2008年夏以降、市場は一気に冷え込んだ感がある。サブプライムローン問題に端を発した世界経済の混乱の影響は、すでに日本にも及んでいる。こうした状況下において、必要性は感じているものの、直接的に利益を生まないIT統制ソリューションに対する投資は冷え込んでいるようだ。一方で、TCOの削減まで実現するIT統制ソリューションへの注目度は急速に高まってきている。

管理工数を減らし人件費を抑制

TCOの削減に寄与するIT統制ソリューション

 「リーマンショック」の影響は、IT統制ソリューションまで及び始めている。株式市場の混乱や景気の後退などのあおりを受け、企業はIT統制への投資を控える傾向が強まってきた。IT統制は、企業には必要であると認識されているものの、直接利益を生むものではない。そのため、先送りにされてしまっているというのが現状だ。これは、IT統制ソリューションに限ったことではなく、市場全体として同様の傾向が現れている。企業の投資も冷え込んでおり、新規顧客の開拓は非常に困難な状況になりつつある。

 しかし、管理工数の削減やコンプライアンスの徹底などを実現することで、トータルコストを抑えることができるソリューションは、注目されており、導入も進んでいる。

 企業には、目に見えないところでコストがかさんでいることが多い。数多く導入されているクライアントPCの構成維持だけ考えても、パッチ管理やアンチウイルスの定義ファイルのチェック、業務に直接関係のないアプリケーションがインストールされていないかなどの管理を手作業で行っていては、管理工数ばかりが増加し、管理者は本来の業務を遂行することができない。クライアントPCの構成維持を強制的に行うツールを活用すれば、その間必要だった管理工数は不要となり、管理者は本来業務に集中できることになり、ひいては人件費の削減にもつながる。もちろん、導入にはコストがかかるが、運用まで考慮した場合、どちらのほうがコスト削減になるかは明白だ。

コスト削減を目的にライセンス管理が注目

 また、コンプライアンスという観点では、ソフトウェアのライセンス管理が注目されている。ライセンス管理はソフトウェアの違法コピーを撲滅することだけが目的ではない。ライセンス体系を見直すことで、ソフトウェアライセンス費を抑えることにもつながるのだ。無駄なコストを抑えるためにも、ぜひしっかりと管理したい。

 さらには、セキュリティが向上することにより、情報漏えい事故などのセキュリティインシデントの発生も抑えることになる。つまり、IT統制ソリューションを導入することによって、これまで蓄積してきた企業ブランドを守りつつ、コスト削減も実現するのだ。

 「統制」というと、財務会計システムの強化に注力しがちだが、財務会計システムに入力する情報を作成しているクライアントPCを無視することはできない。企業システム全体を俯瞰し、クライアントPCの統制を実現する必要があるだろう。

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