Special Issue

<セキュリティソリューション特集>ユーザーニーズに応え、ソリューションを拡充(上)

2008/09/08 19:56

週刊BCN 2008年09月08日vol.1250掲載

NEC
ネットの私的利用による生産性損失を防止する
中堅ー中小向け!100万円から導入できるWebフィルタリング

 インターネットは多くの企業にとって不可欠なインフラとして成長したが、私的利用や情報漏えいといった問題も発生させている。そのような課題に対して、Web閲覧を制限するWebフィルタリングが有効なソリューションとして注目されており、需要を拡大している。しかし、主に中堅ー中小企業では「IT管理者の不足」や「初期費用の負担」がネックになり、導入が進んでいないのが実情だ。そのような中、Webフィルタリング市場のすそ野を広げるべく活発な展開を行うNECに話を聞いた。

なぜWebフィルタリングが必要か?

 多くの企業でパソコンの利用が一般化し、ほぼ一人一台で利用できるようになった。企業規模を問わず、インターネットなどのネットワークを活用しているというのが実情だ。

 インターネットの利用拡大に伴い、インターネットの私的利用という問題も生んでいる。Webの閲覧は業務に必要となっているが、業務に無関係なサイトを閲覧し、生産性の低下を引き起こすケースも少なくない。

 また、情報漏えいという視点では、社内情報を掲示板サイトに書かれて信用が失墜したり、フリーのWebメール利用も問題視されている。実は、これらの課題は、Web閲覧の制限を行う「Webフィルタリング」を導入することで解決できる。必要な情報は活用しつつ、生産性やセキュリティが確保できるのである。

 Webフィルタリングの必要性は、政府やベンダーの活動により浸透し始めている。実際、学校裏サイトや有害サイトに対しても、Webフィルタリングが有効なことから、携帯電話事業者はWebフィルタリングサービスを提供している。企業についても、インターネットの私的利用や情報漏えい防止など、Webフィルタリングで解決できる課題は多い。その有効性の高さから、大企業や官公庁を中心に、Webフィルタリングが導入されてきているのだ。

中堅-中小企業の課題を解決するアプライアンス

 一方、中堅-中小企業は、Webフィルタリングの導入には二の足を踏むケースが多い。その理由としてあげられているのが、導入コストや管理・運用工数である。Webフィルタリングは、管理サーバを設置しWebフィルタリングソフトを導入する。このような管理サーバの構築や運用が障壁となって導入が進まないのである。

 「これまでのWebフィルタリングは、サーバの構成やSI費用などが必須で、200-300万円ほどかかるソリューションでした。この費用が中堅-中小企業がWebフィルタリングを導入する上で足かせになっているのです。そこで、中堅-中小企業向けに低価格のWebフィルタリングアプライアンスを企画しました」と、第一システムソフトウェア事業部(セキュリティグループ)マネージャの森本幸匡氏は語る。

 Webフィルタリングアプライアンスは、約1100名までの利用が可能な小-中規模モデルが106万円から、約3000名までの利用が可能な中-大規模モデルが160万円からとなっている。中堅-中小企業をメインターゲットと据えているため、価格も抑えられており、これまで導入できなかった企業も十分導入できる価格帯となっている。

クリックで拡大 「WebフィルタリングソフトにはALSIの“InterSafe”を採用しています。価格が安い海外製品も候補に上がりましたが、国内のニーズに対し柔軟な対応が行えるInterSafeを選択しました。5年連続国内のトップシェア*を獲得していることからもわかるように、お客様から選ばれている製品でもあります」(森本氏)。

 WebフィルタリングアプライアンスのベースモデルとなるExpress5800/CSは、プロキシやロードバランサなどのネットワークアプライアンスであるExpress5800/InterSecシリーズのラインアップで、「簡単導入・簡単運用」を特長としている。

 「InterSecシリーズは簡単導入・簡単運用という特長の通り、初期設定は15分ほどで終了します。運用についてもWeb ベースのGUIを用意し視覚的にわかりやすくしています。

これが、中小企業など専任のIT管理者がいないところに導入が進んでいる理由の1つです。

クリックで拡大 また、アプライアンスで提供しているため、販売面においても提案しやすいソリューションになっています」と、クライアント・サーバ販売推進本部(商品マーケティンググループ)の高橋昌也氏は語る。

 実は今回のアプライアンスは、中堅-中小企業をメインターゲットとしているが、追加ライセンスを購入することで、数千人規模のユーザへも導入できる。

 今回のモデルを起爆剤とし、新規市場の開拓を狙うNEC。Webフィルタリングの需要を喚起し、企業の活性化にも貢献していく構えだ。

*富士キメラ総研「2008 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧」より


NEC=http://nec8.com/intersec/

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