カスペルスキーと丸紅情報システムズ、デジタルアーツの3社は2009年9月に国内トップクラスのシェアをもつURLフィルタリング「i-FILTER」とウイルス対策製品「Kaspersky Anti-Virus for Proxy Server」を組み合わせたゲートウェイ向け統合ソリューション「i-FILTER Powered by Kaspersky」の販売を開始した。丸紅情報システムズのプラットフォーム&ネットワーク事業本部の小谷真一・NSソリューション部長、デジタルアーツの営業部パートナー営業第一グループの今井賢司グループマネージャー、カスペルスキーラブスジャパンの川合林太郎社長の3氏に、今回の協業について話を聞いた。

丸紅情報主導で協業
複合化する脅威への対応で

 ──協業を発表されたのが2009年5月でした。改めて、この協業の経緯を教えてください。

川合林太郎
社長
 小谷
 当社は、02年にデジタルアーツ、05年にはカスペルスキーラブスジャパンと販売代理店契約を結び、ともに1次代理店の立場です。アンチウイルスソフトは10年以上にわたって販売しています。URLフィルタリングも黎明期から販売してきましたが、それぞれの単独製品だけではウェブからの脅威を防御しきれないため、顧客の要望もあり、アンチウイルスソリューションと組み合わせて提供しようと3社の協業を企画しました。

 ──協業の体制について教えてください。

 今井
 当社は、カスペルスキーからアンチウイルスの技術提供を受けて、製品を開発しています。アンチウイルスを組み合わせ、ネットワークの負荷を減らし、インストールの簡略化やファイル・ログ・レポートを統一化して利用できるとなると使っている顧客に対してもメリットが出てきます。

 川合 英語が1バイトなのに対し、日本語は2バイト表記。あいまいな表現などもあり、海外製のソフトでのフィルタリングは難しい部分があります。国産製品であるデジタルアーツとアンチウイルス専業である当社の製品を組み合わせることで、マルウェアとか不必要なコンテンツを排除すれば、インターネットの「グリーン化(安全化)」につながるので、メーカー同士の協業にはメリットがあります。その製品を販売・サポートする企業として、丸紅情報システムズとの3社により、高効率で効果が期待できる協業になったと思っています。

ソリューションの引き合い高まる
ミッド層より上のレイヤー中心に


今井賢司
営業部
パートナー営業第一グループ
グループマネージャー
 ──製品の販売は昨年9月からでした。どのようなユーザーをターゲットとし、現在の引き合いの状況はいかがですか。

 小谷
 当社の「i-FILTER」の販売実績は1000社ほどあります。何万人規模のユーザー企業さんも含め、相当引き合いをいただいております。一般企業なら年明け1月に予算取りし、4月以降で導入するという形になりますから、来期以降は非常に楽しみです。当社では適正な利益を得て、販社にも適正な利益を配分し、かつユーザー企業にもコストメリットが提供できる体制を目指しています。これからも引き続き力をいれます。

 今井 ターゲットはミッドマーケットより上の層を狙っています。先行する競合他社が市場を席巻していますが、クライアントとゲートウェイに同じ会社の製品を入れても機能、性能が高まるわけではなく、何の意味もありません。何よりこの組み合わせは、インターネット環境のリスクを的確に削減するベストソリューションとして、特にIT部門の方々には新鮮味を感じていただけると思っています。

 ──協業についての今後の方向性はどのようなものでしょうか。

 小谷
 アプライアンスと、回線まで含めたサービスモデルといったものを今後、具体的に進めていくために3社で協議していこうと思います。また、現在はLinux版ですが、Windows版での展開やインストーラからの一元管理機能の追加を視野に入れています。

小谷真一
プラットフォーム&
ネットワーク事業本部
NSソリューション部長
 ──販売パートナー様にメッセージをお願いします。

 小谷
 私どもとカスペルスキーのビジネスを盛り上げていただければなと思います。私がいかにカスペルスキーが好きかというと、名刺にカスペルスキーのロゴを入れており、時計もカスペルスキーです。ボールペンはカスペルスキーとデジタルアーツ、携帯電話にはデジタルアーツのストラップを二つつけています。まずは好きにならないと売れません(笑)。

 今井 私どもの製品とカスペルスキーの製品は市場での評価が高く、品質的に間違いなく一番優れた製品が組み合わさっています。お客様の満足度を高めるうえでも、ご安心して売っていただければと思います。

 川合 アンチウイルスは何がいいのか見えにくいのですが、製品販売に携わっている販社の方々が、売りやすい環境をつくっていかなければなりません。今年から本部のウイルスアナリストが常駐し、日本特有の脅威の解析や情報提供を強めることで、認知度を高める活動にも力を入れていきます。