エーピーシー・ジャパン(APCジャパン、内藤眞社長)は、国内データセンター(DC)向け事業が好調だ。拡張性が高いUPS(無停電電源装置)の需要が増加。昨年度(2009年12月期)の売上高が前年度の2倍近く伸びた。また、モジュール方式の冷却システムによる省電力にもニーズが高まっており、「今年度も約2倍の成長を遂げる」(内藤社長)との方針を示す。

 DCは通常、フロア全体の空調や電力を操作する大型装置を構築し、サーバーの熱処理や省電力化を図っている。この方法は、サーバーがフロア一杯に配置されている場合には効果的で、これまで多くのDCが採用してきた。しかし、最近ではサーバー集約で物理的なスペースが縮小。しかも、世界同時不況の影響で、IT投資抑制の観点からサーバーの台数を増やさない動きも出ている。広いスペースにもかかわらず、サーバー配置が少ないケースが多い。

 こうしたなか、同社は少ないサーバーラックにUPSが適していることをDCに提案。しかも、高い拡張性やサーバー統合への対応などを訴えることで需要をつかんだ。内藤社長は、「この不況下でシステムを大規模にリプレースするDCは少ない。“ミニマムスタート”で増強できることをアピールした」という。また、熱処理への対応に関しては、サーバーラックの列に設置するモジュール方式の冷却システムを提供している。

クリックで拡大 アセスメントに関するコンサルティングサービスを提供する専門組織も設置。消費電力の30%削減などをDCにコンサルティングしている。TCOについては、約2分の1に削減できる利点があることもアドバイスしている。これにより、コンサルティングサービスではあえて同社の製品を勧めてはいないものの、「結果的には当社の製品を導入することにつながった」としている。こうした提案強化により、昨年度の売上高は前年度の2倍となった。

 今年度、力を注いでいるのは、DC全体を網羅するマネジメントソフトの提供だ。日立製作所の「JP1」などIT資産管理メーカーの製品と、APCジャパンが提供する設備関連のマネジメントソフトを連携させることで需要の引き上げを図っている。今年度については、「売り上げを昨年度と同様に2倍に引き上げる」と自信をみせる。(佐相彰彦)