データセンター(DC)事業者のビットアイルは、SIerやISV(ソフト開発ベンダー)との協業関係を強めていく。勢いよく受注を伸ばしている同社のクラウドサービス「サーバオンデマンドNEXT」について、2011年10月からビジネスパートナー制度「ビットアイルクラウドパートナープログラム」を本格的にスタート。営業面・技術面での支援内容を明文化することによって、より多くの有力なビジネスパートナーとの関係強化を進める。

高倉敏行
マーケティング本部
事業推進部長
 「サーバオンデマンドNEXT」は、2010年12月に従来のクラウドサービス基盤を刷新するかたちでサービスを始めた。以来、ビットアイルの堅牢なDCインフラ、高可用性、すぐれたコストパフォーマンスなどが評価され、ユーザー企業が急増。当初計画の3倍を超えるペースでユーザーが増えたため、今年6月までに首都圏にある「サーバオンデマンドNEXT」向けのDC設備を4倍に拡大するとともに、同月に新規開設した大阪DCでも「サーバオンデマンドNEXT」サービスを立ち上げた。高倉敏行・マーケティング本部事業推進部長は、「サービスを開始して満1年に当たる今年の年末には、設備規模ベースでスタート時の10倍に増える」と、事業が力強く伸びる見込みを述べる。

 今回、ビットアイルが採り入れた「ビットアイルクラウドパートナープログラム」は、SIerやISVなどのビジネスパートナーが「サーバオンデマンドNEXT」をビジネスに活用しやすくする支援策を整備したもの。SI向けとサービス向けの大きく2系統があり、良質なSIサービスやすぐれたアプリケーションと組み合わせることで、顧客満足度の向上と、シェア拡大を狙う。例えば、ビットアイルに入ってきた顧客からの引き合いを、ビジネスパートナーの得意分野に応じて振り分けたり、共同でプロモーションを展開して新規の顧客発掘を行うなど、「SIerやISVといったビジネスパートナーと二人三脚でビジネスを拡大させていく」(高倉部長)と取り組みを強化する。向こう1年で50社ほどのビジネスパートナーを募っていく方針だ。

 クラウドコンピューティングをベースとした商材開発は、SIerやISVにとって新たな収益の柱になる可能性が高い。クライアント/サーバーが全盛の時代は、SIer・ISVはハードメーカーからハードを仕入れ、その上に自らの強みである情報サービスやパッケージソフトを付加して販売していた。クラウド時代の今、SIer・ISVはビットアイルをはじめとするIaaS/PaaSのプラットフォームベンダーから基盤部分を調達し、SIやソフトの付加価値領域でビジネスを伸ばすケースが着実に増えている。

 「サーバオンデマンドNEXT」では、完全冗長構成のプライベートクラウド環境がレンタルできる「SOD-NEXT VMware Server」、OS単位でのレンタルが可能で、高可用性・ハイパフォーマンスの「SOD-NEXT Virtual Server」、専用物理サーバをオンデマンドで提供する「SOD-NEXT Real Server」の三つのサーバリソースを用意。多様な選択肢のなかから「SIer・ISVが自らのビジネスに最適なサービスを自由度をもって選べる」(高倉部長)よう努めている。