自動両面スキャナ、黒だけ印刷、豊富なUSBダイレクト機能、最大800枚の大容量給紙など。

 また、プリンタはコンパクトボディに超速プリントエンジンを搭載したHL-4040CNを投入した。

■ユーザーはフルスペックの製品選ぶ

 発売前は、ファクス機能付きスタンダードモデルのMFC-9440CNが主力モデルになると見ていたが、実際には「最上位のMFC-9640CWが最も売れている」(三島事業部長)という。

 BCNランキングでも僅差ではあるがMFC-9640CWのほうが上位を維持している。

 「価格差があまりないので、ユーザーはフルスペックの製品を選択している」というのが同社の分析。

 BCNランキングで1月の平均単価を見ると、レーザー複合機シリーズであるMFC-9640CWは10万8000円台、MFC-9440CNは9万6000円台、DCP-9040CNは8万3000円台、レーザープリンタHL-4040CNは5万3000円台となっている。

■ブランド認知度高める努力を地道に展開

 現在の販売ルートは大手量販店の店頭販売がメインで、「ウェブ通販系も重要なルートになってきました。また、消耗品はカタログ通販ルートでもよく出ています。システム系ディーラーも着実に開拓していく」という。

 今後の販売戦略については「とにかくブランドの認知度を高めることに全力を上げます。たとえば店頭では展示面積を広げ、露出度を高めてもらえるよう働きかけ、キャッシュバックキャンペーンなども積極的に展開します。テレビコマーシャルも続ける予定で、エンドユーザーへの訴求活動も地道に行っていきます」と強調する。

 今年100周年を迎えている同社にとって「カラーのブラザーのイメージを高めるためにも、ジャスティオは新しい100年に向けての戦略製品」である。

ブラザー販売=http://www.brother.co.jp/

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