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<プリンタメーカー座談会 2013>2013年は本格的な回復を目指す年になる!

2013/02/28 19:56

週刊BCN 2013年02月25日vol.1470掲載

 2012年の国内プリンタ市場は、前年に発生した東日本大震災やタイの洪水被害からの本格的な回復が期待された年であったが、欧州ユーロ危機の影響などから厳しい年となった。一方で、新たに「クラウド」「スマートデバイス」といったキーワードが本格的にクローズアップされてくるなかで、メーカー各社はこれを新しいビジネスチャンスと捉えて、布石を打ち始めている。成熟市場といわれて久しい国内のプリンタ市場において、プリンタメーカー各社はどのような戦略を考えているのか。エプソン販売、OKIデータ、キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)、ブラザー販売、リコージャパンの販売責任者に座談会形式で話をうかがった。


出席者

エプソン販売  鈴村 文徳 氏
OKIデータ  森 孝廣 氏
キヤノンマーケティングジャパン  石渡 幸治 氏
日本ヒューレット・パッカード  松本 達彦 氏
ブラザー販売  大澤 敏明 氏
リコージャパン  山根 浩一 氏

司会:本紙編集委員 谷畑良胤

クラウド、スマートデバイス対応をキーワードに
新たなビジネスチャンスに変える

●2012年は厳しい一年
とくに10~12月期が落ち込む


──まずは、2012年を振り返って、市場観と昨年の実績を聞かせてください。

鈴村(エプソン販売) 全体としては厳しかったです。これは欧州の金融危機に伴う景気後退、円高など為替の影響が大きかったと思います。とくにカラーレーザーはコスト削減のやり玉に挙げられたという気がします。しかし、ビジネスインクジェットが堅調で、レーザーを補ってくれて、ある程度までは盛り返すことができました。

森(OKIデータ) 市場観については、私も厳しかったという見方に同感です。とくに第3四半期(10~12月期)は需要が大きく落ち込んだ感があります。ただ、そうした市場環境ではあっても、「COREFIDO(コアフィード)」シリーズはかなり好調で、年間を通じては対前年130%を達成できる見込みです。なかでも、昨年投入した新製品は前年比1.5~2倍に伸びています。加えて、消耗品ビジネスも好調でした。

石渡(キヤノンMJ) 国内プリンタ市場は対前年95%程度だったと考えています。その原因はやはり欧州の影響をはじめ、為替、さらに政治の混迷が国内にも影響したと思います。OKIデータの森さんが指摘されたように10~12月期は極端に販売が減速しました。欧州のユーロ危機の影響を受けて企業が設備投資をかなり絞り込んだと考えています。また、一部の企業では、個々に配置しているプリンタをデジタル複合機(MFP)に集約するという動きが出ていると感じています。

松本(日本HP) 当社は、昨年、プリンタの事業とパソコン事業が合併して一つになりました。その相乗効果が出てくることを期待できるのは今年からと考えています。当社も10~12月期はやはり厳しい時期でした。

 一方、個別製品ではビジネスインクジェットがとても好調です。2012年11月には、コピーやスキャン機能を備えた世界初をうたうモバイル複合機「HP Officejet 150 Mobile AiO」を発売しましたが、この製品の効果もあり、2ケタ成長を果たしました。

大澤(ブラザー販売) 当社の場合はSOHOが主なターゲットなので、皆さんとは市況観が多少は違うかなと思いましたが、やはり第3四半期(10~12月)は大変でした。とくにレーザープリンタが影響を受けました。そのなかでもモノクロ製品が厳しかったですね。一方、ビジネスインクジェットは堅調で、9月にA3の新機種を追加しましたが、そこから数字的に持ち直しているという感じです。これからの年度末にかけて、拡販に結びつけたいと思います。

山根(リコージャパン) 2012年の前半は、2011年に発生したタイの洪水の影響が多少残りましたが、後半に入って徐々に取り戻すことができました。おかげさまでカラー、モノクロともに業種用途が堅調に推移したことで販売台数は2ケタ成長となり、プリンタ事業全体でも前年に比べて伸びる見込みです。

●製品や機能だけでなく
ソリューションで差異化する


──具体的に取り組んだ施策とその成果、また、販売を伸ばすのに効果的だったソリューションはありますか?

山根(リコージャパン) 昨年はクラウドやモバイルデバイスの導入が本格化した年となり、当社でも関連するソリューションの提供を進めてきました。例えば、iPadやAndroid端末にある写真や書類を、当社のプリンタや複合機で印刷することができる「Smart Device Print」というアプリケーションを無償で提供したり、AirPrintへの対応を実施しました。その結果、私たちが想定した以上にビジネスでの活用が進んでいると感じています。今後も、クラウドプリンティングの展開を強化するとともに、スマートデバイスとの連携機能も順次搭載していく予定です。

【Epson】
ビジネスインクジェットの拡販を通じて
当社とパートナー様の双方にとってWin-Winの関係を構築する。

エプソン販売
販売推進本部
OP MD部 部長
鈴村 文徳 氏


ビジネスインクジェットプリンタ、ページプリンタ、スキャナのマーケティングを担当する。


【Strategic Model】
ビジネスインクジェット、レーザーを展開。昨年はビジネスインクジェットに9機種を追加し、21機種をラインアップ。レーザーは24機種をラインアップする。昨年11月に発売した「LP-S230DW」と複合機「LP-M230FDW」で、同社のページプリンタとして初めて無線LANに標準対応した。

PX-B750F
(インクジェットプリンタ/A4対応カラーファクス複合機)

モノクロ:16ipm
カラー:11ipm
用紙サイズ:A4
参考価格:34,980円(お得祭り限定価格。2013年3月28日まで)

LP-S7100
(ページプリンタ/A3カラープリンタ)

モノクロ:30枚/分
カラー:30枚/分
用紙サイズ:A4
参考価格:79,980円(お得祭り限定価格。2013年3月28日まで)

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外部リンク

エプソン販売=http://www.epson.jp/

OKIデータ=http://www.okidata.co.jp/

キヤノンマーケティングジャパン=http://canon.jp/

日本ヒューレット・パッカード=http://www8.hp.com/jp/ja/home.html

ブラザー販売=http://www.brother.co.jp/

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