国内バックアップ製品の大手ソフトウェアメーカー、CA Technologies(CA)はイメージ・バックアップ製品「CA ARCserve D2D r16」をさらに進化させた。富士通がクラウド・サービスの「FGCP/A5 Powered by Windows Azure(FGCP/A5)」と連携する最初のバックアップ製品として採用。「ARCserve D2D r16」を、ソフトウェアとクラウドの両方を兼ね揃えた“ハイブリッド型”のバックアップソリューションとして提供する体制を整えた。

「簡単」「安価」「高信頼」を追求

米CA Technologies
データマネジメント事業部
SVP&ジェネラル・マネージャ
マイク・クレスト

 今回のCAと富士通との連携によって、ユーザー企業は災害対策用のデータバックアップの保管先として、「FGCP/A5」のストレージを利用することができるようになった。社内で「ARCserve D2D r16」を利用してバックアップしたデータの中から、特定のファイルをインターネット経由で富士通のデータセンター(DC)に保管する。「ARCserve D2D r16」の設定画面でデータ保管先として「FGCP/A5」のストレージを指定するだけで、バックアップしたファイルを「FGCP/A5」の高性能なストレージへ自動的にコピー・移動できることが特徴だ。リストアも、「FGCP/A5」から直接、復旧するファイルやフォルダを指定して行うことができる。

 8万円から提供している安価な「ARCserve D2D r16」と「FGCP/A5」との組み合わせによる新たなバックアップソリューションは、初期・運用費用を抑えながら高信頼なデータ保護を提供できる。

 米CAでデータマネジメント事業部SVP & ジェネラルマネージャを務めるマイク・クレスト氏は、「簡素化とストレージのTCO削減を追求している」と説明。「そして、何よりも国内DCで保管できるという点で、お客様に信頼感を提供できる環境を整えたことが富士通様とパートナーシップを組んだ最も大きな理由」とアピールする。

 富士通がCAのOEMパートナーとして富士通のハードウェアとCAのバックアップ製品を連携させて販売するなど、両社はこれまでもパートナーシップを組んできた。その年月は16年以上に及ぶ。クレスト氏は、「長くパートナーシップを組んできたという信頼関係を築いているからこそ、今回のような連携が実現できた」と強調する。ワールドワイドでは、マイクロソフトやアマゾンなどともクラウド分野で協業しているが、日本市場を主軸に見据えた連携は今回が初めてとなる。

SMBへのバックアップ浸透を図る

 「ARCserve D2D r16」と「FGCP/A5」との連携ソリューションをユーザー企業に提供していくのは、富士通とCA両社の販売パートナーだ。そのため、CAでは販売パートナーに対する支援に力を注いでいる。日本法人のオフィスでは富士通と共同で製品やソリューション関連のハンズオン・トレーニングを実施するほか、販売促進に向けて30日間の無償トライアル・キャンペーンを今年12月31日まで展開している。このような取り組みにて、「日本でバックアップの潜在需要が大きいSMB市場で拡販していく」と、クレスト氏は意気込んでいる。

 東日本大震災など自然災害によって、重要なデータの消失がビジネスに大きな影響を与えるとの認識がユーザー企業のなかで高まっている。万が一のシステム障害でリスクを最小限に抑えることの重要性を認識しており、バックアップの保存先の一つとして、クラウドの活用に注目が集まりつつある。このような状況の中、CAは富士通とのパートナーシップによって「ARCserve D2D r16」とクラウドとの連携を果たしたわけだ。クレスト氏は、「クラウドだけを利用するというよりも、社内システムでもバックアップするという“ハイブリッド型”がますます主流になってくるだろう」と捉えており、今回の連携が時代の流れに適したソリューションであることを示唆する。

 これまで富士通のサーバーやストレージ、CAの「ARCserve」シリーズを販売していた販売パートナーにとっては、これまでのビジネスにクラウド・サービスという価値が付加されることで、新たなビジネスチャンスをつかむことにつながりそうだ。クレスト氏は、「今回の富士通様との連携によって、日本市場でクラウドが浸透することを必ず成功させる」と意欲を燃やしている。

「ARCserve D2D r16」と「FGCP/A5」の連携によるメリット

(写真/横関一浩)