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<特集「IT統制とセキュリティ」>「コスト削減」がキーワードに

2009/01/20 19:56

週刊BCN 2009年01月19日vol.1268掲載

 キャッシュフローを重視する企業が増加している。この厳しい状況下で新たな投資を促しても、導入に結びつくケースはまれだ。しかし、生産性の向上やコスト削減を実現するソリューションは、その限りではない。「セキュリティ」ソリューションのなかにも、生産性の向上やコスト削減を謳ったソリューションが増加しており、市場としても新たな局面を迎えている。

不況感の強い今だからこそ、TCOの削減がビジネスチャンスに

TCOの削減にも「セキュリティ」は重要

 世界的な不況のあおりを受け、財布の紐を締める企業が増えてきている。出費を抑え、売り上げを最大化し、この不況を乗り切ろうとしているのだろう。しかし単純に投資を抑えるばかりでは、先細りになるのは目に見えている。こういう時代だからこそ、競争力を高め、生産性を向上し、TCOを削減していく努力が求められているのだ。

 生産性の向上やTCOの削減と「セキュリティ」は、一見したところ無関係のようにも見える。しかし双方とも、企業システムを「見える化」した上で適切に把握し、対策を取るためのソリューションだ。目的は異なるが、同一のデータを参照している。特にIT資産管理ツールやロギングツールは、セキュリティや生産性の向上、TCOの削減に活用できることから、注目が集まりつつある。また、これらのツール類はIT統制などにも幅広く活用できることから、企業システムの基盤を支えるツールとして導入され始めているのだ。

 「セキュリティは保険と同じ、今すぐ導入する必要はない」と考えられることが多い。しかし、少し見方を変えて、状況を正しく把握し、生産性の向上やTCOの削減に寄与するツールと考えれば、顧客に提案しやすい商材になる。

さまざまな提案でビジネスチャンスをつかむ

 これらのソリューションは、さまざまな形でユーザーに提供されている。従来は、社内にインフラを構築し、管理サーバーを設置するという方法が多かったが、最近では「運用をアウトソーシングしたい」というニーズも高まっており、ホスティングやSaaS・ASPなどの商品が注目を集めているようだ。いずれにせよ、パートナーと連携していかなければ拡販することは難しい。これからは、メーカー同士の連携で付加価値を高め、多くの販売パートナーにとって扱いやすいソリューションとしていくことが重要になるだろう。

 今回の特集では、パートナーのビジネスチャンスを広げる提案を行っているベンダーを集めた。こういった提案を活用することで、システムインテグレーターなどのビジネスチャンスも広がっていくだろう。


各社のソリューション
エムオーテックス / クオリティ / Sky

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