ストレージ機器ベンダーが順調に業績を伸ばしている。データ量の増大にともない、ユーザー企業の間でストレージを導入する動きが顕著になっているためだ。なかでも、SMB(中堅・中小企業)で需要が高まっている。この不況下にあっても、ストレージへの投資はユーザー企業にとって欠かせないもののひとつといえそうだ。

業績伸長のベンダーが相次ぐ

追い風受けるストレージメーカー

 ストレージメーカーのSMB向け事業が拡大傾向をみせている。主要メーカーでは、NECや日本ヒューレット・パッカード(日本HP)などが前年比で2ケタ成長を記録。EMCジャパンは5倍以上などといった具合だ。コンシューマ向けへの提供がメインのアイ・オー・データ機器では、SMBを対象とする法人向けストレージが販売台数ベースで大幅に伸びた。また、RAIDコントローラのメーカーも好調な業績をあげている。アダプテックジャパンでは、昨年10-12月の売上高は前年同期比で10%増となり、安定した伸びをみせている。

 各社の事業が好調だったのは、ユーザー企業にバックアップのニーズが高まっていることが大きな要素として背景にある。このニーズに対し、ストレージを軸としてサーバーやソフトウェアを組み合わせた「ストレージソリューション」を提供できる環境が整ったわけだ。

 このような観点に立てば、ディストリビュータやSIer、ネットワーク系販社などといった機器メーカーの販売代理店に位置づけられるベンダーが、ストレージ機器をメインに据えて積極的に販売する動きが活発化する可能性が高いとみていいだろう。実際、拡販に意欲を見せ始めているSIerも出てきているようだ。

“周辺機器”からソリューションへ

 ダイワボウ情報システムは、ストレージ事業を柱の一つとして、事業拡大に力を注いでいる。大塚商会では、アイ・オー・データ機器との共同開発で製品化した「TWIN NAS」シリーズを前面に押し出してSMBのバックアップニーズを取り込んでいる。日立システムアンドサービスの動きも見逃せない。ファイルサーバーやストレージを仮想化技術で統合化し、データ管理の効率化を支援する「ストレージ統合ソリューション」を今年2月からメニュー化することによって、既存のファイルサーバーやストレージの最適化を促す提案を進めている。

 こうした状況を踏まえると、ストレージに重きを置いてSMB市場で新規顧客を開拓する動きが本格化しつつあるということだ。従来はサーバーの“周辺機器”と位置づけられていたストレージだが、ベンダーが製品・サービスを前面に押し出す戦略を打ち出せば、新たなビジネスチャンスが生まれることになる。最近では、ストレージを活用することによってコスト削減に役立てたいと考えるユーザー企業が出始めている。こうしたことに着目し、企業経営の見地からのアプローチを行えば、大きなシステム案件の獲得に結びつく可能性を秘めているということになる。


アダプテックジャパン / EMCジャパン

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