インターコムは、中堅・大企業に対し、国内トップの実績を誇るFAXサーバーソフトを積極的に拡販する。インターネットや電子メールが普及した現在でも、依然として、受発注書やDM(ダイレクトメール)の送信にFAXが広く利用されており、FAXサーバーのニーズは増え続けている。同社のFAXサーバーは、業界で唯一の冗長化機能を搭載。対応回線数も多く、他のアプリケーションとの連携性が高い。販売するSIerなどへの認知度をさらに向上させる策を講じることなどにより、年間販売本数を従来の1.5倍に伸ばすことを目指す。

回線数、冗長性、簡易な導入を売りに

法人向け「まいと~く」が好調

 同社のFAX製品としては、313万本の出荷実績を誇り主に家電量販店で販売しているパソコンFAXソフト「まいと~くFAXシリーズ」が知られ、ビジネスコンシューマ向けに定着している。

 ところが、売上高ベースでみると、法人向けFAXサーバーソフトが、SIerなど販売パートナー経由で販売が増え、実績でパソコンFAXソフトを上回っている。

 FAXサーバーソフトには、基幹業務と連携しFAX送受信を自動化できる最大8回線で比較的安価な「まいと~くFAX Server 6」と、最大72回線まで拡張できる大規模回線対応の「まいと~くFAX Center」などがある。

 同社のFAXサーバーソフト全体をけん引してきたのが同Server 6だ。このソフトは、業務システム側にCSVファイルを受け渡しするプロセスを追加記述するだけで複数の宛先へ発注書やDMなど異なる帳票をFAX送信できる。市販の販売管理、電子帳票、CRMパッケージなど、業務ソフトの部品としても使われている。

SMB事業部 パートナー営業部課長 綟川勇一氏

 綟川勇一・SMB事業部パートナー営業部課長は「まいと~くFAX Server 6は、1回線から利用できる。多く売れているのは、2~4回線の領域。クライアント側のソフトとサーバー側の管理ツールで構成し、FAX送受信の履歴が追えるオールインワン型の製品で導入がしやすい」と説明する。

冗長化対応の大規模FAXサーバー

 一方、FAXサーバーソフトの最上位製品に位置づけられているのが、ERP(統合基幹業務システム)や販売管理など業務システムと連携できる「まいと~くFAX Center」だ。アナログ回線、INSネット1500、INSネット64に対応し、最大72回線のFAX送受信が可能。「これまで当社のFAX製品は、中小企業を商圏としてきた。しかし、まいと~くFAX Centerは中堅・大規模向けを開拓できる製品だ」(綟川課長)という。

 個人情報保護法が施行され、FAX送受信に関するセキュリティ対策や誤送信防止などが求められてきた。このため、複合機などを通じて一斉送受信するのではなく、履歴管理や一元管理できるFAXサーバー製品のニーズが高まってきている。しかも、FAX業務は障害や停止が許されない。

 同Centerは、FAXサーバーで国内初の「自動リカバリー(復旧)」機能を搭載している。「大規模ユーザーからの要望が多く、当社独自の機能として搭載した」(綟川課長)。同機能は、稼働するサーバーに障害が発生しても、あらかじめ用意したホットスタンバイの代替機に障害前と同じ状態を維持しているため、すべての機能を自動で引き継ぐことができるのだ。

金融系市場を開拓

SMB事業部 事業部長代理 田中英之氏

 同Centerが発売されたのは、昨年3月。これ以降、「大回線のネットワーク構築を得意とするSIerに同Centerを中心に販売網が広がった」(田中英之・SMB事業部事業部長代理)という。例えば、FAX利用が不可欠で大量に帳票類を送受信する金融系のシステム構築を得意とする複数の有力SIerから、同Centerを企業へ提供する機会が増えている。

 同Centerは、業務システム側でFAX番号などの宛先情報と送信する帳票の保存場所を指示したCSVファイルを出力するだけで、その指示に従いソフト側で自動的に送信する。

 オプションのAPIを利用すれば、業務システムの一機能としてFAX送受信が行える。「企業によっては、新たなシステム開発ができないケースもある。同Centerは、既存システムに組み込めるため、SIer側でも、こうしたケースで提案しやすい」(田中事業部長代理)と、大手SIerに限らず、プリンタや複合機を販売し、ネットワーク関連のシステムを扱う事務機ディーラーにとっても「商機」をつくることができる製品といえる。

純国産の信頼でパートナー強化へ

 そこで同社は、「パートナーとなるSIerなどの営業担当者やSE(システム・エンジニア)に対し、商品内容を知ってもらうための勉強会やセミナーを頻繁に開催している」(田中事業部長代理)という。同社開催のこうした説明会に参加したベンダーに対しては、販売展開で必要な営業ツールなども提供している。

 また、競合に外資系メーカー製品が多いなかにあって、同社製品は“純国産”で開発からユーザーサポートまでのすべてを同社で行っている。綟川課長は「通信カードも国内メーカーのものを使用している。システム構築に際しての問い合わせや、仮にシステム障害が起きても迅速に対応できる」と、ユーザー企業が最も気にする「安心・安全」を約束していると強調する。

 同社は今年12月、1月に続いてプライベートショーを東京・秋葉原で開くほか、音声応答(IVR)システム構築ソフト「まいと~くVoiceFAX Center」などを含め、コールセンター向けイベントに参加し、認知度を高めパートナーが売りやすい環境をつくっていく。