Special Issue

<セキュリティソリューション特集>ユーザーニーズに応え、新たなセキュリティ製品が次々と登場

2009/06/11 19:56

週刊BCN 2009年06月08日vol.1287掲載

デジタルアーツ
フィルタリングの新たな価値を創造
トータルセキュリティソリューションプロバイダーへ

 国産のウェブフィルタリングソフト「i-FILTER」を開発するデジタルアーツ(道具登志夫社長)。同社は、ウェブフィルタリングメーカーから「セキュリティソリューションを提供する会社」へと領域の拡大を進めている。「当社は通信において企業内に出入りする情報を制御・管理し、安全・安心な環境を作ることをコンセプトにセキュリティ製品を拡充してきました」と高橋則行取締役最高執行責任者(COO)は話す。同社は今「ウェブ」「メール」「エンドポイント」の三つを軸にセキュリティ製品の強化を進め、「統合管理製品」で1つに集約した「セキュリティソリューション」として提供する計画を進行中だ。統合管理製品では、ハードに依存せず、連携するすべての製品を透過的に一元管理できるようになり、TCO(総保有コスト)の削減や、IT統制における統一された統制フロー、PDCAサイクルを回せる環境を実現できる。今年11月を目標に統合管理製品の開発に着手するとともに、3つの軸も併行して開発、進化させる。

クリックで拡大 「ウェブセキュリティ」を担保する「i-FILTER」が目指すのは「新プロキシの価値創出」だ。同製品はWebフィルタリング機能を持つ商用プロキシとして、5,500社の企業・公共団体への導入実績がある。「今後はアンチウイルス製品、負荷分散装置など、インターネットアクセス環境に不可欠な製品を統合管理する製品に進化します」(高橋COO)と展望を語る。実際に、今年第2四半期発売の「i-FILTER」Ver.7.5でカスペルスキーラブスジャパンのアンチウイルスソフト「Kaspersky Anti-Virus for Proxy Server」との連携が実現する。メールセキュリティを実現する「m-FILTER」は「アンチスパム」「アーカイブ」、ポリシーにより受発信可否を判断する「フィルタリング」といった一連の製品群を揃える。市場では証拠保全、災害時復旧などでアーカイブ製品の需要が旺盛な状況だが「1-2年後には、企業内で運用管理規定を徹底できるフィルタリングの需要が伸びる」と高橋COOは見込んでいる。まず第3四半期にアーカイブ製品を「Microsoft Exchange Server」に連携させ、フィルタリング導入促進の糸口にする。また、企業では「持ち出しPC」など「エンドポイント」のセキュリティも対処すべき課題だ。昨年、同社はエンドポイント管理製品で「i-FILTER」の関連製品「i-FILTER EndPoint Controller Ver.1」をリリースした。第2四半期リリース予定の「Ver.2」では、「i-FILTER」との連携によるウェブフィルタリングやログ管理により、社内同等のセキュリティを実現する。ゆくゆくはスマートフォンなどでの展開も視野に入れる。

 今、統合計画は2年目を迎えた。「2010年の第2四半期をめどに完遂し、ソリューションをデリバリできる体制を万全にします」と高橋COOは意気込みをみせている。


デジタルアーツ=http://www.daj.jp/

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