企業が業務に活用する端末が多様化し、またウェブの閲覧やメールで受送信するデータ量が増大する環境のなかで、ろ過紙のようにウィルスや迷惑メールの進入を食い止める「フィルタリング」が注目を浴びている。大手企業だけでなく、中堅・中小企業(SMB)までもがフィルタリングの導入を推進していて、市場は活況を呈している。
クラウド型サービスに大きな可能性
フィルタリング市場の活況の背景には、端末の多様化やデータ量の増大に加え、SMB市場の開拓がしやすいクラウド型フィルタリングサービスの登場がある。フィルタリングの主要ベンダーは、今、スマートフォンやタブレットを中心とするスマートデバイスに対応する製品の開発や、クラウド型サービスの展開に取り組んでいる。
フィルタリング製品のSaaS化は、とくにSMB市場開拓には有効なアプローチになる。SMBでは、IT予算やIT管理に携わる人的リソースが限られていることから、セキュリティ対策の優先順位としては、まずアンチウイルスなどを導入し、フィルタリングの導入は後回しにされることが多い。そんな状況下で、フィルタリングのベンダーは、低コストで導入することができるクラウド型サービスをSMBに訴求することで、ビジネスを拡大することができるだろう。
下のリンクからアクセスできる「ユーザーに安心・安全を届ける フィルタリング大特集」では、フィルタリングの有力ベンダーの取り組みを紹介する。各社はどのような手で、製品をユーザー企業に訴求し、他社との差異化を図っているのか。有力ベンダーの最新の動きを追った。