Special Issue

<検疫ソリューション特集>さまざまな検疫方式が存在

2008/10/30 19:56

週刊BCN 2008年10月27日vol.1257掲載

NEC
検疫市場を広げるNECの展開
導入しやすさと運用性を重視した検疫システムを提供

 ネットワークは、ビジネスの生命線となった。基幹システムと末端のクライアントPCは、お互いがネットワークで接続され、企業システムを構築している。生産性や業務効率を向上するため、企業規模や業種・業態を問わず多くの企業がIT投資を続け、システムを増強している。それにともなって、ネットワークへのアクセスをもっと適切に管理したいというニーズが高まっている。

ネットワークのアクセス管理が最大の課題に

 企業ネットワークにおいて、新たな問題が表面化し始めている。日々拡大しているネットワークは、外部との接点を増やし続け、ぜい弱性が拡大。ウイルスやワームなどの感染経路が多様化し、その対策は急務とされている。その結果、ネットワークセキュリティが非常に重要なソリューションとして認知され始めた。

 企業のネットワークは、クライアントPCや業務アプリケーションサーバ、基幹システムをつなぎ、扱う情報のほとんどがネットワークを通過している。ネットワークは、企業内を流通する情報の大動脈となっているのだ。よって、ネットワークに接続できる機器がウイルスやワームに感染していたり、ぜい弱性がある場合、企業内を流通する情報すべてが危険にさらされることも十分考えられる。「ネットワークのアクセスを適切に管理したい」というニーズが高まっていくなかで、「検疫」ソリューションが求められるようになった。

「検疫」市場は中堅・中小企業まで拡大

 これまで「検疫」の導入が大規模企業を中心に進んできたのは、導入から管理・運用にいたるまで専任者が必要なうえ、ネットワーク環境の再構築など、導入コストを抑えるのが難しいといわれていたからだ。しかし、最近では導入・管理・運用面に重点をおいた検疫ソリューションも登場し、中堅・中小企業での導入が増加傾向にある。

 導入コストを抑えたいという課題については、クライアント・ファイアウォール方式や、ネットワークスイッチ方式など、多々存在する検疫方式の中で、自社環境との適切な組み合わせを選択することが必須だ。なかには既存のネットワーク環境を再利用できないために、再構築が必要な場合もあるからだ。

 NECの提供する検疫システムは、既存のネットワーク環境をそのまま活用するため、導入コストを抑えることが可能だ。さまざまな検疫方式ごとの特徴を知り、長所を既存のシステムに適切に組み合わせ、取り込むことで、より顧客ニーズに適したシステムをコストを抑えながら構築することができる。

 「検疫市場」のリーディングカンパニーとして知られているNECでは、自社内の構築実績に基づいた検疫ソリューションを元に、顧客ニーズに応えうるノウハウを蓄積しており、顧客や販売店からの支持を獲得している。富士キメラ総研の調査によると、NECは、国内検疫ツール市場で3年連続シェアNo.1、今年から新たに追加された不正接続防止ツール市場でもシェアNo.1を獲得している。これこそが、NECが市場のニーズをくみ取った製品を市場に投入できている証しだ。

InfoCage WORKSを拡大 アライドテレシスが加入

 「NECでは、ネットワーク機器やソフトウェアとの連携により、きめ細かなセキュリティを実現する協調型セキュリティというコンセプトを打ちだし、その具現化のために、“InfoCage WORKS”というパートナー制度を用意しました。最近では、この“InfoCage WORKS”を拡大し、国内スイッチ市場でトップクラスのシェアを誇るアライドテレシス様と協業して“InfoCage PC検疫 V2.0”との協調型セキュリティを実現しました」と、第一システムソフトウェア事業部(マーケティング・販促グループ)一宮隆祐氏は語る。

 InfoCage WORKSには、ジュニパーネットワークスやF5ネットワークスなども参加している。そこに「アライドテレシス」が加わることで、さらに提案の幅が広がる。「すでにアライドテレシス製のスイッチを導入しているというお客様にとっては、新たにスイッチを購入する必要がないため、“検疫”を導入する際に低コストで導入できるというメリットがあります」(一宮氏)。

ビジネスチャンスを広げるNECの展開に期待

 「InfoCage PC検疫 V2.0」は、ネットワークなどを変更することなく、導入できる検疫ソリューションで、管理サーバの二重化やバックアップの自動化など障害リスクを想定した運用支援に加え、マネジメントの強化も行われている。これまで「検疫」を導入していなかった企業の課題にも十分応えることのできるソリューションとなっているのだ。

 また「InfoCage PC検疫 V2.0」は、「企業が管理していないPC」を検出し、社内ネットワークへのアクセスを遮断することができるため、「ネットワークへのアクセス管理」を徹底したいという企業にも好評だ。企業の管理下にあるPCはもちろん、持ち込みPCをどのように管理するかという課題にも応えるソリューションである。

 さらに「InfoCage PC検疫 V2.0」では、検疫の有用期間や有効期間を指定することもできるため、出張や出先など、すぐにパッチ適用できないような環境にも柔軟に対応できる。これにより、パッチの適用などで業務が停止することなく、PCを利用することができるようになる。生産性を落とさず、セキュリティを確保する「InfoCage PC検疫 V2.0」は、「検疫市場」の起爆剤となりうるソリューションと言えるだろう。

 これまでネットワーク機器をメインに販売していた販売店にとっては、「InfoCage PC検疫」を活用することで、顧客にソリューションを提供できるため、新規市場の開拓も可能となり、ビジネスチャンスも大きく広がる。

 ネットワークとPC・サーバといったハードウェアに加え、ソフトウェアの技術・ノウハウの蓄積があり、その利点を生かしたNECの展開は、顧客/パートナー双方のメリットとなるだろう。「検疫」を新たなビジネスチャンスとするNECの展開に、市場からの期待は大きい。


NEC=http://www.nec.co.jp/infocage/