経済産業省や中小企業庁などの調査により、中小規模企業のIT投資が進んでいることが明らかになった。IT投資を進めた結果、多くの企業が「業務プロセスの合理化」や「生産性の向上」、「コスト削減」を実現し、プラスの効果を生んでいると実感している。こうした背景から、すでに企業のインフラとしてなくてはならない存在となったネットワークも注目を集め、さまざまなソリューションが提供され始めている。

ユーザー企業の実態に合った提案が求められ、新しいプラットフォームも登場

中小企業が実感
IT投資はプラスの利益に


 経済産業省が公表している「平成18年情報処理実態調査」によると、IT化を推進した結果、「作業効率の向上や連携の向上が図れた」「社内の情報活用効率が改善した」という中小規模企業が7割を超えている。また、IT化によって「既存の顧客に対し満足度向上が図れた」「製品・サービスの品質向上につながった」「営業・販売などの管理コストの削減ができた」など、5割近い企業が効果があったと認識している。さらに、中小企業庁が発表した「中小企業白書 2008年版」では、中小企業へのアンケート結果として、7割を超える企業が「ITによる効果が得られた」としている。なかでも、その効果として業務プロセスの合理化をあげる企業が多く、次いで生産性の向上、コストの削減の順となっている。このように、ビジネス現場ではITは必要不可欠、ネットワークは生命線と認識されるようになった。ネットワークが利用できなくなると、たちまちビジネス活動が停止してしまうという企業も少なくない。

シームレスに拡張できる
オンデマンドがキーワード


 ネットワークを活用した情報システムも、多岐にわたっている。業務アプリケーションなど、さまざまなサーバーでサービスが提供されるようになり、そのトランザクションを適切に管理したいというニーズも顕著になっている。また、業務アプリケーションのWeb化が進み、アプリケーション配信の安全性・高速性が求められている。その中で注目されているのが、ロードバランサーといえるだろう。

 ロードバランサーは「負荷分散装置」とも呼ばれているが、外部ネットワークからの要求を一元的に管理し、複数のサーバーに分散してそれらの要求を送信することで、アクセスの集中を防ぐ。スループットによってエントリーからエンタープライズまで幅広いソリューションが提供されているケースが多い。従来、ロードバランサーは、スループットごとに製品が異なり、システムの拡張に併せてロードバランサーもリプレースしてきた。しかしそのたびにアプリケーションや既存システムとの検証を行う必要があり、ユーザー企業はもちろん、システムインテグレーターの負担となっていた。もちろん、スループットに余裕のある一段上のグレードの製品を導入すれば、リプレースのタイミングを遅らせることも可能だが、導入コスト増となってしまう。

 新しいプラットフォームでは、数百Mbps(メガビット毎秒)から数Gbps(ギガビット毎秒)までの必要なスループットを提供するというものもある。つまりユーザーは、現在必要なスループットだけを利用し、システムの拡張に併せてそれを増強できる。同一のハードウェア/ソフトウェアを利用しているため、検証などは一切不要だ。

 しかも、1台で幅広いスループットを提供するため、販売パートナーにとっては製品在庫の圧縮にもつながる。これまでは、ユーザー企業に適した製品をそれぞれ在庫として持ち合わせていなければいけなかったが、スループットをライセンスによって変更できるプラットフォームであれば、1台が何役にもなる。このメリットは非常に大きい。

 今後もネットワークの利用シーンは広がる一方だ。09年には、モバイルWiMAXや次世代PHSのサービスインも予定されている。「WiMAX」とは「IEEE802.16」という規格をベースした高速無線通信規格の1つで、「Worldwide Interoperability for Microwave Access」のこと。FTTHやADSLなどのブロードバンド回線を敷設できない地域のラストワンマイルの接続手段として知られているが、最近、移動体通信用の規格も策定され、モバイル用途での高速通信を実現する規格としても期待されている。日本においては、ワイヤレスブロードバンド企画やウィルコムがサービス開始に向けて、さまざまな展開を行っている。これらの高速無線通信が実現すると、オフィスの中だけだった高速通信が、屋内外を問わずいつでも利用できることになる。ネットワークに関する注目は非常に高く、ネットワークを主題としたイベントも盛況だ。

 6月11日から13日まで、幕張メッセでネットワークコンピューティングに特化したテクノロジーやビジネスのリーディングイベントとして知られる「INTEROP TOKYO 2008」が開催される。会場では多くの最新技術が紹介されるにとどまらず、ビジネスを活性化させるための製品・ソリューションを具体的に検証できる場としても活用されている。セキュリティはもちろん、地球環境問題対策も含め、企業のみならず社会の課題までも包括したテーマを扱う。また、東京ビッグサイトでは、7月22日から24日までワイヤレス&モバイルビジネスを「R&Dとエンジニアリング」「セールス&マーケティング」の2軸で捉え、その進化と変化を発信し続けるワイヤレスジャパン2008を開催する。そのほか、ネットワークをテーマとしたイベントが目白押しとなっており、注目の高さがうかがえる。

 ネットワークというインフラは、なくてはならないものであると同時に、うまく活用することでビジネスを大きく成長させる可能性も秘めている。各種イベントでは、さまざまなビジネスチャンスのヒントが、数多くのベンダーから提供されている。明日のトレンドを肌で感じるだけではなく、今のビジネスにおいても「気づき」があるはずだ。これを機に、会場に足を運んでみてはいかがだろうか。

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