情報システムを安全に運用するうえで必須となる機器の一つにUPS(無停電電源装置)がある。停電などの電源トラブルが発生した際に、通常の電源の代わりに電力を供給する。シンプルな機能だが、情報システムの重要性が増せば増すほど、その必要性は高まってくる。目立たない黒子役だが、そのビジネスポテンシャルは高い。

 UPSとは「Uninterruptible Power Supply」の略で、日本語では「無停電電源装置」と訳される。情報システムを稼働させるためには電力が必要で、その供給がストップした時点で、情報システムも止まる。サーバー内にあるデータ損失の約40%が、電源トラブルに起因するというデータもある。

 大切なデータを守るために、情報システムを二重化したり、バックアップソリューションを導入したりすることも大切だが、停電など万一電力が共有されなかった時の対策が重要になる。それをサポートするのがUPSだ。社会インフラとして機能する公共性の高い情報システムには例外なく導入されている。情報システム以外にも、医療機器や放送機器などで活用されるケースは多い。

 UPSは、簡単にいえば、停電など電源まわりに不測の事故が発生した時、稼働中のコンピュータに電気を供給する装置だ。その時間は機種によって異なるが、数分から数十分が一般的。UPSの電源を利用できる時間は限られているが、この間にユーザーはシステムを安全にシャットダウンするなどの措置を講じることができる。電源コンセントとサーバーなどの情報機器との中間に設置し、異常が発生した時にUPSが備えるバッテリが稼働し、電気を一時的に供給する。

 UPSは、「給電方式」と「出力容量」が各モデルを見極める指標になる。給電方式は、「常時商用給電方式」「ラインインタラクティブ方式」「常時インバータ給電方式」という3種類があり、一般的なのが常時商用給電方式で、安価で軽量・小型なのがメリットだが、電力を切り替える際に数秒の時間がかかるデメリットがある。その逆が「常時インバータ給電方式」と呼ばれるタイプで、切り替える際のタイムラグがないのがメリットだが、機器の価格は高額になりがちだ。

 さまざまなタイプがあるUPS市場。そのマーケット規模は、矢野経済研究所によれば、09年は容量が大きいモデルほど販売台数が落ち込んで低迷したが、10年は回復傾向にあるとみられる。

 この市場の主要メーカーは、エーピーシー・ジャパン(APCジャパン)、オムロン、東芝、三菱電機、富士電機システムズで、国内には十数社のメーカーが存在する。そのなかで、トップシェアを握っているのが、APCジャパンだ。

 APCジャパンは、システムを1秒たりとも止められないようなミッションクリティカルなシステム向けモデルから、家庭での利用に適した低価格のパーソナルタイプまで複数のモデルも取り揃えるラインアップに強みをもつほか、全国を網羅する販売網を組織化している点も特徴だ。

 今後、情報システムの重要性は高まり、データ量も増え続けるだろう。データセンターも今以上に豊富になるはず。そうなればなるほど、UPSの需要は高まる。目立たない存在だが、情報システムの構築・運用に関する商談の際には必ず提案できる機器といえよう。ITベンダーにとっては、取り扱う製品の一つとして検討する価値がある。

エーピーシー・ジャパン
中容量UPSの拡販に向けて
販売パートナー支援を強化

妻鹿行雄
UPS事業部
チャネル営業本部本部長
 電源保護・管理ソリューションを展開するエーピーシー・ジャパンは、UPS(無停電電源装置)のリーディングベンダーとして、世界市場で10年以上連続トップシェアを獲得している。製品ラインアップは、家庭用からサーバー用、データセンター用まで豊富なモデルを揃えているが、そのなかでも同社が今、拡販に力を注いでいるのが中容量のUPSだ。すでに販売パートナー向けに販促ツール「電源トラブル ベストアドバイスブック」の提供を開始し、今後は販売パートナー支援サイト「Partner Club APC」の機能を拡充する。さまざまな業種・業界の幅広い用途に対して、中容量UPSを提案しやすい体制を整える予定だ。顧客に対して、エーピーシー・ジャパンとディストリビューター、そして販売パートナーが三位一体となったアプローチで、UPSの新たな市場開拓を推進していく。

世界トップシェアの実績
豊富なラインアップを展開


 世界市場で10年以上にわたってトップシェアを維持するエーピーシー・ジャパンのUPSは、製品力の高さはもとより、グローバルでの事業規模を背景にした製品供給能力やコストパフォーマンス、家庭用からデータセンター用まで豊富な製品ラインアップを揃えているのが特徴だ。どれも他社の追随を許さない。

 全国各地に広がる販売パートナーの存在も大きい。妻鹿行雄・UPS事業部チャネル営業本部本部長は、「1996年に日本法人を設立して以来、日本市場での販売網拡大に取り組んできた。現在では5社のディストリビューターを中心に、約1万社の販売パートナーに当社のUPSを取り扱っていただいている。製品だけでなく、ディストリビューター、販売パートナーとの連携による三位一体での販売体制が強みだ」と語る。

 エーピーシー・ジャパンは、こうした製品力と販売力をベースにしながら、現在、中容量のUPSに焦点を当てた拡販に注力している。妻鹿本部長は、この狙いを「市場の中心はまだ3k以下の小型UPSだが、仮想化によるサーバー統合が進んで、中容量UPS(5kVA以上)へのニーズも高まってきている。また、従来のサーバー用途だけでなく、ストレージやネットワーク関連機器など、新たなニーズの掘り起こしも期待できる」と説明する。

 同社の中容量UPSのラインアップは、主力の「Smart-UPS RT」をはじめ、冗長化構成に対応した「Symmetra RM/LX」、データセンター向けの「Smart-UPS VT」を展開。とくに「Smart-UPS RT」は、5kから6k、8k、10k、14k、18kまでと、多様なニーズに対応する豊富な容量タイプを揃えている。また、UPS電源管理ソフトウェア「PowerChute」は、仮想OSも含めて幅広いOSをカバーしており、サーバー統合で複数OSが混在している環境でも、中容量UPSの監視や管理を効率よく行うことができる。


販売パートナー向けに
新たな販促ツールを提供


 中容量UPSの拡販にあたっては、「これまでの小型UPSは売り切り販売でもよかったが、中容量UPSになると、顧客ニーズに合わせたソリューション提案が必要になってくる。そこで、販売パートナーに向け販促ツールを充実させ、中容量UPSを積極的に拡販できる体制を整えていく」(妻鹿本部長)という。

 販売パートナーには、販促ツール「電源トラブル ベストアドバイスブック」を提供。このツールでは、「コスト」「電源障害」「拡張性」「管理負荷」という4項目の電源トラブルの事例とその対策を解説するとともに、中容量UPS製品を紹介している。あわせて、サーバー、ストレージ、ネットワークのシステム全体の電源を1台のUPSで保護する「1システム1UPS」を紹介するなど、まさに電源管理ソリューションに関するベストアドバイスブックとなっている。

 今後は、中容量UPSの拡販に向けて販促ツールをさらに充実させていく。来年初めには、「ビジネスバリュープロポジション(BVP)ツール」を提供する予定だ。このツールでは、ネットワーク機器、FA、監視カメラなど、用途別に最適なUPSの導入パターンや具体的な構成例を紹介して、販売パートナーのソリューション提案を強力に支援する。

 さらに、「Partner Club APC」サイトでのUPS製品検索機能も強化する。現在提供している機能をより使いやすくするとともに、容量や価格帯など、ニーズに応じて最適なUPS製品をすばやく選定できるようにする。UPS本体に加え、バッテリー機器などの付属製品も選定できるようにしていくという。

 妻鹿本部長は、「IT系の販売パートナーにこうした販促ツールを提供することで、サーバー用途に加えてストレージやネットワーク関連機器へのUPS提案を促進する。一方で、製造系や医療系の販売パートナーに向けては、UPSの業種展開を推進していく。今後もディストリビューター、販売パートナーと協力を密にして、新たなUPSのマーケットを開拓していきたい」と拡販への意欲をみせた。

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【問い合わせ先】
株式会社エーピーシー・ジャパン
●URL http://www.apc.com/jp/
●TEL 03-6402-2001
●E-mail jinfo@apcc.com