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セキュアソフト IPS市場でトップシェアを獲得 情報セキュリティ分野で存在感を高める

2012/10/04 19:55

週刊BCN 2012年10月01日vol.1450掲載

 情報セキュリティ分野でセキュアソフトが存在感を高めている。ミック経済研究所が公開した調査レポート「情報セキュリティソリューション市場の現状と将来展望2012」のIPS(不正侵入防御システム)部門で2011年度に国内市場のトップシェアを獲得するなど、躍進ぶりが顕著に現れている。同社の製品がユーザー企業に支持される理由、販売戦略、今後のビジネス展望を、姜昇旭社長に聞いた。

IPS製品のすそ野が広がる

セキュアソフト
姜昇旭 社長
 IPS(不正侵入防御システム)は、ネットワークの境界に設置して、サーバーやネットワークへの不正侵入を阻止する製品である。強固なセキュリティを求める官公庁や大企業で導入が進んでいるが、最近は中堅・中小企業(SMB)でも導入案件が増えており、市場規模は確実に拡大している。

 そのIPS市場で、ここ数年、シェアを伸ばし続けているのがセキュアソフトだ。ミック経済研究所の「情報セキュリティソリューション市場の現状と将来展望2012」によれば、IPS部門で2011年度にシェア24.0%で1位を獲得している。シェアを伸ばした要因として、2010年10月にハイエンドモデル「SecureSoft Sniper IPS 10G」を発売したことが挙げられる。この製品の発売で、2010年度には10.1%だったシェアが1年間で一気に2.3倍ほども伸びたことになる。企業ネットワークのトラフィック増大で10Gbps対応のIPSに注目が集まるなか、高性能でリーズナブルな価格というコストパフォーマンスの高さが支持され、通信キャリアやデータセンター(DC)事業者、官公庁、金融機関、オンラインゲーム事業者などに広く普及した。

 姜昇旭社長は、「主要な通信キャリア、大規模なDC、官公庁など、それぞれの分野に幅広く導入している。最近では、地方自治体への導入が進むなど、すそ野が広がっており、当社製品を拡販できる環境が整っている」と断言し、今年もシェアを伸ばしてトップの座を不動のものにすると、自信をみせる。

小回りの利いたフィードバック

 もう一つの強みが、品質の高さとサポート力だ。IPS製品には、ネットワークを絶対に止めない仕組みが必要となる。そのため、セキュアソフトは「Sniper IPS 10G」で障害時に管理者へ迅速に通知する機能や、ネットワークに影響を与えないようバイパスに切り替える機能などを強化。サポート面では、販売パートナーに提供する評価機や保守部品の充実、販売トレーニングの強化などに取り組んでいる。

 「当社は、ユーザー企業1社ごとの要望に応える『ワンポイント営業』が特徴で、きめ細かいコンサルティング、技術・運用サポート、情報提供を徹底している。加えて、販売代理店様からの開発面に対する要求にも小回りを利かせて、いち早く製品に反映させている。フィードバックのスピードに関しては、競合他社と比べて圧倒的に勝っている」と、姜社長は自負している。

 セキュアソフトは、今年5月に「Sniper IPS」のモデルチェンジを実施。「Sniper IPS NE」シリーズを新しく発売した。同シリーズは、管理インターフェースを変更したほか、複数のモニタリング情報を一つの画面に表示しながらネットワーク情報を効率的に分析できるようにした。自動レポート機能も大幅に強化し、運用上のニーズに応えた。IPSが監視対象とするセグメント数や回線の種類に合わせて、「NE1000」「NE2000」「NE4000」の3機種14モデルを揃えている。

営業・開発の人員体制を倍増

 今後の取り組みについては、営業体制で販売パートナーに対する専門チームを設置するほか、開発部門の「Security Lab」も強化する。その一環として、来年3月をめどに人員を現状の2倍に増やす計画を立てている。これまでハイエンド市場で培ってきたユーザー企業や販売パートナーから寄せられる信頼と実績をベースに、各部門の増員によって、ハイエンドの一つ下のレンジにアプローチする体制を整えて、ビジネスの拡大を図っていく方針だ。


SecureSoft Sniper DDX ND 4000


SecureSoft Sniper IPS 10G

 製品面では、「Sniper IPS」シリーズに加えて、もう一つの柱であるDDoS攻撃をリアルタイムで検知・遮断する「SecureSoft Sniper DDX」シリーズの販売にも力を注いでいく。大量の通信を意図的に送りつけ、企業のサーバーの機能を停止させるDDoS攻撃は、ここ数年、新型のタイプが多発的に発生するなど複雑化が進んでいる。

「Sniper DDX」シリーズは、トラフィックをモニタリングし、8段階の分析/遮断エンジンを活用して新型を含めたさまざまなタイプのDDoS攻撃から確実な保護を実現する。韓国では、すべての大手通信キャリアが導入しているほか、官公庁の60%をユーザー企業として獲得している実績をもつ。日本でも「Sniper IPS」の導入企業が、さらに高いセキュリティ性を求めて「Sniper DDX」を採用することを想定している。

 「国内IPS市場でトップシェアであるにもかかわらず、認知度はまだまだ。販売体制の強化を徹底的に追求していく。また、製品面では『Sniper IPS』シリーズで来年春に40G、再来年に100Gの製品を投入する計画に加え、ミドルレンジやローエンドの製品投入も検討している。『Sniper DDX』のユーザー企業も増やすことで、積極的にブランド力を高めていく」と、姜社長は抱負を語る。


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製品情報ページ http://canon-its.jp/product/ips/
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外部リンク

セキュアソフト=http://www.securesoft.co.jp/