ロジテックがエレコムグループとなって3年が経過した。パソコンサプライメーカーからスタートして営業オリエンテッドな企業であるエレコムと、周辺機器メーカーとして知られるエンジニアオリエンテッドな企業であるロジテックという、文化や風土が全く異なる2社とのマッチングには、それなりの時間を必要とする。しかし、その2社が融合していくことで得られるシナジー効果は計り知れない。その第1弾となる製品がネットワークハブだ。

ユーザビリティにこだわり抜いたネットワークハブを投入へ
ネットワークに対する意気込み

ユーザーニーズに応え
ネットワークハブで新たな訴求を


 「2008年初頭くらいから、エレコムとロジテックがようやく馴染みつつある、という実感があります。今回、市場に投入するネットワーク製品を皮切りに、今年はさまざまな提案をしていこうと考えています」と、開発部 AVC課の上住哲也スーパーバイザーは語る。

 ロジテックは、08年6月アンマネジメントのネットワークハブ5シリーズ、14機種を一挙に投入。ネットワークハブのシリーズをリニューアルした。

 価格以外での差別化が難しいネットワークハブだが、「コンパクト」をコンセプトにこだわり抜いた製品ラインアップを拡充。クラス最小・世界最小などを実現し、ユーザーの使い勝手にフォーカスをあてた製品群は、ネットワークハブの新しい市場を開拓すると期待されている。

 「今回提供する製品は10/100 Base-Tの製品です。土壌としては、よりコンシューマに近い市場だと考えています。つまり、ユーザビリティやデザインといったエレコムのもつノウハウを投入することで、強みを発揮できると考えています」(上住スーパーバイザー)。

 ネットワークハブはもちろん、ネットワーク機器の多くは技術主体で企画・開発されたものが多い。そのため、メーカーごとの差別化もあまり行われず、製品のスペックや価格などで比較されるにとどまっていた。そういった市場に対し、一石を投じたのがロジテックだ。エレコムが持つノウハウを生かしつつ、製品の企画・開発を進め、まさにシナジー効果が最大となる製品群が誕生したのである。

 通常、ネットワークハブで新製品が一挙に投入されるケースは珍しい。それだけに、ロジテックの「メッセージ」は無視できない。これらの製品群を通じて、ロジテックはネットワークに対して、継続して取り組む姿勢を表明しているのである。

 その第1弾として、今回のネットワークハブ製品群が投入された。コモディティ化が進んでおり、差別化が難しいネットワークハブに対して、新たな価値を付加した。また、統一したコンセプトを持つ製品群を一挙に投入したことで、販売店が訴求しやすく、売り場を作りやすいというメリットも考慮している。枯れた市場かと思われたネットワークハブ市場を活性化させる起爆剤として、大きく期待される製品群である。

新たな付加価値として
「最小」にこだわり抜いた


 現在、企業や家庭には多くのネットワークが張り巡らされ、ネットワークハブの需要が高まっている。HDDレコーダーなどのデジタル家電にもネットワークが活用され、リビングなどでネットワーク機器を導入する家庭も多い。そのようななか、ネットワークハブのデザイン面が重視されるのは当然のことといえよう。ロジテックは、デザイン面に加え「小型」という付加価値を提案する。

 「ハブは“隠したい”“すき間に入れたい”ものだと思います。それならば、より小さい方がいいだろうと仮説を立てました。実際にリサーチしてみても、それを具現化するような製品は投入されていません。このような見方が、これまでのロジテックでは苦手としていた部分です」(上住スーパーバイザー)。

 このようなコンセプトを打ち出すまでは、非常に苦しんだようだ。「どうすればお客様に選んでいただけるのだろうか」という悩みは常に頭にあったという。しかし、営業や現場の声を集め、ミーティングを重ねることで、新しい道が開けたのだ。既成概念にとらわれることなく、真のユーザーニーズを追い求めることが、何よりも重要であったのだ。

 例えば3ポートのネットワークハブは、世界最小のネットワークハブである。ポートが両端に配置されており、結線したときも非常にシンプルなケーブリングが可能だ。実は、このモデルは、チップとしては5ポート使えるが2ポートを切り捨て、最小化を実現したものだ。ユーザーニーズにこだわり開発されたことが、ここからもわかるだろう。

 また、電源内蔵のモデルも投入されている。電源内蔵であれば、電源タップをスッキリと使うことができる。ACアダプタを使っていては、こういったニーズをすくい上げることが難しい。ユーザーニーズに真摯に応え、製品化できるのがロジテックの強みだ。

シナジーを生かした
売り場作りも強み


 また、これらのシリーズは、パッケージも統一された。すべてのモデルが外から見えるパッケージとなっている。

 

 「“製品の実物を見たい”というのがお客様の本音だと思います。ネットワークハブのパッケージの多くは、外から中身を見ることができません。お客様にその大きさを体験していただけるよう、パッケージも新しくしています」(上住スーパーバイザー)。

 見せるパッケージとしたことで、売り場作りにも有効に活用でき、販売店にとって顧客への訴求もしやすくなる。さらに売り場の面として訴求できるため、ユーザーへ認知しやすいというメリットもある。ここでもサプライメーカーとして培ってきたエレコムの強みが発揮されている。

 ロジテックは、これからもエレコムとのシナジーを生かした製品を随時投入していく。ネットワーク機器はもちろん、そのほかの展開も予定しているという。