教育現場でのIT化が進む中、セキュリティ対策は大きな課題となっている。ITセキュリティベンダーのエフセキュアは長年にわたって文教市場に力を注ぐ営業施策を展開してきて、全国の小中高校、大学への導入実績を重ねている。「当社は、文教市場を非常に重要なマーケットと位置づけている。そこで今回、スイートパックの販売体系を見直し、さらに多くのお客様のご要望に応えていく」と、営業本部・本部長の川崎哲郎氏は説明する。同社の施策について話を聞いた。

スイートパックをリニューアル
よりシンプルなライセンス体系に

プロダクトグループ
部長
神田貴雅 氏
 エフセキュアは、これまで文教市場向けに提供してきたスイートパックをリニューアルし、2013年4月以降は「エフセキュア 小中高校サイトライセンス」「エフセキュア キャンパスライセンス」を展開している。教育現場への導入の敷居を下げる取り組みとして、「“シンプルな製品構成”と“数えやすいライセンス体系”を用意した」と、プロダクトグループ・部長の神田貴雅氏はアピールする。

 ライセンス製品の構成については、これまで複数のメニューを用意していたパック内容を変更し、小中高校向けライセンスを2種類から1種類に、キャンパス向けライセンスを4種類から1種類に集約した。「教育現場のお客様に対して“シンプルで選びやすい”という点を訴求していく」と神田氏は語る。

 ライセンス体系については、小中高校向けライセンスは従来と変わらず、校数単位で導入できる。端末の台数にかかわらず、無制限にインストールすることが可能だ。さらに、教職員の自宅PCにもインストールできるので、USBメモリなど外部記憶媒体を介した情報漏えいを未然に防ぐことができる。

営業本部
本部長
川崎哲郎 氏
 キャンパス向けライセンスは、教職員と学生の総数をユーザー数とするライセンス体系だ。これまでの導入単位は1000~5000ユーザーだったが、今回の新販売体系から100ユーザー単位で導入できるようになった。これにより、川崎氏は「一度に全学へ導入するのはユーザーの負担が大きいが、今回の措置で学部単位や短期大学など、小規模なキャンパスへの導入もしやすくなる」と、導入の広がりに対する期待は大きい。

 ライセンス体系をシンプルにする一方、教育現場の抱えるニーズに応えるため、機能の拡充も図っている。例えば、小中高校向けライセンスでは、「小中高校でもLinuxベースのサーバーを導入するケースが増えている」(川崎氏)という状況を踏まえて、「エフセキュア Linux セキュリティ フル エディション」を新たにスイートパックに加えた。「当社のスイートパックは、ゲートウェイからエンドポイントまで、すべてオール・イン・ワンで提供している点が強み。今回の新販売体系によって、セキュリティをカバーする範囲が広がり、よりセキュアな環境で運用していただける」と川崎氏は説明する。

「売りやすい商材」で
販売パートナーに大きなメリット

 エフセキュアは、販売パートナー経由の間接販売を中心としている。全国展開する大手SIerや各地域の有力なパートナー企業と連携し、市場開拓を進めている。このようなパートナー施策の核を担っているのが、「エフセキュア パートナーポータル」と呼ばれる販売活動支援オンラインツールだ。ここでは、同社が提供する販促資料や営業情報に加えて、製品の販売実績や顧客情報なども共有でき、販売パートナーのビジネスを大きく後押しする。

 また、パートナー施策のなかで現在、最も力を入れているのがクラウド型セキュリティサービスだ。同社は他社に先がけて、いち早くクラウド型セキュリティサービスを提供した実績がある。そのノウハウと技術を生かして、マルチプラットフォームに対応したクラウド型セキュリティサービスを提供している。「“売り切り”のビジネスモデルに加えて、お客様の環境を販売パートナー様が管理するという運用も可能。販売パートナー様にとって、ビジネスの幅が広がる」と神田氏は強調する。

 このようなパートナー施策を展開する同社だが、今回スタートした新販売体系は、さらに大きなメリットを販売パートナーへ与えることになる。スイートパック製品の構成やライセンス体系がシンプルになったことは「販売パートナー様にとって、さらに“売りやすい商材”になった」(川崎氏)ということを意味する。さらに、新販売体系の価格が改定され、複数年契約の優待割引が用意されたことで、スイートパック製品の付加価値がさらに高まった。

 このような営業施策が後押しして、今後、販売パートナーのビジネスが伸びていくことは間違いない。「今回の新販売体系によって、販売パートナー様のより積極的な展開を期待している」と川崎氏。文教市場の攻略を図るエフセキュアの動きから目が離せない。