Special Issue

<ストレージソリューション特集>SMBのストレージ需要高まる

2009/05/14 19:56

週刊BCN 2009年05月04日vol.1283掲載

アダプテックジャパン
新技術を駆使した製品で大きく飛躍 販社支援の強化でパートナーシップ深耕を実現

さらなる基盤作りの製品を投入 業界初の省電力機能も投入

 RAIDコントローラでトップに君臨するアダプテックジャパン。この厳しい景況にあって、着実に業績を伸ばしているベンダーだ。SATA(シリアルATA)とSAS(シリアルアタッチドSCSI)のハードディスク両方に接続できる「Unified Serial(ユニファイド・シリアル)」コントローラが一段と注目を集めたほか、そのコントローラのなかでも「Adaptec RAID5シリーズ」と「Adaptec RAID2シリーズ」に業界初となるRAIDコントローラで省電力の制御が可能な機能「インテリジェントパワーマネージメント」を搭載したことなどにより大きな飛躍を遂げている。

 アダプテックジャパンの代表取締役で北アジアセールス担当の稲葉知彦氏は、「08年は顧客企業様に最適なソリューションを提供できた年だったといえます」と振り返る。昨年3月に「5シリーズ」7機種を市場に投入。1.2GHzのコアスピードを持っているインテル製「Intel IOP348 I/O プロセッサ」を採用したほか、インテルとの協業でチップレベルのパフォーマンスを最適化することにより、業界でも最高レベルのパフォーマンスを実現している。これにより、ウェブホスティングや監視カメラシステム、医療画像用システムといった帯域重視のアプリケーションに最適な製品に仕上がっている。

 「5シリーズ」に加え、昨年5月に発売したのが「2シリーズ」2機種。ミラーリング対応でエントリーレベルに特化した新製品として、サーバーやOSに依存しない先進のハードウェアRAID機能で高いパフォーマンスを実現している。ソフトウェアをベースとしたエントリーベルのシステムとは一線を画したRAIDソリューションだ。

 さらに画期的なのが、消費電力を最大70%まで削減できる「インテリジェントパワーマネジメント」。管理ソフトウェアの「Adaptec Storage Manager」でタイマー管理が可能。パフォーマンスを落とすことなくハードディスクベース・ストレージの熱効率を向上させる機能だ。ほかにも、ハードディスクからディスクへのバックアップやメールアーカイビング、ファイル、プリンタ用サーバーのようなアイドル時間の長いアプリケーションに最適なソリューションが提供可能となる。この機能を、「5シリーズ」と「2シリーズ」のそれぞれに無償で搭載したことも使い勝手をよくすることにつながっている。

売上高は順調な伸び示す 10-12月は前年同期比10%増に

 こうした製品群の提供開始で効果を発揮したのが、SIerやシステムビルダーなどとのパートナーシップ深耕だ。稲葉氏は、「販売パートナー様には、非常に多くのソリューションを提供していただきました」と説明する。実際に、同社のビジネスは四半期ごとに成長。昨年10-12月は、「前年同期(07年10-12月)と比較して10%増と安定した伸びを示しています」と自信をみせている。

 具体的な販売パートナーとの協業については、各SIerと製品・サービスの創造に向けたミーティングを綿密に行っている。「それぞれの販売パートナー様に適したビジネスを模索し、ユーザー企業様に最適なソリューションのラインアップを増やしています」という。その数は10-20社におよぶ。また、ユーザー企業の問い合わせに対応するサイトを日本独自に設置することで、ユーザー企業が抱える課題を具体的に解決するなどの取り組みも進めている。これにより、ユーザー企業の声を収集し、販売パートナーにとって売りやすい環境を整えた。

 今後も「ハードウェアとアプリケーションを含めたソリューションを創造していきます」と強調し、「医療や映像など1つの業界に特化しているSIerなどとパートナーシップを図ることにも力を入れていきます」とする考えを示している。

 ハードウェアメーカーへのOEM(相手ブランドによる製品供給)に加え、SIerやシステムビルダーとのパートナーシップを築いたアダプテックジャパンがさらに飛躍することに注目が集まる。


アダプテックジャパン=http://www.adaptec.co.jp/

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