IT投資抑制の影響は、伸び盛りだったx86(IA)サーバーの販売にも悪影響を及ぼしている。この低調な市場環境を、各サーバーメーカーはどう分析し、いかにして活性化しようと考えているのか。BCNはその答えを探るべく、サーバーメーカー上位5社のキーパーソンに集まっていただき、座談会を開催した。順風が吹く市場環境ではないが、各メーカーは、決してマイナスには捉えていない。ポジティブで攻めの気持ちを持ち続けている姿勢が伝わってくる。

パートナー販売がシェアNo.1の源、今年度も「Team NEC」を推進──NEC 浅賀氏
ネットサービス企業の需要は底堅く、文教市場も好調に推移した──デル 布谷氏
パートナーが欲している支援内容とは何かを知ることができた──富士通 芝本氏
x86サーバー事業の注力ポイントは明確。仮想化一本で攻めた──IBM 諸富氏
ITに対する企業の信頼感を高めたい──日本HP 宮本氏

「パートナー様との共栄を」

上位5社が一堂に「昨年度はチャレンジグな年」

 ──まずは簡単な自己紹介と、担当のミッションをお聞かせください。

 浅賀(NEC)
 今年4月に新設されたITプラットフォームマーケティング本部に所属しています。本部全体のミッションは、x86サーバー「Express5800」ほかハイエンド系サーバー、ストレージ、ソフトウェアなどプラットフォーム製品の商品マーケティング及び販売支援で、私は商品・ソリューション企画とマーケティングを担当しています。

 布谷(デル) デルは2009年第一四半期にワールドワイドで組織を再編し、顧客の業種・規模に合わせて「コンシューマ」「SMB(中堅・中小企業)」「公共」「ラージ・エンタープライズ」の4区分に組織を分けました。そのなかで、私はラージ・エンタープライズ部門に所属し、日本市場におけるx86サーバー「Dell PowerEdge」のプロダクトマーケティングを統括しています。マーケティング施策の立案・実行から、営業支援などを担当しています。

 諸富(IBM) IBMはマーケットをグローバルで地域別に七つに区分しているのですが、日本はそのなかの一地域に位置づけられています。私はその日本市場での、x86サーバー「IBM System x/BladeCenter」のセールスプロモーションから営業、品質・製造管理まで、事業全体を統括する責任者を務めています

 宮本(日本HP) x86サーバーのマーケティング全般を担当しています。ブランドとしては、「HP ProLiant サーバー」と「HP BladeSystem」になります。「厳しい」という言葉が多く出そうな市場環境ですが、本日の座談会は、なるべくその言葉は使わないように話を進めていければと思っています。

 芝本(富士通) x86サーバーなどのプラットフォーム製品の販売促進を担当する本部に属し、商品企画や営業支援、セールスプロモーション、パートナー様サポートが主な担当領域です。今日は、各メーカーさんと市場を活性化するための、よい情報交換の場になればと思い参加させてもらいました。

 ──最初の質問は、昨年度を振り返っての感触です。チャレンジングな(厳しい)市場環境だったと思いますが、皆さんが肌で感じられたマーケットの現状を聞かせてください。

 浅賀(NEC)
 世界同時不況の影響は、昨年末から本格的に感じ始めました。ユーザー企業は、業種や企業規模に関係なく、利益確保のためにシステム構築を延期したり、凍結したりするケースが出てきました。ただ、そうはいっても比較的影響が出にくい業種もありましたね。ネットサービス企業はその一例でしょう。販売店様でいえば、医療など特定の業種に強いパッケージやソリューションをお持ちのベンダーさんは、この不況下でも好調だったように思います。

 布谷(デル) デルの日本法人は、SMBと製造業向けビジネスが大きな柱となっておりますので、厳しい経済環境であることはかなり実感を持って受け止めました。お客様のIT予算自体が絞られているため、パートナー様からも、我々メーカーへできるだけ低コストに抑えるような提案や価格の提示について要望が高まりました。ただ、NECさんと同様にネットサービス企業の需要は底堅く、加えて文教マーケットは好調でした。2008年も決して、悪いことばかりではありませんでした。

 諸富(IBM) NECさん、デルさんとほぼ同じ感触で、非常にチャレンジングな年だったなというのが実感です。各メーカーさんとも、こんな市場環境でも得意の業種ではしっかりとビジネスを伸ばしておられると思います。IBMは金融機関向けビジネスが強いですから、たとえ金融危機でも金融向け事業は堅調でした。それと、流通業も悪くなかったですね。ソリューションでいえば、セキュリティや「J-SOX法」対応などの“義務的”なIT投資が必要な分野は影響を受けにくかったです。「どうやって儲ければよいかを一緒考えて欲しい」とパートナー様から以前にも増して強い要望を頂いた時期だったとも感じています。

 宮本(日本HP) ITをコスト削減・業務効率化のツールに使う場合と、“生産材”として使う場合で市況は違ったと思います。コスト削減・業務効率化の用途では、特にリプレース案件などでプロジェクト延期の傾向がありました。ただ、ITインフラを活用してサービスを提供するネットサービス企業、ハイパフォーマンス・コンピューティングなど生産材用途の案件は、投資意欲が旺盛でした。またブレードの需要は大いに拡大しています。この傾向は今年も続くとみています。

 芝本(富士通) 前半は意外なほどに好調だったんですが、後半はやはり苦しかったですね。ただ、悪いことばかりではありません。この経済環境は、パートナー様が“気づき”を与えてくれた時間だと思っています。パートナー様からは、「ビジネスを掘り起こす材料が欲しい」「新たな情報システムを導入する意欲がないユーザーに購買意欲を掻き立てるシナリオを用意して欲しい」という声をたくさん頂きました。パートナー様が欲している支援内容が何かを得ることができたんです。次の成長に向けてステップアップできる良い機会だったと前向きに捉えています。

パートナー支援施策が軸 仮想化、ブレードは共通注力点

──そのような市場環境にあって、何にポイントを置き、どのような施策を打ってきましたか?

 芝本(富士通)
 パートナー様の声をもとにした取り組みです。ユーザー企業・団体様の要望は多種多様になっていて、パートナー様はその要望を聞くだけで時間がかかっていました。長いケースでは一週間とか…。要望を迅速に聞き取り、その要望に適したソリューションを提案するまでの時間をなるべく縮めることが求められていたのです。富士通はそれを解決するための仕組みを用意しようと、ソリューションのひな形を作りました。「こんな業種・業務、企業規模の場合はこんな提案」「コスト削減を渇望されているユーザーさんにはこのソリューション」という具合に。一昨年から直販部隊で展開し始め、昨年度下期からパートナー様向けに提供し始めています。パートナー様からは「(ユーザー企業に)提案できるネタがあるので有難い」と好評価を頂いています。メニューはかなり増えたので、今後は内容を精査して絞り込もうと考えています。

 宮本(日本HP) 日本HPは三つの柱を定めました。まず魅力的な製品の開発、ラインアップの拡充です。とくにニーズの強いブレードのラインアップはかなり増やしました。二つ目は価格の透明性の強化。値段を明確にして透明性を打ち出すとともに、昨年は大幅な価格改定も数回実施し、コスト競争力を高めました。これはITの投資対効果を明確にして、信頼性を高めるための活動でもあります。そして、最後がパートナー様の教育・トレーニング。なかでも、ブレード専用パートナープログラムの内容を充実させ、パートナー様が「HP BladeSystem」を活用し魅力的なシステム統合を提案できるように、技術、営業の両面で支援させていただきました。このプログラムは2004年に始めて、参加パートナー様は立ち上げ時の13社から約40社に増加しています。ブレードは難しいものではなく、幅広いパートナー様に販売いただきやすい商品である、ということの理解も進んでいると思います。 「HP BladeSystem」の全販売台数のうち約70%がパートナー様経由で販売されており、ますます成長を見込んでいる状況です。今後もブレードには注力していきます。

 諸富(IBM) 昨年のIBMのx86サーバー事業の注力ポイントは明確です。仮想化一本で攻めました。システムを仮想化することでのコスト削減効果と、運用の手間軽減メリットを徹底的に訴えました。パートナー様から高い評価を頂いたのは、「Zodiac」や「CDAT」などのツールです。CDATは、ユーザー様の情報システムを24時間365日、自動巡回して監視し、どの程度の統合効果があるかを可視化できるツールで、「提案する際に有効」との声をたくさん頂いています。一方で、ブレードの販売パートナー制度では、パートナー様のビジネスで利益拡大につながるようにインセンティブ(販売奨励金)を手厚くするなど、パートナー様のビジネス拡大につながる施策を講じました。おかげさまでブレードのパートナー様経由の販売は好調で、パートナー制度への参加ベンダーさんも50社に達しました。ブレード、仮想化は昨年も強力に推進しましたが、今年もカギになります。

 布谷(デル) 昨年の大きな施策として、9月に港区三田に設置した「ソリューション・イノベーション・センター」があります。本社がある神奈川県川崎市と比べてより立地条件が良く、まず多くのお客様と直接コミュニケーションをとれる機会が増えました。そして実機を使ったデモやワークショップを通じて、デルが提唱する「効率的なITインフラ」を実感いただくことにより、具体的なイメージや運用方法をお客様と共有できたと自負しています。ソリューションとして最も注力しているのが仮想化。主要仮想化テクノロジーの「VMware」「Hyper-V」「Xen」を全て定型デモとしてデルのハードウェアと組み合わせて構築し、その場で運用方法を体感できるようにしました。

 仮想化関連のビジネスについては、対前年比70%増で推移するほど好調です。そして、iSCSI対応仮想化ストレージ製品「Dell EqualLogic」を新たに投入できたこともポイントでした。サーバーとストレージを組み合わせたトータルな仮想化インフラがより低コストでご提案できるようになり、他社さんとの差別化を図ることができたかなと。

 浅賀(NEC) 昨年度前半は「環境対応」に重点を置き、省電力サーバー「Express5800/ECOCENTER」を発表、おかげさまで多くの賞をいただきました。後半は、仮想化を活用したサーバー統合によるコスト削減を中心に展開してきました。中でも、クラウド時代を意識したサーバー事業の新戦略を昨年11月に発表しました。「Express5800」は豊富なモデルを用意していますが、その多種多様なシリーズを、新たにデータセンター向けの「DataCenterLine」と現場設置向けの「DataStationLine」に区分しました。サーバーの利用形態により、どのモデルが適しているかを分かりやすく説明するためです。クラウド・コンピューティングが話題にあがる機会も増えましたが、その一方でまだまだ現場に設置するニーズも強いとNECは考えていて、このような区分けが現状では最も適切と判断しました。販売店様からは「分かりやすくなった」「提案しやすくなった」と高い評価を頂きました。販売店様の支援では、認定制度としてブレードとシンクライアントのメニューを用意しました。すでに展開中のftサーバー認定制度を含めて、累計1400人以上の認定者がいます。NECは昨年、x86サーバー市場で13年連続トップシェア*1、2年ぶりにパートナー満足度ナンバーワン*2を奪還しました。ユーザー様だけでなく、販売店様からも高い支持を得られたことは昨年度で最も嬉しいことでした。

市場の回復は来年か 教育と提案メニューのパターン化がカギ

──では、今年度。IT産業全体はマイナス成長する可能性が高いですが、x86サーバー市場はどの程度成長するとみていますか?

 浅賀(NEC)
 市場全体でいえば、昨年度以上に難しいでしょうね。昨年度比で若干のマイナスとみています。その反動が来年度以降にくるのかなと。

 布谷(デル) 私は結構大きなマイナス成長になると感じています。台数に関して言えば5%程度の減少と推測しています。

 諸富(IBM) おそらくフラットか、2%程度の減少になるのかなと。ただ、それは金額ベースで、台数は付加価値の高い提案をすれば、プラスに持っていけるはずです。

 ──そうなると、引き続きチャレンジングな年になりますね。どのように戦っていこうと考えていますか。

 浅賀(NEC)
 やはり販売店様との協業になります。NECは販売店様向けに「Team NEC」というメッセージを発信しています。NECと販売店様が一つのチームとして市場を活性化させ、ビジネスを拡大させたいという思いがこの言葉に詰まっています。

 具体的な施策としては三つです。NECはオフコンの時代から販売店様と共存・共栄してきました。販売店様のビジネスを経営・事業戦略から一緒に考えて、情報を共有し共に成長することを目指しています。今年度もそれを再認識して徹底する。そして二番目は、ビジネスを伸ばすうえで武器になる“弾”を販売店様とともに創造すること。販売店様が持つ強みの製品・サービスや得意分野と、NECが持つオリジナル製品をうまく組み合わせて、競争力のあるソリューションをつくれるようにすることです。そして、最後が教育・トレーニング。ブレードサーバーや仮想化など最近のシステム提案では必須となった新しいテクノロジーを、販売店の営業/SEの皆様が安心して提案できるような技術習得の場の提供が必要だと考えています。現在、ブレードやシンクライアント、ftサーバーで展開している認定制度を仮想化へ広げようと計画しています。

 布谷(デル) ターゲットとする顧客セグメントは2008年度と大きな変更はありません。ITに対して購買意欲が高いネットサービス企業とHPC分野の開拓、そして民間企業においては、仮想化を使用したITインフラ統合に継続して力を注ぎます。それとプラスアルファということでは、もう一度UNIXからx86サーバーへのマイグレーションを訴えていくつもりです。インテルの最新CPU「Nehalem」の性能がかなり高いことと、ストレージを含めたITインフラの全体最適化モデルが完成されてきたからです。販売促進施策としては、直販、パートナー様経由の販売に関係なく、商談スピードを速めるための策を講じます。

 このような時代ですと、有益な情報をいかに迅速にタイムリーに提供できるかがメーカーには求められていると思います。例えば、お客様への提案に必要な、想定できる10個の課題があるとします。コンフィグレーションとか消費電力、サーバーとストレージをつないだ場合のパフォーマンスや、バックアップや監視はどうするとか。想定できる10個の課題を事前に、例えば9個はメーカー側で検証して公開していれば、お客様もパートナー様も提案時に検討する項目がぐっと少なくなるため、商談スピードはぐっと速まりますよね。

 「推奨できる提案構成」を標準化・パターン化し、ホワイトペーパーを含めた技術情報・検証結果データも含めて迅速に公開する。地味かもしれませんが、今一度大事なことだと思っています。

 諸富(IBM) IBMの売上高のうち直販ボリュームはほんのひと握りで、大半はなんらかの形でパートナー様との協業でなりたっています。つまり、IBMはパートナー様あってのIBM。それだけにパートナー様との協業・共栄を主軸に施策を打つ姿勢はこれまでも、これからも変わりません。

 パートナー様はメーカーに何を期待しているか。それを考えた時、やはり儲けにつながるビジネスを展開できるように支援してくれるかどうかだと思うんです。だから、IBMはパートナー様に利益を出していただくための施策にこだわります。

 加えて、強固なブランド力を保つことも重視します。私はブランドを形成する要素は、「価格」「納期」「品質」の三つだと思います。価格では、お求め安いように市場でのプライスリーダーを目指します。品質が悪ければ、後々にご迷惑がかかることになりますから、高品質は必須。納期を確実に守ることも絶対条件です。この3要素をしっかりと強くします。

 ソリューションでいえば、クラウドです。昨年は「次世代エンタープライズ・データセンター戦略」を打ち出し、データセンターでの利用に適したモデル「IBM System x iDataPlex」を出荷しました。今年は昨年以上に「iDataPlex」をパートナー様と一緒に販売したいと思っています。

 宮本(日本HP) 先にお話しした通り、業務効率化の用途と生産材用途で分かれると思うんですね。業務効率化の用途には、さらに価格競争力のある製品を出すことが重要だと思います。日本HPは今年4月に、開発コード名Nehalemと呼ばれていた最新のインテルXeonプロセッサーを搭載した新世代機を一挙に11シリーズ投入しました。当製品は従来比で約二倍のパフォーマンスと拡張性を誇り、お客様、パートナー様のコスト削減の強力な武器になると思います。また、サーバーでできることをもっと訴えていきたい。サーバーの機能は半分も使われていないというのが実感です。「HP ProLiant」に標準で搭載している機能をもっと活用することで運用が軽減できることをお伝えしていきたいと思います。日本HPは5月、市ヶ谷本社内にデモ実施や実機に触れられる「HP 実機体感センター」をつくりました。この施設をユーザー様やパートナー様に積極活用していただきたいと思います。

 生産財用途の分野については、日本HPがパートナー様にお約束するのが、昨年度と同様に新しい魅力的な製品を開発するということ。製品ラインアップを今年も拡充します。ユーザー企業様のさまざまな要望に適したモデルをもっと増やし、パートナー様とともに突き進むという意気込みでビジネスを展開します。

 芝本(富士通) 中堅企業以下の市場でどれだけ販売ボリュームを増やせるかが最大の焦点だと思っています。この層では、PCをサーバーとして活用している企業が少なくないと思います。大企業よりも開拓が難しいマーケットかもしれませんが、ここをパートナー様とともに切り開いていきたい。先に述べたように、提案・ソリューションメニューのひな形をもっと質の高いものにして、パートナー様が提案しやすい体制を築きます。これまで、パートナー様の声に的確に応えられたかといえば、そうでなかった部分もあったと反省しています。しかし、今後は違います。パートナー様には「何でも構わないので富士通に相談してください!」と申し上げていくつもりです。

 製品では差別化するのがなかなか難しくなっていますが、「品質」や「静音性」や「省電力」など富士通のオリジナル技術が詰まったプロダクトの開発にこだわっていきます。可能であれば、製品の買い替えサイクルを早めるような仕組み、メッセージも発信して市場全体を大きくできればとも考えています。

シェアにこだわる姿勢鮮明「ピンチをチャンスに変える」

 ──各社、シェアにはこだわりますか。

 芝本(富士通)
 すでに、2010年までに国内シェアで30%のシェアを獲る、という目標を当社の社長が発表しています。挑戦的な目標かもしれませんが、この言葉には「富士通は変わるんだ!」という市場へのメッセージで、パートナー様には「充実した支援をお約束します」という意味がこもっています。不退転の決意で臨みます。

 宮本(日本HP) シェアというのは、たくさんのユーザー様にご愛顧頂いている証。当然、こだわります。x86で30%、ブレードで50%シェア獲得を目指します。

 諸富(IBM) 会社全体のポートフォリオのなかで、中長期的な戦略分野に定めているプロダクトのシェアは重視します。だから、ブレードはシェアにこだわります。

 布谷(デル) 会社全体としてグローバルで世界シェア1位を目指します。日本国内においては、今年は成長市場でいかに実績を増やせるか、また注力製品カテゴリでいかに台数・売上げを伸ばせるかということのほうが重要であると考えております。そうすればシェアは自ずと付いてくると考えています。

 浅賀(NEC) x86サーバーは大半が販売店様経由で販売されています。シェアが伸びれば、それは販売店様に支持されたということ、すなわち販売店様のビジネスが伸びたという証だと思っています。ですから、シェアにはこだわり、トップシェアを堅持します。

 ──最後に今年度のキーワードを一つ挙げてください。

 芝本(富士通)
グローバルです。世界に通用するベンダーになるための製品・体制を築くことがミッションですから。

 宮本(日本HP)地味ですが、「基本に立ち返ること」です。グローバルのスケールメリットを活かして魅力的な製品を開発し、日本のお客様の多様なニーズにお応えするために、パートナー様との関係を徹底的に強化します。
 諸富(IBM) クラウドを敢えて挙げます。コンピュータの歴史のなかで、IBMは常に市場のけん引役を担ってきました。クラウド・コンピューティングでもIBMが先行し、パートナー様と共にその役割を果たしたいと思っています。

 布谷(デル) アイデアです。どうすれば効率的なITインフラが構築できるか、というアイデアをいかに出せるかが勝負になると。そしてそのアイデア力、アイデアの差が、競合力となるはずです。

 浅賀(NEC) この経済環境の中、お客様の意識はコスト最優先かと思いますが、市場が上向いたときにきちんと成長するためのIT投資を今から販売店様と提案していきたいと思います。それには現場力。ピンチをチャンスに変えるヒントは現場にあると思っています。販売店様の現場に密着して、次のステップに向けた新しいチャンスを見つけたいですね。

 宮本(日本HP) シェア拡大も大事ですが、私はITに対する企業の信頼感を取り戻したいと考えています。数年前の不況時には、ITで生産性を上げようという機運が生まれましたが、今は全く逆で、コスト削減項目の上位に挙げられてしまっている。それでは寂しい……。各メーカー様やパートナー様と協力して、ITの魅力を伝えてもっと市場全体を活性化できればと思っています。