東芝情報機器(TIE)が大きく変貌を遂げようとしている。新しいビジネスモデルの開発に向けた組織体制を構築。サーバなどハードウェアとマーケットクリエーション、カスタマサポートの“三位一体”を加速していく。顧客企業ニーズへの迅速な対応と、販売パートナーとの協業強化に一段と力を注いでいく方針だ。東芝ブランドのハードウェアを中核に、高品質なサポート体制、ISVとのアライアンスによるソフトウェアを拡充。先行き不透明な市況のなかで、「ワンストップソリューション」の提供により成長路線を敷設する。

“三位一体”の強化で顧客企業ニーズへの最適対応を追求

08年度は厳しい市場環境ながらも台数ベースでPCが前年度を上回る

 昨年秋からの世界同時不況により、国内IT業界は顧客企業の投資抑制などでダメージを受けている。そんな厳しい状況のなか、東芝情報機器(TIE)の業績は2008年度(09年3月期)の売上高こそ前年度比マイナスだったものの、「パソコンの台数は前年度を上回りました。ソリューションも、受注ベースで前年度を超えています」と、末澤光一社長は強調する。

 TIEが堅調な業績をあげ得たのは、市場環境が厳しくてもそれをはねのける底力をもっているからだ。「今年に入ってから持ち直しました」と、末澤社長は自信をみせる。実際、昨年秋から落ち込んだものの、年度末の3月に前年度と同程度の水準にまで盛り返した。

ハードとアプリ、CSの一貫提供 全社で“踏み込んだ”提案を行う

 昨年度末に成長路線敷設の素地が固まり、「今年度に多くの案件を獲得できる準備は整っています」と、末澤社長が断言する。それだけに、TIEは一段と飛躍を遂げる可能性が高い。

 改善策として今年度に踏み切ったのが組織再編である。「サーバ・ネットワーク開発推進部」「マーケットクリエーション部」「カスタマサポート推進部」といった組織の連携強化を重視した。この三位一体の強化により、新ビジネスモデルを開発できる体制を構築。加えて、システムソリューションを手がける組織やPC部門を含めて付加価値ビジネスを模索している。末澤社長は、「全社的に顧客企業様に踏み込んだ提案を行えるようにしました」と説明する。

 具体的には、サーバ・ネットワークやパソコンといったプラットフォームソリューションやNGN時代に対応したネットワークインテグレーション、個人情報対策、J─SOXといったコンプライアンス・セキュリティ対策や事業継続計画、さらには業務アプリケショーションなどを組み合わせることで実現できるソリューションを顧客企業のニーズに合わせて創造する。「そのためには、各組織が顧客志向で取り組まなければなりません」(末澤社長)。

 例えば、カスタマサポートのスタッフが顧客企業の要求に対応するといった具合だ。案件を獲得する際に営業担当者とともに顧客企業を訪問して最適提案を行う。それぞれのリソースを統合し、組織が横断的な連携を図ることで「プラスワンの提供を進めます」と、末澤社長はアピールする。

販売パートナーの増加を重視 TTBSとの連携強化も視野に

 今年度から新しい組織体制を構築したTIEが一段と成長するために重視しているのは、「販売パートナー様とともにビジネス拡大を図ること」と、末澤社長は訴える。パートナーシップを一段と深めるための策を講じていくのだ。「販売パートナー様の変化に応じた支援プログラムを策定します」と、末澤社長はいう。

 また、末澤社長は「販売パートナーの増加も追求します」としている。その一つとして視野に入れているのが、関連会社でMFP販売の東芝テックビジネスソリューション(TTBS)との連携強化。過去のTIEによるTTBSへのMFP事業移管にともない、TIEの販売パートナーでTTBSの販売パートナーになったケースもあるからだ。TIEの販売パートナーだった経緯があるため、「今後は、MFPなどプリンタもネットワークデバイスの一つと捉え、顧客企業様へ一緒にアプローチする体制を構築したい」考えを示す。販売パートナーが売りやすい環境を整備するため、「開発」といった上流工程で連携し、製品間で親和性を持たせることも検討していく。

 こうした取り組みでTIEが目指すのは売上高1000億円規模だ。末澤社長は、「来年度には確実に達成します」と意欲を燃やしている。


東芝情報機器=http://www.toshiba-tie.co.jp/


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