Special Issue

<ネットワーク特集>企業の生命線となったネットワーク

2008/06/02 19:56

週刊BCN 2008年06月02日vol.1237掲載

日本ラドウェア
ビジネスチャンスを広げる日本ラドウェアの展開
AMDベースの最新プラットフォーム「OnDemand Switch」

高パフォーマンスを求める
市場ニーズに対応


 「最近の傾向では、レイヤーの高いところでトラフィックをコントロールしたいというニーズが増えています。L7スイッチのなかでもアプリケーションロジックへの負荷が高まっており、それらの要求に応えるプラットフォームが必要となっていました。それがOnDemand Switchを開発したきっかけです」と、技術本部 ソリューション・アーキテクトの出雲教郎氏は語る。市場ニーズに応えるためには、製品の心臓部ともいうべきプロセッサを見直す必要がでてきた。そこで同社は、市場に流通しているプロセッサを調べ、パフォーマンスが最も高いAMD社の64ビットプロセッサを採用している。

 新プラットフォームにプログラムコードなどを移行したところ、同社製品比で2.5倍から10倍ほどのパフォーマンスの向上がみられた。現在のニーズはもちろん、これからも増えていくであろうアプリケーションロジックのニーズに応えられるOnDemand Switchの誕生である。

 「OnDemand Switchはスモールスタートも可能で、ビジネスの拡大とともにシームレスに拡張していくことができます。4年から5年先でも性能的なアドバンテージを保持し続けられるソリューションです」(出雲氏)とのことだ。

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L7スイッチ市場の
トレンドを追う


 「現在、L7スイッチはサーバの仮想化などでも活用されています。大規模なサーバを使い、VMwareをはじめとする仮想化技術を用いるお客様も増えています。より複雑化されるシステムにL7スイッチを使うことで、運用が容易になります」(出雲氏)。

 仮想化技術が広がることで、1つのサーバに複数のアプリケーションを実装するケースが増えている。サーバ内では、要求に応じてサーバ資源を動的に割り当てているが、サーバ外部からは、シンプルにアクセスさせたいという要求は高い。そこにL7スイッチが使われるというのだ。このような活用法は現在トレンドとなりつつある。

 一方、企業システムには高いセキュリティが求められ、自社内でインフラを構築することが困難になっている。運用・管理をアウトソースするためにデータセンターを活用するケースもあるが、事業継続という観点からバックアップサーバを自社内に構築し、障害時にはバックアップサーバを利用するというニーズも高い。ラドウェアでは、データセンター間のロードバランスを実現するグローバル負荷分散の技術を有している。これは、主に海外などで活用されてきた技術だ。同社では、この技術を応用しデータセンターとバックアップサーバを透過的に利用するソリューションを提供している。

 どちらの場合でも、パフォーマンスの高いOnDemand Switchは、最適なソリューションとなるだろう。さらに出雲氏は「今後、XMLベースの新しいレイヤーへの対応も必要になると思います。当社でもXMLに対するソリューションを持っていますが、これもOnDemand Switchのプラットフォームに統合していく予定です」と続けた。

 日本ラドウェアは、新しいテクノロジーを用い、常に市場の開拓を続けている。今後もその戦略は変わらないだろう。同社の「挑戦」は、新しい市場の潮流を生んでいる。


日本ラドウェア=http://www.radware.co.jp/