Special Issue

<SaaS特集>動画配信の敷居を大幅に下げる

2008/12/10 19:55

週刊BCN 2008年12月08日vol.1263掲載

付加価値を生む「サイバーモーションASP」

文字・静止画に加え、動画で訴求力向上

 1998年の創業以来、インターネットを基盤としたソフトウェア開発を行ってきたサイバーステーション。インターネットソリューションカンパニーとして、システムインテグレーション、ASP/SaaSやネットワークセキュリティソリューションなど、企業に必要不可欠なインターネット運用を総合的にサポートするサービスメニューを揃えている。「当社はこれまで、さまざまな企業様とコラボレーションし、ノウハウを蓄積しております。動画コンテンツの配信では、大手キャリア様と協業し、サービスを支えてきました」と語るのは、代表取締役社長の福永泰男氏だ。

 動画は、情報配信の付加価値として非常に期待されている。企業が説得商品をプロモーションする場合でも、文字や静止画では限界がある。セミナーやイベントなどで実機デモを見せてPRするのは、それが最も分かりやすく効果が高いためであろう。

 メリットの多い動画配信だが、大手企業しか利用できていないのが実状だ。その大きな理由はコストにある。動画配信を実現しようとした場合、動画配信サーバーや動画管理システム、配信環境の整備などインフラの構築だけでも数千万円かかってしまう。それに加え、ユーザー環境に合わせた動画コンテンツへの変換システムなども必要だ。

コストを抑え動画配信を実現

 「HDDカメラやパソコンなどが普及し、動画コンテンツ作成・編集の敷居は非常に低くなっています。しかし、“動画配信”となると、その環境を用意できる企業は一握りになります。当社ではコンテンツのみ用意していただくだけで、動画の変換・管理・配信などオールインワンで行える動画配信システム“サイバーモーションASP”を展開しています」(福永氏)。「サイバーモーションASP」は、初期費用10万5000円~、基本月額費用3万6750円~でストレージ容量2GB(ギガバイト)、1秒当たりの配信容量0.5MB(メガバイト)で提供している。イニシャルコスト、ランニングコストを抑え、顧客企業の負担が非常に軽い。さらに、パソコンや携帯電話、iPhone 3Gなど、閲覧する端末に合わせた動画ファイルを作成することも可能だ。特定のキャリアのみに配信したり、公開期間を設定することもできる。顧客企業は映像コンテンツを用意するだけで、動画配信に必要なすべての機能が提供されることになる。また、ASP/SaaS型のサービスのため、導入後のシステム管理やバージョンアップなどのメンテナンスも不要だ。

 これだけ容易に動画配信できるようになれば、製品や観光のPRだけではなく、ショッピングモールのCMやライブイベントなどの情報配信、企業の投資家向け情報提供や代表者の挨拶など幅広く利用できるだろう。QRコードも出力できるので、DMやマニュアルといった紙媒体との連動も容易だ。

 「パートナー様にとっても便利なサービスになっていると思います。例えば、動画配信をしたいというお客様がいた場合、従来はインフラやシステムの設計/構築が必要でしたが、それも不要になります。つまりアプリケーションという部分に業務を集中できるのです。また、契約からサービスインまで最短1週間ほどで提供できますので、納期も短くなるでしょう」(福永氏)。

 「サイバーモーションASP」は、APIを無償提供しており、例えば別システムの管理画面に動画の管理画面を追加することもできる。このことはSIerにとって、新たなビジネスチャンスとなる。実際、多くのパートナーが「サイバーモーションASP」を活用し、ビジネスを拡大しているとのことだ。

 「サイバーモーションASP」は顧客企業にとってもパートナー企業にとっても、新たな付加価値を生むソリューションだ。新しい市場を創出するサイバーステーションに市場からの期待が集まっている。


サイバーステーション=http://www.cyberstation.co.jp/


管理・運用負担を減らしてコスト削減
情報セキュリティ対策、内部統制強化をSaaSで実現

ビジュアル化された新しいアプローチ

 企業を取り巻く環境は、刻々と変化している。個人情報保護法や日本版SOX法などのコンプライアンスの遵守はもちろん、取引先からの要求などもあるだろう。内部統制の構築や情報セキュリティ対策の重要性は、ますます拡大しているのだ。

 「PCログ監視ツールに必要性を感じている企業は非常に多いのですが、一方で導入を躊躇している企業が存在するのも事実です。その理由の多くは“導入・運用が難しそう"、“技術者が不足している”、“コスト面”などをあげているようです」と、OnDemandビジネス部・営業マネージャーの山本裕之氏は語る。

 ログ収集ソフトは、いわゆる生ログから、必要な情報をユーザー側が探し出さなければならないというのが一般的だ。有事に検索することはあっても、普段の情報システムの管理には使いにくいシステムであった。

 ソリトンシステムズの「InfoTrace-OnDemand」は、「いつ」「誰が」「何を」「どうした」ということをビジュアル化するため、とても把握しやすい。従来のログ収集ソフトによるアプローチとは違って、あらかじめ集計・分析した結果が出力されているため、必要に応じてドリルダウンし、詳細情報を確認できるようになっている。社内全体の利用状況を俯瞰して把握できるほか、特定のPCの動きまで絞り込んだ分析も可能だ。「“InfoTrace-OnDemand”は、10月にV2.0となりました。ユーザーインタフェースも一新し、これまでのログ監視ツールとは一線を画すソリューションとなっています。レポートのカスタマイズも可能で、特定アプリケーションやフォルダのアクセス履歴など、固有の条件を別途レポート化することもできます。情報漏えいにつながる操作だけではなく、PCの目的外利用も抑制でき、業務効率向上にも貢献します。簡単でわかりやすく、専任の管理者も不要です」(山本氏)。

SaaSのメリットを最大限に活かす

 さらに、「InfoTrace-OnDemand」は、SaaSで提供されるため、情報セキュリティ対策の導入や運用の負担を大きく軽減する。ユーザーは、ログを収集したいクライアントPCにエージェントをインストールするだけで、即座にログ収集システムを構築できる。

 通常、ログ収集システムを導入・運用するには、ログサーバーやバックアップ体制の構築、VPNの整備やログの解析、レポート作成などが必須で、負担が大きい。セキュリティだけに時間や人のリソースを割くことが困難な状況にもかかわらず、セキュリティシステムの管理・運用工数は増大の一途をたどっている。しかし、SaaSであれば、必要なサービスだけを利用し、ほかはアウトソースすればいい。これで、専用設備を不要とし、導入・運用負荷を大幅に軽減することができるのだ。

最小5台から数万台まであらゆる企業がターゲット

 また、「InfoTrace-OnDemand」は、財団法人マルチメディア振興センターが実施する「ASP・SaaS安全・信頼性に係る情報開示認定制度」の認定を受けているので、ユーザーも安心して利用できるだろう。

 コストに関しても、SaaSは有利だ。「InfoTrace-OnDemand」は、ログを収集するクライアントPCの台数×PC1台あたりの月額料金しかかからない。最小5台から利用できるため、中小企業から提案できるソリューションである。

 「お客様は数名から数千人という実績があります。なかには、最終的に1万人規模で活用するために導入を進めているお客様もいらっしゃいます。中小企業だけではなく、大企業においても、普段の運用・管理負荷を軽減させたいという思いは同じだということでしょう」(山本氏)。

 「InfoTrace-OnDemand」は、提案の幅を大きく広げる商材といえそうだ。既存のパートナー企業はもちろん、新しいパートナーも育ち始めている。Security as a Serviceを提言するソリトンシステムズのSaaSは、今後さらなる伸長を遂げることは間違いないだろう。今後の展開から目が離せない。


ソリトンシステムズ=http://www.soliton.co.jp/
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