SpecialIssue

<プリンティングソリューション特集>中堅・中小企業への提案が伸長のカギ(下)

2008/11/24 19:56

週刊BCN 2008年11月24日vol.1261掲載

富士ゼロックス
「環境」に配慮しつつも「使い勝手」を犠牲にしない
生産性を向上しつつ、TEC値を低減した新機種を投入

プリンターには環境配慮とセキュリティは必須

 富士ゼロックスは、地球環境に配慮した取り組みを続けている。2007年11月に発表した『DocuPrint C1100』は、経済産業省主催の「平成19年度第18回省エネ大賞」で「省エネルギーセンター会長賞」を受賞。さらに、エコプロダクツ大賞推進協議会主催の「第4回 エコプロダクツ大賞 エコプロダクツ部門」において、『DocuPrint C2250』が複合機・プリンター業界初のエコプロダクツ大賞を受賞し、環境関連で2冠を実現している。

 「ビジネスで使うプリンターでは“エコロジー”と“セキュリティ”は必須の条件だと考えてます。だからといって“利便性”を犠牲にすることはできません。当社では、それらのバランスを考慮した商品作りをすすめています」と、プロダクトマーケティング部・国内マーケティンググループ・チーム長の天野慎吾氏は語る。

 富士ゼロックスは1週間の標準消費電力量を示す「TEC値」を積極的に公表している。これは「国際エネルギースタープログラム」の新適合基準として07年に導入されたもので、消費電力量を測る目安として用いられる。例えば、最大消費電力や待機中の消費電力がいくら低くても、実際の使用時にトータルでどれくらいの電力を消費するかわからない。「TEC値」を参考にすれば、瞬間的な消費電力で比較するのではなく使用時に近い数値として省エネ性能を推し量ることができる。

新商品2機種を投入しラインアップを拡充

 富士ゼロックスは、これまでのコンセプトを継承しつつ、ユーザーの声に応えた新商品『DocuPrint C2110』、『DocuPrint C3360』をリリースした。

 『DocuPrint C2110』は、『DocuPrint C525 A』の後継となるA4カラー対応で、カラー毎分18枚/モノクロ毎分20枚の印刷速度を実現。TEC値も1.46kWhとA4カラーレーザー機でもトップクラスの省エネ性能となっている。ユーザーの声に応え、自動両面印刷オプションなども用意され、用紙の節約に貢献するモデルとなった。

 「家電を参考に、使い勝手に配慮しています。例えばトナーカートリッジを装着して出荷しており、設置後に紙と電源を入れれば、すぐに使えるようにしました。これにより余計な梱包材が不要となり環境負荷低減にもつながります」(天野氏)。

 さらに『DocuPrint C2110』は、設置手順を解説する動画CDを添付。設置手順を動画で確認できるので、わかりやすく、設置時のトラブル解消にも寄与する。

 『DocuPrint C3360』は、『DocuPrint C3140/TD』『DocuPrint C3250』の後継機で、カラー/モノクロ毎分35枚の印刷速度を実現。TEC値も2.45kWhとトップクラスの省エネ性能を達成している。『C3360』では昨年投入したC2250同様バイオマスプラスチックや鉛フリーのシャフトなど環境に配慮した素材を採用しているほか、両面印刷機能を標準装備させ省資源にも貢献する。また、バーコード印刷モードや長尺用紙に対応するなど業種・業務でも十分活用できるプリンターとなっている。

> 「『DocuPrint C3360』は、高速機なので、大量印刷に伴う排紙許容量超過時のトラブルを防止するフルスタックセンサーの標準装備や、カラートナーがなくなった場合でもモノクロ印刷では継続使用できるように配慮しました。もちろん、ICカードによるセキュリティプリントにも対応しています」(天野氏)。

 新商品の追加により、ラインアップが強化された。これまでの商品作りのコンセプトは変えず、ユーザーの声に耳を傾けた結果、「エコロジー」「ユーザビリティ」「セキュリティ」などに応える商品群だ。提案の幅を広げた同社の展開にマーケットも注目している。


富士ゼロックス=http://www.fujixerox.co.jp/



スプライン・ネットワーク
「グリーンITアワード」を受賞
「TonerSaverJ2」が環境面で評価。トナー削減の技術革新が奏功

サーバー側での制御を改善

 企業向けソフトウェア供給会社のスプライン・ネットワーク(雪野洋一社長)が開発・販売するプリンタトナー消費量を削減するソフト「TonerSaverJ2」がこのほど、グリーンIT推進協議会(会長=庄山悦彦・日立製作所会長)創設の「グリーンITアワード2008」で「審査員特別賞」を受賞した。

 大半の受賞社が大手ITベンダーで占められるなか、創業7年目のベンチャー企業である同社が異例の栄冠を手にした。同ソフトと同じ分野の製品は国内に複数出回っている。

 こうした競合製品に比べ優位に立てた理由は、国内企業の要望を真面目に受けとめて手を施した技術革新にある。

 スプライン・ネットワークが「国内企業の要望を受けて改良を加えたレーザープリンタのトナー消費量を最大50%削減できるソフトウェア」(雪野社長)として「TonerSaverJ2」を発売したのは2008年7月。これまでは、開発元の英ソフトウェアイメージング社の「TonerSaver」を国内で「代理店販売」してきた。

 特出すべき特徴は、文字、図形、画像の解像度を落とすことなく、高品質な印刷出力を維持できること。レーザプリンタ付属のドラフトモードやトナー削減モードとは異なり、レーザープリンタの性能をネイティブで使用できるのは、「TonerSaver」だけと言える。

 導入効果として、例えば従業員数1000名規模の企業で、1日当たり1人10枚程度のカラー印刷を行う場合、「TonerSaver」の削減率を30%と設定し導入すると、年間のプリンタトナーコストを約1000万円削減することに成功しているケースもある。

 「TonerSaver」は、プリンタドライバの技術を応用し、独自のアルゴリズムを使ってレーザープリンタのトナー消費量をコントロールする。消費量は年間最大50%を削減可能だ。国内用に開発した「TonerSaverJ2」はこのほかにも、印刷ログを統計的に管理でき、詳細な印刷状況やトナー削減効果を把握できるほか、企業ポリシーに合わせてユーザー権限を柔軟に設定できるなどの機能が盛り込まれている。

クリックで拡大 グリーンIT推進協議会の講評には「審査員特別賞」として同社を表彰した理由をこう説明している。「独自のソフトウェアで、トナーを削減してもクオリティが高いようにコントロールすることは、無駄な資源を利用しないという観点で、大事なテーマである」。国内では「洞爺湖サミット」が開催されたのを機に、「環境配慮」の機運が高まっている。こうしたなかで、地味ながら着実に「わずかでも地球環境保護に貢献できる」(雪野社長)という信念と技術革新が受賞に導いた。

「メーカー」の立場で拡販開始

 「TonerSaver」はこれまで約1500社に約10万ライセンスを導入した。現在は英ソフト会社の「代理店販売」という形式ではなく、「メーカー」として代理店網を築き拡販を強化している。雪野社長はこう自信を深める。「ユーザー企業の自由度を高め、しかもプリンタメーカーを問わずマルチベンダー環境で使える」。このため、従来対象としてきた大企業に限らず、中小企業にも需要を拡大できると見込んでいる。

 国内市場に出荷されるプリンタの多くは、プリンタ内にカラー印刷を制限したり、両面印刷をデフォルトに設定する機能を搭載する制御ソフトに対応ている。しかし、企業の多くはプリンタがマルチベンダー環境にある。「TonerSaverJ2」はこの点でも優位性があるほか、機能面で自由度が高く管理の効率化にも対応でき、印刷ログ管理で「環境配慮」を社員に根づかせられるなど、手の込んだ機能が満載だ。今後は、こうした性能を訴求しつつ営業展開をする方針だ。


スプライン・ネットワーク=http://www.spline-network.co.jp/

[次のページ]

関連記事

<プリンティングソリューション特集>中堅・中小企業への提案が伸長のカギ(上)

おすすめ記事